VITA HOMOSEXUALIS
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2017年03月21日(火) 不愉快な別れ

 私には不愉快な経験もあったことを告白しておく。

 それはSNSで知り合ったオトコで、28歳と称していた。彼とは何回か会った。常に携帯電話を2台持ち歩いていて、一度に両方でしゃべっていることもあった。

 彼は西日本のある地方の出身で、それは私の出身地から遠くはなかった。父を憎み、母を愛していた。左腕にリストカットの跡があった。彼はニューハーフの子とつきあっていると言っていた。

 彼の顔貌は悪くはなかった。目の色が薄いが、それも考えようによっては魅力になった。色は白く、髪は金色に染めていた。ファッション関係で働いているということだったが、彼はじきにそこを辞めた。仕事がきついわりに待遇が悪いからというのであった。

 しばらくすると彼はウリ専になった。お客から無理なプレイを強いられるのが辛いと言っていた。そのうちに客の一人が「パパ」になったと言ってきた。「これからはパパのお許しがなければ会えない」とも言っていたが、しばらくすると「パパにお金を返して自由になった」と言った。

 そして彼は私がこういうことをtwitterで漏らしたと言って怒っていたのであった。

 彼にはもうひとりの友人があった。それはオトコなのに女の声を持っている田舎の大学生で、毎月一回上京して歌のレッスンを受けていた。その友人と私はmixiでトモダチになったが、しばらくすると絶交を申し入れてきた。私の態度がとても悪いからというのであった。個人情報をtwitterで漏らすような人とは友達になれないと言われて、私は一方的につきあいを廃絶させられた。

 これら一連の出来事は何なのか私には見当がつかなかった。私は個人を特定できる話をどこでもしていないので、正確に言うと個人情報を漏らしていないことは明白だった。それよりも私は彼とつきあうのに苦労した。常に「今は会える」と言ったり「今は会えない」と言ったり、最初はウリ専の指名次第で、次はパパの命令次第で、私はふりまわされてばかりだった。

 もうひとりの歌手の卵は善意の第三者であろうと思う。このおとこはその彼に私淑していた。夢を追うところを尊敬しているとも言っていた。

 この「彼」の行動に整合性のある説明をつけるとすると、彼は最初からカネ目的で「パパ」を探して私に近づいた。しかし、私が予想外にカネを持ってないことが判明したため、何とか私と切れようとしていた。そのためにいろいろな小細工や作戦を弄したと考えれば何となく説明がつく。

 ファッション関係で働いていただけあって、センスの良さそうな服を着ていた。アクセサリーもいろいろじゃらじゃらとつけていた。

 だが、都内一等地のマンションに一人で棲んでいる彼は、会うと「ぷううん」と汗の匂いがするのであった。おそらく、身を飾るわりには清潔な暮らしをしていないのだろうと思われた。


2017年03月16日(木) 寒い夜の熱い汁

 私は東北大震災のあった2011年のことを書いている。多くの死者を出し、街を一瞬にして瓦礫の山に変えてしまった津波の影響も一段落したとき、今度は福島原発の事故がいかに深刻かを知らされる運命になった。

 私はその夏福島に行ったのだが、着の身着のままで避難させられたふるさとは、放射線が忍び寄っているというだけで見た目はどこも変わらない。破壊された跡もなければ崩れたわけでもない。相変わらず庭には花がさいており、洗濯物さえ干したままだ。家の窓の向こうには開いたままの本も見える。それでも立入禁止区域に指定されたとこには、たとえ目の前で静謐な姿を見せていても、そこに行くことはできないのだ。ペットの犬は無邪気に吠える。それても犬を置いたままにしなければならない、飢えて死ぬか、野犬になるか、わからないが引き裂かれるのだ。

 福島のこの異様な美しい風景は私に異様な衝撃を与えた。これが世界の破滅なのだ。いま我々は破滅に向かってあるき始めたのだという自覚だ。

 夏の間は計画停電で私の住んでいた厚木のあたりも突然暗黒になった。だが、それももう落ち着いた。電車はもとのように輝いて走り、店には再び食料品があふれた。

 寒い冬が来たころ、私は3歳年上の電気屋さんと親しくなった。私よりも年上なので、顔は若くない、長年の現場仕事で鍛えられた渋い顔だ、作業服に包んだ体は引き締まっている。外見に惹かれたわけではない。私はには共通の趣味があった。おしっこが好きだったのだ。最初はメールでやりとりしたが、そのときはあまり詳しい話はしなかった。車で20分ほどの私のアパートに彼がやってきたり、一人ぐらしの彼のアパートを私が訪ねたりした。

 何度か体を重ねたあと、彼はMでウケであることがわかった。私は縛るのは嫌いだった。彼は何度か私の服上に自分の尻をおろし、私のペニスを挿入しようとした。しかし、抗うつ薬を飲んでいた私には勃起力がなく、私は彼を満足させることができなかった。私はいつも涙ぐんで彼にあやまった。彼は「いいよ、いいよ」と言ってくれた。

 しごく寒い日。私は仕事で失敗した。私はみじめだった。彼の携帯に電話した。

 「いまから行ってもいい?」

 彼はいいと答えた。彼の家にあがると私はビールも飲まず、彼に抱きついた。

 「抱いてほしい。辛いことがあった」

 抱擁し、愛撫しているうちに私は彼の耳元にささやいた。

 「オシッコ、したい、ダメ?」

 彼の息遣いは荒くなっていた。「いいよ、やろう」

 彼は布団を敷き、その上にビニールシートをかけた。その上をシーツと毛布で覆った。

 私たちは裸になった。寒い夜道を歩いてきて、私のペニスは蚕のようにちぢこまっていた。そのかわり、尿意は相当腹を押していた。彼のペニスが私の腹を這った。私は興奮して勃起してきてしまい、おしっこが出せる状況ではなくなった。

