2009年09月30日(水)...面倒

 ずる、と引き抜いて面倒に気付いた。内腿を伝う其れを拭き取る、其の動作の考えただけで、苛々する。腹立たしさと憎しみを孕んだ何かが、感情をじりじりと侵した。嫌悪、汚らわしさ、憎憎しい安堵が脳味噌を満たして、枕に顔を埋める。
 不安定を生じさせる原因に違いない其れが与える此の安穏とした時間を、幸福と呼ぶには未だ消化し切れぬ怒りがぞわぞわと背筋を焦がした。もう、いい、何度呟いたか解らない言葉を、幾度捻じ伏せられれば、信実に辿り着くのだろうか。

2009年09月29日(火)...空冷

 地面を転がすタイヤの音が、エアコンの風音に混じって、世界を満たしていた。口を開くと、唯、壊す言葉だけが空気に触れる気がして、ぎゅ、と噤んだまま、流れる誘導灯を眺めていた。もういい、と繰り返す唇の動きを止める術しか持たずに、毎度繰り返される堂々巡りが、また、言葉を生んで、行為で留めていた。其の、触れ合いを拒めば、終る全てに、未だ、終止符を打てずにいる。

2009年09月28日(月)...蓄冷

 苛立ちしか、もう、無い。そう、解っていて、暗闇に光る着信ライトに手を伸ばす。もしもし、其の一瞬の安堵が、後続の会話に侵される前に、全部終らせて仕舞えばいいのに。

2009年09月27日(日)...徒夢

 居ない、と解っていても、何処かで望んでしまう。今が不毛であればある程、過去の偶像が優しく傷を増やした。

2009年09月11日(金)...補正

 全てを新地に戻す程の純情さも、素直さも、持ち合わせていないのに、ただ、規範に捻じ込まれて息が詰まる。もう、疲れた。
 明白な明日と其れに続くタイムラインに、苛立ちが募る。面倒だと思う度に切り裂きたくなる腕が、脳味噌をぐらぐらと揺らした。吐き気がする。

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