てくてくミーハー道場

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2013年02月04日(月) 危機

まさか年も明けてひと月足らずの頃に、またもや歌舞伎俳優の訃報を聞くとは思わなかった。

言葉がありません。



ぼくはオカルティックな思想は好きではないので、最近一部でかまびすしく囁かれている縁起の悪い噂話はあまり本気にしたくないのだが、今が歌舞伎界にとって21世紀最大の危機だってことは分かる。

だが、それをどうやって克服するのか、については、門外漢のぼくとしては、外から見守るしかない、と思っている。

ただ、ぼくが少しだけお付き合いさせていただいている関係者の方と先月ちょっとお話ししたときに、

「去年は悲しいことがありましたけど、今年は新しい歌舞伎座もオープンしますし・・・」

と申し上げたら、

「それは“おめでたいこと”というよりも、我々にとっては“正念場”のような気がしています」

と答えられたのが気になった。

そして、

「私たちにとって、最大の頼りは“ご見物”なんですよ」

とも。

その言葉には、どんなに提供する側が頑張っても、受け手にそっぽを向かれたらどうしようもない、という経済原則が、今の歌舞伎界(もっと言えば演劇界全体)に大きくあてはまってる、という意味が痛切に込められているのだと分かった。

名優が少しずついなくなっているから危機なのではない。

現実問題、観客が、減っているのだ(目に見えて激減しているというわけではないらしいが←ぼく自身、しばらく行ってないから判んない)

それは、不況のせいなのかもしれない。

ぶっちゃけ、面白い舞台が減っているせいなのかもしれない。

ミーハーゆえに、「一般大衆」のバロメーターと自負しているぼく自身、毎月歌舞伎を観に行く観劇リズムを、一昨年あたりから徐々に崩してきてる。

別に震災がきっかけだったわけじゃない(その前からちょっとずつ、興味が薄れ始めていたのだ)

もちろん、行けば行ったで満足できる舞台もたくさんあった。

だけど、「これはマストだ!」というような座組みがだんだん減ってきていたのも確かなのだ。

とにかく残された“これからの”役者たちには奮起してほしいし、ぼくに言われなくったって皆さんそうするつもりなのだろうが、ぼくは一観客として応援する気は山々あるのだけど、それは気持ち上のことであって、実際問題では、足を運ぶのにふさわしい舞台を見せてくれなけりゃ、行動には結びつかない。





とりあえず、通り一遍の「ご冥福を祈る」という言葉はぼくは嫌いなので言わない。

成田屋が安心して眠れるように、脇目も振らずに精進してほしいです
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注※ご長男にだけ言ってるんじゃありません。


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