蛍玉*



 忘れまいと痛む記憶

頭が痛くて
朝から頭が痛くて
瞼をぎゅっと閉じると
前頭葉あたりで白い光が跳ねる。

その光は、水の飛沫にも似ているけど
もっと硬質な煌めき。

頭の痛さは相変らずだけど
光の中に記憶の飛礫をみる。

過去から現在
そして未来に続いていくであろう記憶。


頭の痛みは、忘れまいとする記憶の最後の力。
頭の痛みは、見たくないとおもう気持ちの昂ぶり。


この痛みに効く鎮痛剤は、もうない。
この痛みに効く鎮痛剤は、ここにはない。


2006年12月04日(月)



 言葉は魔法で呪いで

だいじょうぶ
ボクが守ってるから


そう繰りかえす君を
わたしは微笑んでみつめる


君が守っているのは
君の未来に寄りそうことを前提にしたわたし

君がだいじに想うのは
君の将来にとって役に立つことを期待するわたし


わたしに対する愛ではなく
わたしを通過していく自己愛


気付いてしまったから
わたしは言葉を失くす
そして黙って微笑む


だいじょうぶ
ボクが守ってるから



奇跡を呼ぶ魔法の言葉は
わたしを縛る呪いの言葉になった


2006年12月05日(火)



 捨てられないのは

捨てられないのは
心の不安。


どこかで見た言葉が
すんなり心に入ってきた。




あの時聴いていた カセットテープ。

カセットデッキなんて
もうないのに。


電話を待ちながら 読んだ小説。

恋愛小説なんて
大きらい。



部屋のなかには 捨てられないものが溢れてる。

心の中にも 捨てられない記憶が溢れてる。



捨てられないのは 心が不安だから。
捨てられないのは からっぽになってしまう心が寒いから。




2006年12月14日(木)



 哀しみの向こう岸に

哀しみの向こう岸に
微笑みがあるというよ


Kの歌う『Only Human


哀しみの向こう岸も
苦しみの尽きた場所も

まだ知らない


哀しみや苦しみは
それなりに知ってるっておもっていたけど
向こう岸や、尽きた場所は
まだまだ遥か彼方なのだろうか。


前へ、前へ、進め


言われたって
こんな真っ暗闇では
どっちが前か後ろかなんてわからないし


憎まれ口、叩けるくらいなんだから
前に向かって進む元気があるって?



哀しみも苦しみも人の数だけあって
どっちがどう とか
誰よりマシ だなんて
比べられるわけがない。


だから、どんどん無口になる。
だから、心が離れていく。




2006年12月19日(火)
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