僕らが旅に出る理由
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2009年07月31日(金) フェアウェル

今日で派遣契約終了。
意外にもちゃんとした送別会をしてもらった。
ちょっと感激してしまって、スピーチの時は意味不明な事をべらべら喋ってしまった。でも、普段あまり喋らない派遣の子に、
「感動しました!」
って言われた。ちょっと照れくさい。

先生は送別会の間は普通にしていたけれど、全部片付けが終わって、いよいよ帰るというときに、最後にお部屋へ挨拶に行ったら先生は固唾をのんで待っていて、私が何か言いかけると半泣きになっていた。

20代の人の涙より、70代の人の涙はもっとずっと重い。
泣かれてもどうしようもないから、さらに重い。

また遊びに来ますから、と言ったらそうですね、と言われたけど、うわのそらだった。
そう、たぶん、遊びに来る事はないだろう。これからも訪ねていけば食事くらいおごってくれるだろうけど、そういうことではないのだ。もう仕事で関わる事がないというのは、他で肩代わりできない何かを含んでいる。

家に帰ってから、先生がくれた手紙を読んだ。
泣けた。
何か返事を書こうかと思ったけど、やめた。書いても、それはどこにも辿り着かない気持ちだから。

明かりを消した真夜中に目をみひらいて、見えるものはなんだろうか。
言葉も形も、音もないものであっても、悲しくないような何かであればいいと思う。


2009年07月14日(火) ポエムな人

東京でわりと大きな会議があって、その準備と運営を担当した。
職場で、あんまり絡んだことない人と一緒にやった。

その人はプロパーなので、私はその人の指示に従って動く予定だったけど、なんだか、手際の悪い人だった。
見た目大柄で、がっしりしてるし、スポーツマンタイプ、声も低くて渋い、なかなかの好青年(?)なのに、髪の毛ほども細かいことが気になる繊細さんだった。

頼りないのでがっかりしたが、あまり悪口も言いたくないなぁと一人で葛藤していたところ、一つだけ、いい所を見つけた。
質疑応答中のマイク持ち。
そっと立て膝をついて、発言者の女性に近づき、静かにマイクを差し出す姿には、なかなかの詩情があった。

彼の前世の前世の前世くらいは、古代エジプトのファラオの傍らで、大きい葉っぱで王様をあおいでいたに違いない。いや、女王の方かな。

暑さで脳味噌も沸騰中です。


2009年07月03日(金) 私の知らないマイケル・ジャクソン

マイケル・ジャクソンが一番輝いていた頃をよく覚えています。
だから何か書きたいと思っていたけど、よく考えたら私は別にファンというわけでもなかった。笑

だから知らないだけなのかも知れないけど、マイケルはその楽曲とダンスを除くと、これといって人格、というか、人間としてのアクを感じさせない人だったような気がする。
それがいつも不思議だった。誰だってある程度生きれば、癖のようなものが出て来るはずだ。まして、あんな激烈な人生を送っていて、素顔らしきものがほとんど見えないというのは。(抽象的にも、具体的にもそうだけど。マイケルの場合。)

今あなたがどこにいても、ようやく幸せでいるように、と書いたファンがいたけれど、彼が幸せという事を考えた事があったのかなと思う。
自分が幸せかどうか、とか。
聞かれたらきっと、幸せだよと答えたんじゃないかと思う。そんな事に疑問を持った事もない人の早さで、即答したと思う。

You are not aloneを聞いてると悲しくなる。
その言葉が必要だったのは、マイケル自身じゃなかったのかと思うから。
でもたとえ、それを誰かに言われても、マイケルには意味が分からなかったんじゃないかと思うから。


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