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 お婿にいった四+カカのお話
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  カカシとテン子のど〜でもいいヒトコマ


  a sirial -暗部なテンカカ話-

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  二人の出会い

  びとぅぃーん・ざ・しーつ-12話
  二人の“初めて”または物語の始まり
  ぱすてぃす〜前章
-18禁-
  ぱすてぃす
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  ぱすてぃす〜後朝 -18禁-

  猩々   おまけ -18禁-
  モジモジしている二人の一歩
  マラスキーノ 後日談
 ホワイトデー話

  らすてぃ・ねーる-12話
 ※4 に、テンカカ以外の絡みあり
  任務に出た二人
  カカシの過去を垣間見る

  恋女   後顧   おまけ
  ストーカー被害に合うテンゾウと
  嫉妬な先輩


  九夜十日
  イタチ里抜けのとき

  百年の恵み
  長期任務の小隊長を命じられるテン
  百年の孤独-6話
  初めての遠距離恋愛なテンカカ
  たーにんぐ・ぽいんと-8話
    テンゾウの帰還

   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
 テンゾウは……

 【1部】 だーてぃ・まざー-4話
 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

  あふろでぃーて-5話 -キリリク話-
 くるみ


  a`la carte
  -暗部なテンカカとヤマカカの間話-

  春霞-4話
  暗部を離れたカカシとテンゾウ
  ちぇい・べっく
 -可愛いお嬢さん-
4話
  ※2,3に、ごく軽くテンゾウ女体変化あり
  久しぶりのカカシとの任務
  聖牛の酒-3話
  波の国任務の少しあと
  てぃままん-3話
  波の国と中忍試験の間

  月読-5話 -キリリク話-
 月読の術に倒れたカカシを心配しつつ、
 イルカ先生の存在が気になるテンゾウ

  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
  惚れ直すテンゾウ
 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
 du chef
-ヤマカカな話-

  再会-Reunion-  第二部





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ごはんにメイル


2019年06月19日(水)
テキーラサンライズ 19) & epi.


 「あのあと、大変だったんですよ、いろいろと」
 ボクが言うと、カカシさんは、また首を傾げた。
 「一応、作戦の概要はゲンマやガイにも、直接じゃないけど通達が行くようにしていた……んだけどな」
 
 ということは、あの二人は……。

 「あ、テンゾウ、怒らないで、悪気ないと思うから、絶対」
 あわてるカカシさんを、思わずにらんでしまった。
 「怒っていません」
 「いや、怒っているから」
 「いいえ、怒っていません」

 ボクは報告をしなくてはならない。ズンズンと火影屋敷にむかうボクの後ろに、カカシさん。
 付いて来られているというか、追いかけられているというか。珍しく遠慮がちなので、距離は一定だ。
 ほどなく火影屋敷に到着する。報告もするが、裏の話も聞きださねばならない、とボクは下腹に力を込めた。

 バカみたいといえばバカみたいだ。
 ゲンマさんはゲンマさんなりに、ガイさんはガイさんなりに、それぞれ動き、カカシさんに化粧した相手のことを探っていたに過ぎない。
 たまたま、そこにボクが……というか、場をかき乱す役割としてボクが投入されたのかもしれない。
 おかげで、木の葉の里は噂でぐちゃぐちゃになった。
 そのなかで、ぐちゃぐちゃに惑わされずに細い糸を辿っていたのがゲンマさんやガイさんで、そこからの報告であのあばら屋が炙り出された、多分。

 ボクが埒外に置かれたのは、場合によってはボクも危なかったから、だろう、きっと。だれよりも、カカシさんを知るものとして、ボクは邪魔だった、のかもしれない。
 暗部なのに舐められたものだと思ったが、確かにあの顔を変える術は、忍には見抜けない“外の技術”だった。
 あれがカカシさんだったから、むしろ怪しまれた。
 もし、ボクだったら。そしてボク自身がその前に命を落としていたら。
 だれが、ボクをボクと、いやボクではないと、判断してくれただろうか。

 チャクラも不要、幻術でもない外科手術。そんな技術が外の国にはあるのだと、ボクは改めて戦慄したものだ。

 「わしはな、カカシのことはもちろんだが、おぬしのことも、失いたくないのじゃよ。そこは理解してもらえないかの」
 三代目にそう頭をさげられたら、ボクとても振り上げた拳を、ただ下ろすしかなかった。

