ヒルカニヤの虎



 先のことなど判らない

今週のバナナムーン(ゲスト三村)、聞きごたえありすぎてどうしましょう。とりあえずもう一回聞こう。

土曜はおしどり単独を見てきました。
最後のブリッジ、セピア色のマイム無声劇が幸せで泣けてしまった。
お笑いと芸人と人間の、尊くて美しい一つのかたち。
シュールや発想勝ちの芸人ももちろん愛するけど、今秋の私の軸足は「芸」です。
劇場の椅子で笑うなら、それがいちばん幸せだもの。


■京橋プレミア‘おしどりおもしろギグVOL.5’ 2010/10/23/Sat_19:30-@京橋花月

客層は予想通りの高年齢。でも子ども料金半額設定だったので、幼子たちもちらほら。ふだんのお笑いライブの客席で見るような女子がほぼいない。皆どこ行った?

おしどりは夫婦音曲漫才(?)で、嫁のマコちゃんがアコーディオンを奏でてシャンソンを歌う(アコーディオン日本3位)。旦那のケンちゃんは針金細工とパントマイム(たしか針金は世界チャンプ)。ケンちゃんはちょっと足りないというか紙一重というか、もう中学生やさかなクンの系列、客席に緊張が走る感じ。そういえば客席から何度か叱咤激励が飛んでいたなあ。しかしパントマイムと針金細工はすばらしい。マコちゃんに怒鳴られ罵られたケンちゃんが高音で「マコちゃん大好き!」と叫ぶと、マコちゃんは「知っています」とどや顔。「そんなあんたを愛しいと思う私もおるんやけどな」というオプションもあり。
後半のトークコーナーによると、この関係性はどうやら素のようです。
2人の馴れ初めはお伊勢のおかげ横丁のお祭り。楽屋で一緒になったチンドン屋のマコちゃんにケンちゃんが「ぞっこん」になり、大阪に戻って1週間で入籍したそうです(一度断られたケンちゃん、天王寺の路上で大泣き)(そのときマコちゃんには同棲中の彼氏がいた)(「その元彼は今日受付をやってくれています」自由!)

私はおしどりのネタを見ると無条件に幸せになってしまうので、最初の2本のネタですでに恍惚でした。LIST UPで見た「お金がない」ネタと、アニメの歌&キャラネタ。おしどりにお金がないのはなぜか?針金代がバカにならないから。東大阪の工場から直接卸してるので市価の半額ですむけど、もう半年支払いが滞っているそう。その工場の従業員さん総勢4名が今日は客席に見に来てくれています、と4名が前列中央でお手振り。いいねえ。

ゲストはルミネ劇場番長:COWCOWと、お笑い界のツチノコ:テント師匠。

COWCOWはたっぷりねっとり、ボケるたびに客席にいちいち会釈をかます糸ひきまくりのやまびこ漫才。客いじりもテンポもたたずまいも、本当にこれがあのCOWCOWだろうか。私は大阪時代のCOWCOWしか知らんのです。あまりの貫禄と寄席感にびっくりした。COWCOWの漫才中、前から2列目なのに大きな風呂敷包みと缶ビールを抱えたおっちゃんが入ってきたのですが、多田さんがずーっとそのおっちゃんにくぎ付けで、漫才の終盤まで実況中継でいじっていました。いつビールのプルタブを開けるのか!?風呂敷包みはおしどりへの差し入れらしく、買ってたせいで開始時間に間に合わなかったとのこと。おっさん肝心の本ネタ逃してるやん!
あと熱烈なCOWCOWファンの女の子がいて、周りとのあまりの温度差に多田さんから「静かに」と窘められていました(嫌な感じではなく)。笑い声が一人だけズレた男の人も注意を受けていた。なんかいいなあ。

そしてテント師匠の漫談。ライブで見れて感無量です。これだけでも見に来た甲斐があったなあ。「義務教育やないんやから」も人間パチンコも、「そんなんでね、どんなんや、そんなんですよ、どんなんや、そんなんですよ」も、ありネタはほとんど見れた!しかも今回新ネタをおろしてくれたそうで。ふわー。

