てくてくミーハー道場
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2012年09月11日(火) |
『ミュージカル 走れメロス』(Bunkamuraオーチャードホール) |
(UPした当時は名古屋および大阪公演以前でしたが、ネタばれしまくってました)
公演案内が来たとき、
「え? 日生ファミリーミュージカル?」
と思った(すごい昔の話だが、今の松緑が辰之助時代に日生劇場でやったことがあるのだ)
なのに、出演者のところに「河村隆一、諸星和己(後略)」とあり、やや混乱。
反則だけど、ちょっとあらすじ(といっても、起承転結の「起」しか書いてなかった。そこは偉い)を事前に盗み読み。
あ、なんだそうか、タイトルの小説をミュージカルにしたんじゃなく、それを書いた太宰を題材(シャレじゃありませんよ)にしたミュージカルか。
しかし・・・この題材でミュージカルって、やな予感しかしないんですけど。ストレートプレイならまだ怪我が少ないんじゃないの? 演劇オタの偏見かしら? と、心配しつつ拝見。
まず、ホールに入ってその心配が的中。
オーチャードホールって、デカすぎるわ。わかってたことだけど。
主な出演者の皆さん(それぞれJ-POP界では一世を風靡した方々)の集客力に期待したのかはどうか知らんが、見事に全然埋まってない。1階席後ろ半分スカスカ。過去の栄光にすがるんじゃねえよ、と口汚く罵りたいところだが、そんなことじゃなく、作品世界自体、こんな広々としたところでやるようなものじゃない。どんなに大きくても世田谷パブリックシアター、本当はシアタートラムでやってほしいぐらい濃密であるべき題材。
で、でも、ミュージカルらしいし・・・始まってみれば、また違うかも、と開演を待つ。
・・・やっぱ、だめだった。(ううう/嘆)
なんか、すごく脚本&演出が退屈←さすがに見えるように書く度胸がない。
音楽はすべて河村隆一氏が手がけたそうで、一曲一曲は楽曲として立派に成立していて美しい曲ばっかなんだけど、ミュージカルのナンバーってのはそういうものじゃないんだけどな・・・って、ミューオタの偏見ですねすみません。
これさ、コンセプトCD化して売れば? 公演のチケットよりそっちの方が世間に受け入れられるような気がするわ。Ryuichiさんのファンが買うんじゃない?(←なにその門外漢っぷり)
第一、こんな音響の良いホールで上演してるのに、音楽、カラオケだよね? ダメだわそんなんじゃ(←ゴールデンボンバーのニワカのくせに、そういうこと言う?)あのね、それはそれ、これはこれ。問題が別です。
だからなのかな? ナンバーの躍動感や臨場感が全然後ろのほうの席に届いてこない。
あと、歌は上手だけど芝居がてんで下手なJ-POP界の人たちと、芝居はそこそこだけど(彼らはそもそも歌を歌わない)地味すぎる役者たち、存在感は派手だけど、わざとらしいコメディアンっぷりが鼻につく約二名(名前書かないけど、観た人はお判りになると思う)という具合に、カンパニーの色彩がごたごたしすぎ。
かと思うと、出演者同士のプライベートな仲良しぶりだけが透けて見えるような“なぁなぁ”な芝居があったり、とにかく全編ぼくには苦痛でした。
なんかもう・・・怒りよりも、とにかく苦痛。
そこには、太宰やオダサクや芥川は存在せず、河村隆一とIZAMと大澄賢也がいるんだよなぁ。
そんで、鈴木亜美は着物の着方も下手(ごめんね歌舞伎オタで)だし芝居も歌も(略)、玉置成実は下品なデザインの着物着させられてかわいそう(本人は「セクシーでステキ!」と思って着てたのかもしれないが)、歌とダンスは得意のようだったが芝居はうにょうにょ(←どういう表現だよ?!)と、泣けてくる女優陣。
で、最後までふれませんでしたが、「辻島衆二」役のモロ。
いかに名ばかりの文学部卒とはいえ、この名前がピンと来ないほど落第生ではありません。W主演が河村隆一とモロで、役名が「太宰治」と「辻島衆二」なのに、ワクワクせんはずがないでしょう?
なのに、そのワクワクはいつまで経っても報われない(途中眠っちゃったのが良くなかったのかな?)
結局何だったんだ? この話。最後まで理解できなかった(まぁ、半分はぼくも悪いのだが)
思うに、太宰と辻島のキャラ付けが、ぼくが期待してたイメージと逆だったんだな。
太宰が幻想の中に生きているような(ま、この話自体が、「自殺した太宰を辻島が回想する」という枠でできているので)繊細な優男で、辻島がそれよりも現実に生きている若き日の太宰のような男・・・って感じだったんだが、うん、確かに河村君とモロだったらそういう役分けにせざるを得ないでしょう、ぱっと見。
でも、結局脚本にそういう対比が明確にあったわけでもなく。
なんか、作り手がワンアイデアに嵌っちゃってるような気がしてならなかった。
あー、まぁ、全部ちゃんと観なかった(おいっ!/大汗)ぼくも悪かったんですけどね。
いや、途中で帰ったわけじゃないよ?(9行上ご参照)
こういうのも、後でいい思い出になるんでしょうね(←ポジティブ!)
散々なこと書いてすみませんでした。とりあえず正直なとこで。
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