 翌日−−。

 「おお、ここだ」
 ガイさんが立ち上がって、手を振る。その隣で、ゲンマさんがうんざりしたように渋面を浮かべている。でも、嫌なら同席しないだろう、ゲンマさんは。
 「よしよし、今日は、共に飲み食おうではないか」
 ご機嫌なガイさんに目線を送り、ゲンマさんはボクに向かって苦笑し、ボクたちはグラスを合わせた。

 「それぞれが、別々に任務を負っていたから、最後に至ったって感じだからな。まあ、いいではないか。結果は出たのだ、それでよしとしようじゃないか」
 ガイさんみたいに、スカッと割り切れると楽だろうなと思う。
 「所詮、忍びだ。我らは、駒だ」
 ガイさんが明るく言う。
 「駒でいいと、オレは思っているぞ。難しいことを考えるのは、上の仕事だ」
 グラスビールをクイと煽りガイさんがオレを見る。
 「戦略、戦術を立てるのは、大変だと思う。時に、駒の生き死にをかけなくてはならん。オレには無理だ。オレは駒でいい、ただし、死にそうにない、駒だ」
 「まあ、そこまで達観できるガイさんは、別の意味で凄いと思いますよ」
 というゲンマさんの言葉に、全力で同意する。
 
 そうか、カカシさんは、こんなふうな仲間に支えられていたのだ、とボクは思う。

 ガイさんも、ゲンマさんも、きっとカカシさんを大事に思っている。
 その思いはボクの思いと、少し違うけれど、でも、カカシさんを支えている。
 
 良かった、と、心から安堵した、とき……。

 「なんで先輩、ボクに変化しているんですか?」
 居酒屋の入口に、ボクがいた。いや、たぶん、ボクに変化したカカシさん……だと思うのだけど。
 
 「もう、いい加減、ボクに変化して遊ぶのをやめてください」
 ああ、ボクってこんな顔で、カカシさんのことを睨んでいるのか。
 「うん、ごめん」と思わず謝ってしまったのは、カカシさんの迫力故だったが。

 「また、カカシは凝りていないのか」とガイさんがボクを指さした。
 「ほんとうに、騙されるところでした」とゲンマさんが眉間を皺を寄せた。
 二人とも悪乗りしている。カカシさんの芝居に、のっている。
 ボクだけが、ひとりだ。

 「いや、だからぁ〜」と言いかけたボクに、カカシさんがにぃっと笑う。
 「今夜は返しませんよ」

 いや、お願いだから、助けて。だれでもいいから助けて。

 でも、上忍のガイさん、特別上忍のゲンマさん、そして暗部の自分(実は中身カカシさん)に対抗できる忍は、店にはいなかった。
 ほんとに、忍って面倒くさい、と思いつつ、ボクはため息をつくしかなかったのだった。

 「わかったよ〜、てんぞ」
 とボクは開き直る。
 「今日は思う存分、ね」
 ボクの顔をしたカカシさんが、わずかに後ずさった。

  ざまあ、みろ。

 
エピローグ

 今回は、けっこうギリギリだった、と思う。背水の陣、というやつだ。

 俺を騙った忍が他里に出没するようになったのは、ごく最近のことだ。
 術の使い方や戦い方からは、どう考えても俺とは違う。と、敵も含め皆が判断した、にもかかわらず、見た目で彼を見破ることができなかった。何が問題なのか、わからなかった。
 だから、俺が受ける仕事には、必ず暗部が付いた。とは言っても、予備的なものだ。
 ただ、テンゾウたちの班と入れ替わった任務については、不審な点があった。
 だから、たまたま行き会ったガイがテンゾウを俺と間違えたと聞いて、一計を案じた。

 こちらから、敵を炙り出してやろう、と。

 テンゾウなら、いち早く、気づくかもしれないとは思った、オレとニセモノの違和に。
 だから、テンゾウを遠ざける必要があった。だから、テンゾウと俺の噂が、たまたま流れたのを利用した。
 俺との関係をひたすら隠そうとするテンゾウは、おそらく噂が流れれば、それ以上の噂の拡散を阻止すると思った、つまり、下手に動くことはないと。
 そのテンゾウが食いついてきたのに、正直、焦った。しかも、ガイやゲンマがテンゾウにつくとは、思ってもいなかった。
 ほんと、俺も甘いね、笑うしかない。

 でも、あんなにあっさりと、噂が広まったのには、何某かの悪意を感じる。それは今回の事と直接には関係していないのかもしれない。
 ただ、ことあるたびに、テンゾウとオレの間に、立ちふさがる“意志”がある、とは思う。
 でも、それを考えるのは、今日、ではない。 
 