その後はフリートーク(テント師匠ほぼ喋らず、シュガースティックの空き袋を手すさびに折り折り)、テント師匠とケンちゃんの漫才(客が手に汗にぎる不安定さ)、マコちゃんの本気のアコーディオン、ケンちゃんの本気のパントマイム、テルミンを使ったパントマイム→演奏、そして「性の目覚めはサンテレビのおとなの絵本」というマコちゃんによるエロシャンソン。「早くこれがやりたくて仕方なかった」というだけあって、なかなか最低です。親御さんの判断でお子さんの耳をふさいであげてくださいとのこと。でも交尾してる犬の針金細工は視覚の問題だよね。
ブリッジも全部よかった。最後のブリッジ、いなくなったマコちゃんを針金の犬に探してもらうケンちゃんのセピア無声のが本当にひどくよかった。


客席がもう完全なるホームで、多田さんが「すげえな…」と小声でつぶやいていました。いい空間だった。
また行きたいなあ、と思っていたら、おしどりは11月から東京に留学するそうです。そんな…!

2010年10月23日(土)



 人生楽ありゃ苦もあるさ

ゼミからいつもの学生街の居酒屋に向かう山道、
会社のメールチェックついでにbaseと京橋花月の本日の公演を覗いてみる。
ちょ、学天即の独演会て!今晩9時から!baseで!なぜ見逃していた私!
結局1時間だけ飲み会参加してキタ通り過ぎてミナミへ。
性懲りもなく先週と同じルートを辿ってしまった。疲れる...


■学天即独演会‘十人十色’ 2010/10/15/Fri_21:00-@baseよしもと

当日券あってよかった!!
学天即があまりにも面白いのでやみつきになっているのです。
M-1で優勝するような爆発的な(あるいは緻密な)笑いではなく、にやにやしみじみ味わい深い学天即の漫才。5本めくらいの奥田のつっこみで「いいねえ」って声出して唸ってしまった。しびれた。
なんてかっこいい漫才師だろう。

2010年につくった40本のネタから10本だけ選ぶ、2010年ベストオブ学天即の10月独演会。
OPVとして月一の単独Vをつないで流し、その後は出囃子、漫才、出囃子、漫才、、、で計10本。それが1時間、息つく間もないテンポで繰り出される。漫才に入る前の枕の部分でちょこっと自分たちの疲れや客いじりはしてたけど、EDでもほぼトークなし。きれいに漫才だけして終わったので、鳥肌が立ちました。なんというストイックさ。そしてなんという幸せな1時間。10本ぜんぶ外れなくおもしろくて、しかもネタのパターンが似通っていない。
ああ、私は学天即の漫才が大好きです。
これほんとに1,000円でいいのかな。

旅行に行こう、おとぎ話、楽して金もうけたい、ついてない日、聞き間違い、誕生日のサプライズ、Tシャツを作ってみた...あーどれもこれも全部よかった!
どうしよう、それぞれの漫才がよすぎて内容を書く気にならない。もったいない。


キンコメのラジオを聴いてたらそのままオールナイトニッポンがはじまったんですけど、冒頭でいきなり女性が泣きながら謝罪するというただならぬ空気にしばらくじっと聞いてしまいました。AKBかぁ。そんな大事になってるの?おかげでバナナムーンのOPを聞き逃してしまったよ。

2010年10月15日(金)



 平和な午後の悪ふざけ

■baseよしもと10月公演‘LIST UP’ 2010/10/10/Sun_14:00-@baseよしもと

2回目のLIST UP。
あまりにも人出が多くてbase近辺になかなか辿り着けず、
学天即の前説を半分ほど見逃しました。ガッデム!
3連休中日のミナミをチャリ立ちこぎで疾走する非常識は網棚にほうり投げる。

駆け込んだ客席はほぼ満席、おっちゃんおばちゃんにいちゃんねえちゃん、それに小学生ぐらいの子どもたち。親子連れもいればカップルもいる休日の午後。
まんべんなくいろんな層の人たちがいて、baseが初めてというお客さんも多数。
いいなあ、baseぐらいの若手のお笑いライブがみんなの娯楽になるのって。
前回のLIST UPとほぼ出場者はかぶっていました。。そういえば学天即、スーパーマラドーナ、吉田たちあたりはテレビでも他のライブでもよくネタ見るのに、まだ同じネタ見たことない。

