「阿蘇」 このところ水にこだわる会社がある。 もちろんビール会社や飲料水をつくるところはいうまでもない いまはかつてないほどの「天然水」ブームである。 日経新聞によると富士フィルムが菊陽市に工場用地を確保新工場を建設との記事があった。 もともとこの会社は水のこがわりがあって、現在の富士工場は富士の湧水に豊富な場所に立地した経緯がある。特に写真フィルムの製造では感光乳剤の製造工程は厳格な水と温度管理がポイントだという。そこで1年中18度以下の水が豊富に手にはいるその場所に選定したといわれていた。 さて阿蘇のふもとには白水湧水のほか多くの涌き水がある。その只中におる。場所こそ この会社が目をつけたのだろうか、なにをつくる工場なのか知る必要もないことだろうが。 「阿蘇」は原ポリネシア語では(かこまれた場所)をい意味するという、つまり外輪山により囲まれた所とみるのが正しいようだ。 つまり阿蘇のカルデラ全体を巨大なダムと見立てるとまったく景色がちがってしまうが、熊本市などおそらく100パーセントこの伏流水で水道をまかなって いるといわれている。 ご存知の水前寺公園の池ももちろん天然の涌き水によるが これほどのおおきい天然の地中ダムと導水路がそなわったところはほかにないだろう。地中ダムといえば宮古島にも作られたがこれなどは比べようのないほどのものだとおもう。 この湧水をペットボトルにつめて売り出しているところ。ここの水を仕込み水につかった、日本酒や焼酎、ついにはビールも出始めた。 われわれが抱いているイメージの「阿蘇」がいつまでもかわらぬことをいのるばかりである。
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