 まあ、あの日は楽しかった、と、オレは空を見る。
 思わぬ拾い物、ってところか。
 でもオレたちに安寧の時間は、ないのかもしれない。

 空は青く、日の光は変わらず眩しかった。


 〜ギムレット 前日譚〜 <了>

  
テキーラサンライズ(TEQUILA SUNRISE):
 
テキーラ サウザ ブルー1/3 オレンジジュース2/3 グレナデンシロップ2tsp
ローリング・ストーンズのミック・ジャガーはこのカクテルと恋に落ち、イーグルスのセカンド・アルバムには、同名の曲が収録された。
オレンジジュースをレモンジュースにかえると「テキーラ・サンセット」になる。



2019年06月07日(金)
テキーラサンライズ 18)


 ぶわりと膨れ上がった殺気は、すぐに鋭く尖った気配へと変貌する。
 ほかに、新たな忍びの気配を3体感知した。

 対峙する気配は、静かだ。とはいえ、緊張をはらんでいる。安穏としているわけではない。

 「どけ」と膨れ上がった気配が、濁った声を発したと思う間もなく、殺気が沈静された。
 「だ〜めだよ」
 気の抜けたような声が聞こえてきた。
 「ここは、もう、おまえの砦ではないから」
 くぐもるような呻きが、地を這う。
 「おれは、オレは……」
 「ここに執着しちゃ、いけない」
 
 なだめるような声は、いっそ悲し気だった。
 「もう、おまえの親族は、いない」
 「うぅぅぅぅ」
 「いないん、だよ」

 「いま、だ!」という声とともに、3人の忍が樹上から飛び降り、印を結んだ。
 ボロ屋は、いっそうボロボロになり、屋根も柱も朽ち、壁も頽れる。
 
 「あ」……つまり、家の形を保っていたのが、怨念だった……らしい。

 「ここが……おまえの家が、おまえは本当に好き……だったんだよね」
 悲し気につぶやくカカシさん(もう間違えようもない、本人)の声。
 「なんで、オレなんかに……」

 結界のなかで、男は崩れ、ほこりのように砕けた。顔だけを残して。
 その顔は、カカシさんの顔だった。

 「あ、テ〜ンゾ」
 カカシさんがボクに手を降る。
 「ちょうど良かった。暗部に報告して」

 「彼は?」
 うん、と言いながら、カカシさんは積もった塵を指先で撫でた。
 「ここら一帯を守っていた、一族の末裔。もっとも、守りたいという執念だけが残っていただけ……の」
 その先をカカシさんは言わなかった。幻なのか亡霊なのか、多分、言葉を選べなかったのだろう。守りたいという彼の気持ちそのものを、否定したくない、そんなところか。

 「オレに化けて、っていうか、顔を変えたんだよね、外科手術?」
 「外科?」
 「なんていうんだろう、外の国の技術。皮膚とか筋肉とか脂肪とかを、物理的に切り開いたりくっつけたりして、顔を作る」
 「顔を作る……幻術じゃないんですね」
 「うん。骨までは変えられないから、たぶん、もともと骨格が似ていたんだろうね」
 「顔、残ってますが」
 「……手術したあとで、組織を固定したのかな」
 埃の中に残る面のようなそれを、カカシさんが手にする。「似てるなぁ」などと笑いながら。いや、笑うところじゃないでしょ、と思うが、言わないでおく。 
 「なんとかここを守らせようとしていたんだよ。オレに化けて里内をひっかきまわして、ここに注目がいけば、なんとかなると思ったのかな」
 ボクが蔓草を張った路地を、カカシさんが見やる。
 「九尾のあと取り残された区域……こんなところが、あちこちにあるんだ」
 「でも、一応、復興の手はずは」
 「こういう貧しい地域が、申請書とか出せると思う?」
 「あ」と言ったまま、ボクは言葉を失った。
 「暗……暗部が、探し出します」
 カカシさんは、ヒラヒラと手を振った。
 「うん、頑張って。テンゾウ」

 それからカカシさんは振り返った。

 「まさかテンゾウがここに来るとは思わなかったよ、オレも」
 「ボクは、カカシさんを追ってきたんですけどね」
 「それは、ニセモノのオレでしょ?」
 「いえいえ。その前、から、ずっと」
 カカシさんは眉間にしわを寄せ、首を傾げた。

 ボクがカカシさんに変化して、カカシさんがボクに変化した、あの夜から続いた、長い長い物語がやっと終わる。