僕らが旅に出る理由
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2006年10月02日(月) いちばんきれいだった頃

時々見かけて、今日も見かけたので書いているんだけど、私があんまり好きになれない詩に茨木のり子という人の
『わたしが一番きれいだったとき』
という詩がある。
反戦詩というか、要するに自分が娘ざかりの年齢だったころ、街は焼け野原だったという内容だ。
作者はただ反戦への祈りを込めているだけなのかも知れないが、読むほうとしては、戦争のせいで貴重な青春時代をむざむざ犠牲にした、という、どっかひがんだ感じの詩に見えてしまう。もっと言うと、
「あなたたちは私たちと違って幸せでいいわね」
くらい皮肉を言われてるような気にもなる。

殺し合いがなく、物質的に満たされてればそれで幸福だろうか?
私はいつもそう思っていた。

今日、あらためて思った。
女のいちばんきれいな時は、その女が自分で決めるものだと思う。
娘ざかりの17,18才がいつでもベストとはかぎらない。
実際、私はそういう年代には大して可愛くなかった。
いまのほうが、ずっと伸びやかだし、自分なりにはきれいだと思う。

もっと言えば、世の中が戦争であったとしても、娘の可憐さや瑞々しさは、やはり失われないものであると考えることもできる。
ようはものごとの捉え方だ。

この人の詩は、他のを見てもどうも、変に暑苦しかったり、あまり私としてはピンとこないものが多い。
だから何だって話なのだが、意外と好きな人が多いので、ちょっと抵抗。


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