舌の色はピンク
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オー。 オーイェー。 オーイェー、ベイビー。 舌の色はピンク。 オーイェー。
今やかなりのMであることを自称している身だけども、 別に小沢真珠に罵られたくも踏まれたくもないなあ(何言ってんだ……?)。 好みじゃないってわけじゃない。
時流に遅れながらも綿矢りさの超話題作 「蹴りたい背中」(高1の男女が日常間で密かにSMプレイする話)を読んでて思った。 僕はSじゃない人からいじめられたいようだ。 でも綿矢りさに蹴られたいっていうのは、ベタだ。 でも綿矢りさに蹴られたいっていうのは、本心だ。 何言ってんだ……?
他人さまの家のカレンダーとは地味に興味惹かれる代物で、 今日訪れたお宅のリビングにかけてあったカレンダーは 格言らしき一文が毎月ごとに載せられているスタイルだった。 そのカレンダーはずっと放置されているようで、 開かれたページは2004年7月のまま。大いなるミステリー。 事情を家主に問いただすことは自分の性格上できなかった。
その、半年間以上もリビングの一角で 存在を主張している2004年7月のページのありがたいお言葉は、 ストレートながらもなかなかの麗しさを呈していて、やや胸に響いた。 「耳で聞くより心で聴こう」 これはわかる。僕はそう思った。 そこかしこで聞き覚えあるような言葉だけど、 たしかにその通りだよねウンウンと肯いた。
同調は束の間だった。
ページの四分の一ほどを占める大きさで 太く堂々と書かれたその言葉の横には 一回り小さく三行ほどの解説が添えられている。 それの一行目を見やって、己の読解力が完全に消失したかと思った。 「本当に聞くとは無心で聴くこと」 え……えぇぇー……。
ある党の政治新聞がマイブームだ。 市井をコントロールすべく姑息な理想を偽善の口実できらびやかに飾り立て 更に建前に建前を重ね重ね練り練り上げただろう政治家らの発言群のそこかしこに 浅薄なあざとさが見え隠れして面白い。
さりげない顔写真にしてみても、表情や角度、光の照らし具合で 少しでも印象の好感度をあげようと画策してることなぞ、 売り出し中のアイドルのそれよりもずっと必死なんじゃないだろうか。 また文章のレイアウトもなかなかに凝っている。 とくにアピールしたい人物の名は色を変え書体を変え 幾度も幾度もあらゆる手段で1ページの中に繰り返されて、 何が何でも読者の脳に彼のフルネームを焼き付けさせたいらしい魂胆が 明らかにうかがえる。あざとい。
一方で、政治家なる職業も大変だとつよく同情する。 どの政治家にも少なからずは己の善意から出でた理念があるだろうに、 僕みたいな歪んだ低俗庶民によって ただの権力主義にまみれた擬悪人に仕立て上げられてしまうのだから。 にしたってあのあざとさはギャグだろとしか。
「あたたかい」「やさしい」「わかりやすい」が 純粋に効果的なのかただ無難なのか、 やたら押し出されている言葉トップ3なのだけど……。 政治家の広報活動にあたっての会議を一度見てみたい。 「冷徹」「厳正」「晦渋」を極めた発言が飛び交っていることうけあいだ。
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