順番は例によって曖昧。
・おしどり:トップバッターは大好きおしどり。ネタはお金があればいいのに。ちょっとマコちゃんのカツゼツあやしかったけど、あいかわらずいいグルーヴだった。
・ヘッドライト:卒業式の割り台詞。前回の最低なエロが何だったのかと目をみはる健全なよい漫才。時間帯で分けているのかしら。貫禄。
・ビーフケーキ:金縛りコント。舞台上でのカロリー消費量の少なさ!ビーフケーキはオチがいつもきれいで好き。
・学天即:メジャーリーガーになりたい漫才。ツッコミがうまい漫才師は大好きです。おもしろい!この人たち本当にうまいな〜。
・タナからイケダ:夢枕に立つおじいちゃん漫才。学天即がハネていたので、ちょっと爆発してないように見えたかも。でもよかった。年々ベタが好きになっていく。
・吉田たち:おいしいからあげが通貨価値をもつ漫才。「僕がお兄ちゃんのゆうへいで」「僕が弟ちゃんの康平です」このツカミ地味にお気に入り。
・ダブルアート:相方にやせてほしい+うんこを正義(まさよし)と名付けてかわいがる漫才。ツッコミがマツコデラックス。このコンビっていつ見てもネタの印象が違う。
・カバと爆ノ介:壁。めずらしいミニコント集。やりたいことはわかるし面白い、けど技術と見せ方が惜しかったな...。
・アイロンヘッド:ひたすらマネする人コント。ちょっと変わってるね。
・河井ゆずる:音声つき電子辞書コント。
・モストデンジャラストリオ:おなじみの悪いこと自慢。
・ヒューマン中村:フリップ芸。ぐさっとくることを言われた場合の返事の仕方をしりとりで。これはおもろい!のにネット上で探しても情報があがってこないのはなぜ?
・シャングリラ:雀の巣を助けるコント。
・ミルクボーイ:住んでいるのは田舎か都会か漫才。ええええ駒野のマッチョはいじらないのかよ!勝手にイロモノ系だと思っていましたが、違った。ツッコミできる子。おもしろかったよ。
・スーパーマラドーナ:スポーツをそろえるスロット漫才。


もともと単独系が好きだったのに、今は複数芸人のネタのみのライブが大好きです。
こういういろんなタイプのネタが見れるライブが多いbaseはありがたい。
また京橋花月も行かないと。

2010年10月10日(日)



 甘いねってみんなは言うし

なぜかライブ予定がスカッと入ってなかった9月末〜10月上旬。
スケジュール帳を眺めて首を傾げていましたが、
9月末日に研究室の助手さんから「紀要の論文の〆切は10月8日ですよー」とアナウンスメール。
完っ全にド忘れてた!!会社のデスクで絶叫。
お笑いざんまいの夏休み、脳が10月を拒否していたようです。
夏前に一度書いた草稿のリライトだったので、かろうじて提出はでけたけども。
何も予定入れてなかった2ヵ月前の私グッジョブ。2ヵ月前までは覚えてたのになあ。
そんなわけでほっと一息、ひさびさにbaseへ。
この日は会社→午後から大学で授業→セメスター開始のゼミ飲み会だったのですが、飲み会途中で抜けて急行した強行軍。10日分の睡眠不足&久々に飲んだ熱燗のせいで記憶があいまいです。


■baseよしもと10月公演‘漫才ZANMAI’ 2010/10/08/Fri_21:00-@baseよしもと

ストイックな漫才ネタライブ。トーク一切なし!潔い。
出演者とネタは以下の通り。
M-1に関わってきそうなので、極力ネタバレはしない。

OPV:出場者によるZANMAI新喜劇。橋本と四条はやっぱり警官。最後に「コテコテはここだけです」。エンディングのエクスタシーを歌ってたのは誰だったのかな。

・学天即:どちらが人気か?ファンにもらったもの自慢
・吉田たち:同居したがる弟、嫌がる兄
・コマンダンテ:引越したい石田
・銀シャリ:鰻、わらしべ長者にチャレンジ
本日のヒット「阿部寛なんか名前漢字のイタリア人やからね」(@奥田)

