てくてくミーハー道場
もくじ|前回てくてく|次回てくてく
2012年08月24日(金) |
音楽劇『オリビアを聴きながら』(青山円形劇場) |
タイトルからはとても想像できない内容の芝居でした。
そりゃ確かに、横内(謙介)作品ですので、そんな、「スィーツ(笑)」(←失礼で申し訳ない)な話のわけはないんだけど、なにしろ、
「尾崎亜美の楽曲しばりのカタログ・ミュージカル」
だというじゃありませんか。
婚活OLのカリスマ(え? そうなの?)尾崎亜美。
あまつさえタイトルが『オリビアを聴きながら』
悪い予感しかしなかったんだけど、
「いやいや、決して、ておどるが大の苦手としている“30代OLが結婚するか仕事に生きるかをぐずらぐずら悩む話”じゃないから!」
というお誘い文句を信じて(最近はお誘いも多くなり、うれしい限りであります)
「ホントに大丈夫? いっぺんに色んな幸せを手に入れようとする身勝手な女を、優しいという名の優柔不断さで包み込む恋人とか出てこない? 散々周りをかき回しイラッとさせる主人公の背中をそっと押す“妖精”キャラは出てこない?」(あのぉ・・・尾崎亜美さんに失礼すぎませんか?)
と、ぼく自身が人をイラッとさせるキャラになり下がりつつ青山円形劇場へと出向きました。
だって・・・ヒロ(舘形比呂一)がチラシに載ってたから・・・いかにもそういう妖精キャラやりそうじゃん(←コラッ!!)←ところがこの予感、実はあながちはずれてもいなかっ(断)
ストーリーはですね、婚活OLどころか、なんと主人公はバツいち40男で、しかも、話半ばで生活が一変(詳細はネタばれかもしれないので、伏せます)
ラストは確かにハッピーエンドと言えるんだけど、さすが横内さんの脚本らしく、
「なーんだ、やっぱこういう都合のいい終わり方するんじゃん」
とは絶対にならず。
良かった。
かじり応えのある話でした。
登場人物たちも、確かに大雑把には主人公にとっての「敵」と「味方」に分かれるんだけど、類型的な悪役や善人たちではない。それぞれにきちんと矜持があったので、そこもすーっと観ることができた。
そして何より、「こう何でもかんでも音楽劇にすんなよな。特に、現代に生きる普通の人が主人公の話で音楽劇にすると、逆に大げ(これは8月9日のエントリで申し上げたことの繰り返しになりますので、省略)」と事前に躊躇していたぼくであるにもかかわらず、尾崎亜美さんの既成の楽曲がそのシーンで歌われるからこそ、ぐいぐいと登場人物の心情が迫ってきて、見事にこちらの感情を揺さぶったという現象が起きまして、見事「音楽劇化」大成功となっていたのでございます。
なんかありきたりだけど、「音楽の力、すげえ!」と思いました。
なんだろね、尾崎さんの楽曲の力のすごさも、きっと多分にあったんだと思うよ。
彼女の歌声って、かわいいじゃないですか。
その印象で、楽曲自体が「ヌルい」と勝手に決め付けていたんです。
大反省いたしますm(_ _)m
むしろ、実に硬派で力強い楽曲がいくつもあったことに感銘を覚えました。
軟弱の代表格(おいっ/大汗)だと世間に思われているさだまさし氏の一連の楽曲が、実は非常に過激であることと共通しているかもしれない。
ほんと、表面的な印象だけでものごとを決め付けたらいかんのですね。今更ながら勉強になりました。
これ以外にも、円形劇場の丸い舞台自体がターンテーブルになってる舞台装飾が、まんまやけど可愛いかったっす!(←お前もまんざらスィーツじゃねえか)
うん、偏見て良くないよね、本当に。
今回はそのことを一番教えられた舞台でありました。
ありがとう(←誰に?)そりゃ、色んな人にだよ。
さて、明日は、“あれ”の当日(券ゲット)に挑戦だ。・・・入れるかなぁ・・・? かなり心配。
まあ、ダメだったら、部屋の片づけでもしよう。
早く涼しくなんねえかな・・・(今、日本人全員がそう思ってるかもね)
|