てくてくミーハー道場
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2012年02月18日(土) |
『ロバート・キャパ 魂の記録』(日本青年館) |
宙組は今二手に分かれ中。
テル(凰稀かなめ)チームは東京に来ています。
ちなみに自分でも気づいていなかったのだが、テルの主演作を観るのは今回が初めてです。
だってさ、初主演作が『凍てついた明日』(正確には『Young Bloods!』が初主演作らしいが)、次が『リラの壁の囚人たち』と、“歌うま”スターさんが評判をとった作品の再演じゃないですか・・・(何を言いたいのかなー?)
い、いえあの・・・再演作ってのは、ちょっと、あの・・・(←ごまかしきれてない)
つうわけで、すっかりスターの風格を身につけたテルさんの主役っぷりを今頃初めて拝見するというビギナーぶりを発揮してしまいもした(←無意味な鹿児島弁)
今回の作品の作・演出の原田諒センセイは今度のユヒちゃん(大空祐飛)サヨナラ公演で大劇場デビューする新進気鋭の作家さんですね。
バウものではこれまでカチャ(凪七瑠海)やちぎちゃん(早霧せいな)の主演作を担当。
ちぎちゃん主演の『ニジンスキー』は観ました。いきなり毒吐きますが、(彼に限らず最近の作家さんには多いんですが)主人公の男性を力づくで美しく描こうとするタイプの作劇が印象に残りました。
なので、主人公とヒロインのラブシーンがとても「とってつけた」ような感じ。
主人公は、ホレたハレたよりも、ひたすら仕事や人生の目標に邁進するタイプ。カコイイ! そういう作風です。
そのぶん娘役への思い入れをあんまり感じない。
まぁ、御大・小池修一郎センセイもそういうタイプ代表ですよね(←コラコラコラッ!!)
タカラヅカは男役偏重だから・・・とここ十数年それでぼくも何となく納得してきていますが、実は本当にそうなのだろうか? 愛だの恋だのを重視することは、そんなになよなよしたへなちょこなことなのだろうか? と最近は思っているのですが。
そうだ。確かに宝塚ファンというのは、「カッコいい男(役)」をこそ見たくて劇場に通うのだ。
確かになぁ・・・そうなんだけど・・・(なんか、歯切れが悪いなー)
そしてこのところの宝塚の作品群に顕著なのは、実在した人物を取り上げることが昔よりも多くなってきているのではないかという点。
完全な架空人物で一から作り上げたオリジナル作品があまりにも少ない。
まあ、ニジンスキーみたいな、いかにもタカラヅカ向けのお耽美な人物だったら分らぬでもないし、逆に今回の主人公であるロバート・キャパなんていうバリバリ社会派代表の人物まで題材にしてしまえるところに、間口の広さでは類を見ない宝塚の包容力を感じてしまうわけだが(こないだやってた雪組『Samourai(サムライ)』の主人公なんて、前田正名ですよ! よほどの幕末歴女しか知らんがな!)
実在した人物だと、結局「若いころはこんな風に苦労しましたが、困難に立ち向かって、こんな素晴らしいことをなしとげました。そしてこんな風に亡くなりました」をただなぞって終りになりかねない。
言いたくないが、ゼロから“男の一代記”を考えるパワーが、いまどきのセンセイたちにはないのだろうか? なんてことを思ってしまう。
なんか、なかなか作品そのものの感想に行けないのは、要するに、作品そのものに対してあんまり「これは!」という感想が持てませんでしたっていうことなのであるううう(_ _;)言うてもーた
テルに関して。
どんだけ脚長いんだ。←それだけぇ?!
・・・うん。だって、相変わらず美貌は高値安定、歌唱力も相変わらず(略)
特に何か大発見があるような舞台ではなかった。すみません。
ヒロインの伶美うららちゃん。
もちろんぼくは初印象。
まだ研3かぁ。でも、大人っぽくて奇麗な子だなあ。その点ではテルとお似合い。
歌唱力もお似合(略!)
まあ、この子が次の娘役トップと決まったわけではないけれど、一応覚えときましょ。
その他の出演者たちは、応援出演の専科の方々も含めてそれぞれに身の丈に合ったお芝居っぷりで、特に破綻のない舞台ではあったのですが、とにかく全体的にさらっとした印象。
キャパのような人物を取り上げといて無理矢理大感動を演出するのも鼻白むので、それはそれで良かったんだけどね。
宝塚ならではで、本編が終わった後にちょこっとフィナーレがついてたんだけど、1930年代のパリとかスペイン内戦とかが舞台になってるのに、このフィナーレがなぜか1950年代のブロードウェイっぽくて謎だった。
舞台面が、『Endless SHOCK』の冒頭のシーンみたいだった。このズレた感じが(毒! なぜそう毒を吐くんだお前は!)
まぁ、観終わってまず思ったことは、「100周年の宙組は、安心だ」ってことだな(今からそんなこと言ったら気を悪くする人が・・・)
とにかくテルちゃん、歌をがんばりましょうね。まだ時間はある。
と、大きなお世話な感想を抱きながら、名古屋行きの支度をするぼくであった。
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