ブリッジV:次の出番のコンビに新しいコンビ名をつけていく。
コマンダンテの「聖☆おにいさん」→「宗教」の流れがインパクト強すぎて。

ネタ2巡目。
・宝塚パーマ・ハゲ:ファンに声をかけられた四条のむちゃな誇張
・狐たち:特徴をつけたいので整形でケンタウルスになれ
・水曜日の男たち:微妙な年齢のおばはんが電車の席の前に立ったら席を譲る?
・ライスイズビューティフル:大金持ちになれたら?

いいネタライブだった。
ちなみに双子の吉田たちの出囃子は「タッチ」で、銀シャリの出囃子は筋少の「日本の米」。


最近は特番続きでほとんどテレビを見てませんが、つい何日か前のゴッドタンのゲーセワニュースと、同日の芸人報道でのミサイルマン西代チン●ミニマムネタで息を吹き返しました。
うん、まだ大丈夫だ。

2010年10月08日(金)



 理想はつくらない

■ジャルジャル福徳×銀シャリ橋本トークライブ‘ラブポポ’ 2010/09/26/Sun_21:00-@baseよしもと

銀シャリ橋本のフリーでの口跡が気になりすぎてとったトークライブ。漫才時のツッコミがおもろいのは勿論ですが、「繰ってなくてもおもろい」ことにマニア道で感激したので。
そのまえに繁昌亭で昼席(漫談家としてのタージンを初めて見た)、ワッハで落語家さんじゃない人たちの落語を聞き、15分押しであわててbaseに駆け下りる。事務のお姉さんにチケットもぎってもらって最後列へ。
おおお、日曜夜9時は男のお客が多いわ。

トークは細切れなトピックスがぽんぽん飛ぶ感じで、喋ってるあいだにトークのテーマを裏方さんが画面に打ってくれます。脈絡がなかったからか、あんまりちゃんと覚えてないなあ。でも楽しかった。

順番バラバラの備忘録。
・八尾のロケでの信じがたい八尾市民
・携帯のデコメ
・数日前に携帯をトイレに落とした橋本
・携帯ショップ店頭でキレるおっさん
・携帯ゲームにはまる福徳、ゲームに興味なしの橋本(理由:ゲーム内でレベルが上がっても自分のレベルは上がらないから。わかる!)
・電車で見たMAXおかしい食べもの(橋本:カニのつめ)
・夜中に路上でパンを歩き食いながら星を見ていたOL
・北浜のオープンカフェで雨に降られっぱなしのシュッとした男性
・スタバで一生懸命すぎておのが顔面を殴ってしまうおばちゃん店員の話
・奈良明日香村に他人の墓(古墳)を見に行ってきた
・清水寺の胎内めぐり
・USJとディズニーランドのアトラクション
・鰻の天然話
・パックの飲み物の四隅を吸う橋本
・NSC生は街のどこにでも潜んでいる
・福徳の「電話かけてくるとき‘今大丈夫?’っていらんで」からのミニコント
・LOFTとFrancfrancの比較
・「家帰っても何もないもん!」と帰りたがらない橋本、27日で30歳を迎えるそうです

だいぶ橋本に偏った記憶になってしまった。
基本「うまいこと言う」芸を面白いと思わないのですが、橋本のうまいこと言いは一周まわって笑ってしまう。途中で福徳から「うまいこと言うのナシな」とありのままに物事を言わされてがんじがらめの橋本、「東京行って冷たなったわ〜...」とぼやいていました。
やっぱり銀シャリ橋本は気になる。


11月、悲願の囲碁将棋が京橋花月に!
なのになぜ火曜の昼公演なんだ吉本...。ド平日の昼て。
いごしょはこれまであまりにも縁遠かったので、行けるものならM-1前にぜひ行きたい。しかし有休とってまで行くべきかどうか、良心の迷いどころ。

2010年09月26日(日)
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