 「何かあったの?」彼は聞いた。

 私は言おうかと思ったがそれが言えず、口から出かかった言葉を飲み込み、急にみじめになって涙を流した。ひとたび涙が流れ始めると止まらなかった。呼吸が小刻みになり、鼻水が流れた。すすり上げても流れ落ちる鼻水の方が強く、私の顔は恥で真っ赤になり、必死で身をよじっているとおしっこが出た。

 ほんの少しだった。

 「出たね」耳元でそうささやかれて、私は逆上した。

 下腹が暖かくなった。彼もおしっこを出したのだった。黄金の熱い水が私の腹の上でしばしたゆたい、腰の脇を流れ落ちてシーツを濡らした。

 私は「うー」とうめき声を上げて下腹に力を入れ、いきんだ勢いでたくさんのおしっこを出した。ふたりの下腹がぬるぬると滑った。

 甘い、恥ずかしい匂いが私たちを包んだ。上になり、下になった。彼のおしっこはいきおいがよくなった。「君が来る前にビールを飲んだ」と彼は言った。「ぱんぱんだ」何度かいきんでいるうちに私のおしっこは噴水のように止まることを知らなくなった。彼はそれを口で受けた。飲んだのではなく、口を開けが、彼の口に入ったおしっこは私の胸や腹の上に落ちてきた。

 彼のおしっこは勢いが強かった。どぼどぼという感じで私の腹に撒き散らされた。シーツはびしょ濡れで、水たまりができた。

 私たちは濡れた腹をこすり合わせた。がまん汁がたれ始め、腹はぬるぬるになった。私はまた手でしごいた。おしっことがまん汁が混ざった粘液がしごかれて細かい白い泡になり、手を動かすたびにぴち、ぴち、といやらしい音を立てた、

 私はおしっこを吐き出している彼のペニスを加えた。苦く甘い水が口にあふれ、鼻にも入り、私音鼻から鼻水になって出た。呼吸が苦しく、私はあえいだ。あえぐとさらに快感が強くなった。お互いにシックスナインでおしっこをかけあった。

 正常位に戻り、濡れたペニスを甲わせした。私は腰を浮かせて振り、射精した。

 彼も私の腹の上で激しく体を上下に痙攣させ、射精した、

 ふたりの狂乱のあと、おしっこの水たまりはたちまち冷たくなった。

 私たちはこぼさないように注意してシーツとその下のビニールシートを浴室に運んだ。その下の布団にもいくつかシミができていた。「気にするな」と彼は言った。私は泣きながらうなずいた。

 熱いシャワーを浴び、私たちは体にしみついたおしっこの匂いを洗い流した。私はあだ泣き止まなかった、彼の首にしがみつき、子供のように嗚咽していた。

 私はバスタオルを羽織った。彼はホットウィスキーを持ってきた。私は嬉しいのと、情けないのでいつまでもしゃくりあげていた。

 「遠慮するなよ、またいつでも来いよ」彼の言葉を跡にして、私は再び暗い夜道を進んだ、「あんなことをしてはいけない」と思った。帰り道は冷たく、私はまた涙と鼻水を垂らした。


2017年03月05日(日) 5000円

 私はまたネットで別の青年と知り合った。駅で待ち合わせようと携帯で相談し、私は駅に急いだ。そのとき彼からメールが入った。

 「きょう、いくらくれますか?」

 と書いてあった。

 私はカッとなった。しろうとだと思っていたのに、商売にだったとは。私は「そんなら、いいです」という返事を出して彼との連絡を切った。

 ただ、その年は不思議な年だった。震災が起こり、原発事故が起こり、人々は明日に大きな不安をいだいていた。

 年末も迫った日、私は彼に連絡をとった。「いくらだ?」と聞いた。「フェラで5000円てとこですか}と返事が来た。それで私は会ってみることにした。

 駅に現れたのはノートを抱えた大学生だった。スポーツをやっているらしく、がっしりしていた。これから別のバイトにも行かなければならないからあまり時間がない、とも言った。

 それでも私はまずビールに焼肉で彼をおごった。出身地はわりと近く。野球部で、甲子園に出たこともあった。今は経済学を勉強している。私の職場と目と鼻の先の大学である。こんな純朴な青年が本当にひとり商売のウリ専なのだろうか?

 私は疑問にも思ったが、彼を部屋に連れ込んだ。彼はすぐに私の服を脱がそうとした。私はその手を止め、トイレに行ってくる仕草をした。彼はうなづいた。私はトイレから帰ってきた。今後は彼がトイレに入った。その間に私は部屋の照明をできるだけ暗くした。お互いに歯磨きをした。

 彼は私に近づいてきた。服を脱がそうとした。ハグしようとした。どれもガマンのならないほど下手くそだった。だから私は自分で脱ぎ、自分で抱きしめた。彼の体が固くなるのがわかった。

 彼を押し倒した。かすかに震えていた。彼の黒っぽいペニスは大きな剣のようで、私が触れるとガマン汁を垂らし始めた。「うう」、「うう」という声を出して、彼は勢い良く射精した。
 それから彼は無言で私のペニスをくわえた。
 プロにしているだけあって、それはかなり巧かった。口の中で亀頭を舐めながら、息を吸い込んで陰圧を作った。彼が顎を上下させるたびに「ズズ」、「ピチ」という音が響いた。
 私は気持ちが良くなり。彼の口の中に思いっきり射精した。

 彼は次のバイトに行った。もう一度連絡してみようと思ったら、登録の電話番号は切れていた。


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