てくてくミーハー道場

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2012年02月26日(日) 『中村勘太郎改め六代目中村勘九郎襲名披露 二月大歌舞伎』夜の部(新橋演舞場)

前売りで完敗したので当日に賭けました。

千穐楽でなおかつ日曜日で東京マラソン当日(これは関係ないか)という悪条件の中、どうにかこうにかキャンセル分をゲット!



『鈴ヶ森』

白井権八は立役の人も女方の人も演る役だけど、なかむら屋みたいに兼ネル役者が演るのが一番良いような気がする。

さらに、成駒屋と中村屋は鶸色の衣裳でやるのが定法なので、それも好きだ。

なかむら屋の権八は今回で3回目のようなのだが、1回しか覚えてないぞ・・・まずいな。

実は、芝翫丈のやつも鮮明に覚えてて(これも2回お演りになってるけど、多分六代目の追善のときだ)、これも強烈に可愛いかった。

今回のなかむら屋バージョンは、髭題目の石塔の前でキマったときの姿が、暗闇に浮かぶ魔少年て感じでゾクゾク。

幡随院長兵衛が乗った駕籠の提灯で刀の刃こぼれを確認するポーズなんかも、絵に描いたような美しさだった。


ただ、とにかくわたくし、この後(正確にはこの後の後)の幕に完全に気持ちが行っちゃってたので、あまり細かい部分を覚えてない(←大馬鹿野郎!!!)

・・・すみません(_ _;)



『春興鏡獅子』

『口上』に関してはまあ、特にコメントしません。芝雀丈もいたんだけど、中村屋一門とは特に関連していないのでお父様のことは口にせず。お心お察しします。

菊パパ(菊五郎)や亀ちゃん(亀治郎)がいなかったので、特に危ない話は出なかった。良かった(^^ゞ←コラコラ!

で、『鏡獅子』

ぼくの期待はチョモランマよりも高く。

あんまり期待しすぎてはいけないのでは? と普段なら理性が働くのだが、新勘九郎にだけはストッパーが利かぬわたくし。

・・・利かせるべきだった(何っっっ?!!!)

あのぉ・・・やはり、何だかんだ言って、まだ若い。

昔お父さん(現勘三郎)が言ってた。

「本当にうまい人の踊りはまぁるく丸く見える」と。

うまくなればなるほど球体に近づくそうです。

掘り出された原石が、削られて立方体から多面体になり、磨かれて表面がつるつるになり、最終的には完全な球体になり全方向からの光を反射して透明になるそうです。

勘九郎の今の踊り(特に弥生)は、まだ立方体(楷書)でした。

でも、これ以上ないくらい正確な楷書でした。

そこからいかに行書、草書、そして勘九郎なりの造形を仕上げていくか、だ。

芸術に“完成”はないし、年齢的にもおそらくぼくはその最終形を見ることはできないだろうが、年々成長していくこの人をなるべく見逃さずに追いかけて行きたいという思いを新たにした(文章が硬い!)

あと、これは狡猾にも薄い字で書いてしまいますが、胡蝶の二人、下手やった。御曹司制度(?)ってほんと善し悪しだわぁ・・・。


でも、舞台写真を久しぶりに買ってしまった。

海老蔵の『源氏物語』以来(12年ぶり)だ。

まぁ、筋書を早く買いすぎて、舞台写真が載ってなかったからってのもあるけど(←黙れ)


おっと大事なことを書き忘れるところだった。

御歳93歳(これは数え年らしい。満だったら91or92)の中村小山三丈の矍鑠としたお姿を拝めただけで、我々観客の今年一年の健康と幸せは約束されたようなものです。成田屋の「にらみ」よりも効き目があるかも(←オイッ!!!)

そして、七之助のお行儀の良い後見ぶりも眼福であった。



『ぢいさんばあさん』

お話は本当に好きです。

実に良い脚本だと思う。

ただ、ほれ・・・(分かってます。キャスティングに不満なんでしょ)

・・・正解です(こら)

三津五郎とハッシー(橋之助)と秀調さんだけぐらいかな、メインキャストで良かったのは。

フク(福助)は例によって“カワイイ芝居”が臭すぎ(←フクには厳しいんですね・・・)

扇雀は、別に悪くもなく普通。

若夫婦(巳之助&新悟ちゃん)は、ザ・未完成。特に新悟ちゃんはまだ細すぎて、ゆっくり成長するのを待つしかない感じ。



『鏡獅子』で打ち出しにしてほしかった。何か事情があったんだろうか?


まぁでも、来月はホームグラウンド(仮小屋だけど)の平成中村座だし、ぼく的には待ちに待った大蔵卿の再演があるので、忘れずに西側席(笑)の切符を獲りたいと思っております。





それにしても、行かなかった(「行けなかった」じゃないんだ・・・)浅草や中村座の一月公演は早速WOWOWが放送してくれるし、ホントいい時代だよな(え? それって・・・)

早く定年になりてぇな・・・(←後ろ向きすぎる!)


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