絶望を手繰り寄せてはいけない。絶望に取り込まれてはいけない。希望を見せてくれるのは、遠いどこかにいる赤の他人だったりする。近くに居る人間が示してくれる道は、近いが故に生々しくて、希望を見出せない事も多い。家族とは関係なく暮らしたい。そんな事を改めて切に願った夜、愛すべき赤の他人が、家族というものについて語るのを聴いた。それは偶然の出来事だったけれど、私に対して必然的に差し伸べられた希望の手のように思えた。