春になれば

ピクニックに行こうか
おべんと作って
ワインを持って
菜の花を見ながら
川沿いを歩いて


あの頃みたいにもう一度


笑顔で向き合って
話をしようか





2007年02月28日(水)

人魚姫

いずれ消えゆく命なら
君を混沌の明日から解き放つ
やさしい夢になろう


君の涙を隠す
たくさんの流星になろう


君が暗闇を歩き始めたなら
月の光になって
その足元を照らそう


たとえいつか
まぶしい太陽の下で


夢や星や月明かりが


君の記憶の泡に
消えたとしても








2007年02月27日(火)

子守唄

眠れ
この腕の中で


眠れ
闇が溶けて消えるまで


心にくるまって
たましいで寄り添って
凍える命をあたためて


眠れ 眠れ
穏やかに


時が優しく
流れだすまで

2007年02月21日(水)

グッドモーニング

おもい体を引きずって
ブラインドを開ける月曜日
いつもの時間のはずなのに
朝日がやけにまぶしくて
思わず目をつむった


逃げたかった今日という日
無しにしたかった昨日


まぶたに透ける
暖かい日差しを受けながら
サイアクの明日に祈ろう


次に目を開けたら
すばらしい未来が
広がっていますように

2007年02月19日(月)

斜陽

なにかが
ちょっとづつずれていくのを
見てみないふりをしていた
永遠なんてないことぐらい
とっくに気づいていたのに


多分君はずっと
覚えているんだろう
ふたりで歩いた夜の歩道も
空を舞う鳥でさえも


きっと僕は全部
忘れてしまうだろう
あの日のまぶしい夕焼けと
僕を呼ぶ暖かな君の声を


胸の奥に 深く
しまいこんで






2007年02月17日(土)

空をわける


古い電柱から伸びる
希望と不安との境界線
そこで羽を休める鳥たちは
自分が幸せかどうかなど
問うたりはしないんだ










2007年02月16日(金)

郷愁

夜の来ない街
輝きにあふれ
可能性と自由に満ち
野望と失望と
挫折と未来と
憧れと諦めとが
渦巻く街
決して とまらない
とどまらない
前に進み続ける街
君の愛した街
君が戻りたいと
切に願った街


一緒に帰ろう
いつか、きっと

2007年02月13日(火)

冷たい雨

雨音も
風の音も聞こえない
孤独と
焦燥の闇の中
あの日から
止まったままの時間は
伸ばした指先の
微かな光さえも
飲み込んでゆく
やわらかく降る雨は
憂いも 嘆きも
洗い流さず
ただ、しとしとと
冷たい涙を
落としつづける













2007年02月12日(月)

カントリーロード

あれ以上
幸せな場所などなかったのに
なぜそこから出たいと
思ってしまったのだろう
もう二度と戻らない
光のすむ時へ
君も一緒に
つれて帰れたら








2007年02月10日(土)
↑ Top