2006年11月28日(火)...27歳

 ポインセチアが並んで、6度目の冬が訪れたと知る。呟きに雑ざる名前は相変わらずで、呼び掛ける先は今年もまた更新されないまま誕生日を迎えた。

2006年11月25日(土)...気鬱

 ちかちかと光る電飾と生誕を祝うメロディに、総てが如何でも良くなる。ただ、頭が自棄に痛んで、気持ちが悪い。

2006年11月22日(水)...達成感

 緩やかな安堵に誘われるように眠気が引き摺り出された。

2006年11月20日(月)...愚問

>俺居なくても大丈夫?

2006年11月19日(日)...厄介

 気紛れが生む面倒に始末を付けられずにいる。

2006年11月17日(金)...年下

>もう逃げないで下さい

 余りに真っ直ぐな視線と、退路を塞ぐ言葉に少しだけ魔が差した。苛立ちを含んだ非難は性急さに似ている。

2006年11月15日(水)...崩落寸前

 ただ、募る疲労感に身動きが取れない。

2006年11月13日(月)...避難

 地面から伝う冷たさと衣服に封じた温もりが、鳩尾辺りで混ざり合って肺を締め付ける。頭が自棄に熱くて、感覚を奪われ始めた手足がぴりぴりと引き攣っていた。其れでも、世界との隔絶が抽象に変わるなら寒さなど如何でもいい。

2006年11月09日(木)...4年前

 未だ明日への配慮を欠いたままで良かったあの頃、全てが如何でも良くて、早々と抜け出した学校の正門に着けられた車の、ドアが開く瞬間だけに生きていた。開け放たれた窓から総てを浚う様に舞い込む夜風や、厭きる程に聞いたユーロビート、高速道路沿いの見慣れた広告塔。疾走する世界は恐怖を鈍くする投げ遣りさに満たされていて、差し掛かるカーブで思う、振り切って仕舞え。

2006年11月08日(水)...気後れ

 文化祭の押し迫った校内は何処か賑々しくて、其の華やいだ雰囲気にずぶずぶと落ちてゆくテンションを如何にも出来ないまま。

2006年11月02日(木)...紅葉

 赤茶けた葉が幾枚も落ちて、まるで、血飛沫みたいだと、少し思った。

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