隆さんとの生活は、幸せであり、残酷だと感じている。
残酷な生活なんてどんなものか想像できないかもしれないけど。
実感としては当てはまる言葉が『残酷』なのだ。
こんな私の生活を長年付き合ってきている友人達に報告してみると、「理解できない」との口を揃えた。
確かに、私自身、第三者的立場から考えると考えられないもので。
非難されている私自身も他人事のように聞いていたりする。
厳しい言葉の数々の後、とある友人が言う。
「で。二人の方向性はあるのか?」
方向性。
隆さんは「ずっと一緒にいたい」と言う。
彼女さんとはどうなるのかと聞いたところ「わからない」
将来一緒になるんでしょ?と聞いたところ「わからない」
隆さんと彼女さんの間では、未来予想図ができていないようで。
じゃぁ私はとなると。
とりあえず、アパートの契約更新時に決めようと。
何を決めるのかと言うと固まってしまいそうだけど、
生活を続けるかやめるか、付き合うのかさよならするのか。
たぶん、終わらせる方向性で私は気持ちを固めつつあるのだけど。
私たちの関係は付き合っているのかさえ解らない。
ただ、離れたくないから生活している同居人な気がして。
そんなことを言ったらすごく悲しそうな目を隆さんはしたけれど。
だって、それが本音だし。そうとしか感じられないし。
本当に残酷な生活なんだなと、感じる。
すごく幸せなんだろうけど、その分、残酷だ。
だから。
由さんとのメールや、大学講師の康さんの存在が落ち着く場所なのかもしれない。
同棲を始めてから2週間。
この言葉を、何度、聴いたことだろう。
今は久しぶりに自宅に戻ってきています。
旦那さんとご飯を食べてから、また、アパートに帰ります。
隆さんと同じように「幸せすぎるなぁ」と思うけれど、
一方で不幸せなこともあるのだと感じている。
でも、そんなことは、彼の腕の中では存在しないのかもしれない。