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  ぱすてぃす〜後朝 -18禁-

  猩々   おまけ -18禁-
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  マラスキーノ 後日談
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  らすてぃ・ねーる-12話
 ※4 に、テンカカ以外の絡みあり
  任務に出た二人
  カカシの過去を垣間見る

  恋女   後顧   おまけ
  ストーカー被害に合うテンゾウと
  嫉妬な先輩


  九夜十日
  イタチ里抜けのとき

  百年の恵み
  長期任務の小隊長を命じられるテン
  百年の孤独-6話
  初めての遠距離恋愛なテンカカ
  たーにんぐ・ぽいんと-8話
    テンゾウの帰還

   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

  あふろでぃーて-5話 -キリリク話-
 くるみ


  a`la carte
  -暗部なテンカカとヤマカカの間話-

  春霞-4話
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  ちぇい・べっく
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4話
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  久しぶりのカカシとの任務
  聖牛の酒-3話
  波の国任務の少しあと
  てぃままん-3話
  波の国と中忍試験の間

  月読-5話 -キリリク話-
 月読の術に倒れたカカシを心配しつつ、
 イルカ先生の存在が気になるテンゾウ

  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
  惚れ直すテンゾウ
 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
 du chef
-ヤマカカな話-

  再会-Reunion-  第二部





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2009年01月18日(日)
Reunion−再会ー


ノックの音と同時に、ドアが開かれた。
少し前から察知していた気配が、実態を伴ってわずかに濃くなる。
ほとんど完全に消せるはずの気配を、わざと露にしている相手の心情を思うと、口布に隠れた口元が緩んでしまう。

ドアからベッドまでの距離は5メートルほど。
「よ」
身動きできないわけではないが、とりあえず声だけで応じるカカシに、彼は無言で会釈した。
「入って」
やはり無言のまま頷くと、後ろ手にドアを閉め歩いてくる。
表情を消した顔から窺いとれるような感情は、何もなかった。

「また、入院ですか」
彼の低い声は変わらず、抑揚のないその物言いも記憶と寸分たがわなかった。
「また、って、ねぇ。オレ、入院ばっかりしてるみたい」
「してるじゃないですか」
そう言う彼の表情が、少し憮然としているのに気づいた。
もともと、どことなく人形めいた……それは、主に彼の、どこか虚空を思わせる目元のせいだったが、それがなくても表情の硬い男だった。
それでもカカシと二人でいるときには、ずいぶんと違っていたのだ。
屈託なく笑ったり、感情を露に言葉を荒らげたり、時に、ひどくやさしい眼差しを向けてきたり。
そしてカカシは知るのだ、決して感情の起伏に乏しいのではなく、普段はそれを抑制しているだけだ、と。

否応なく引き裂かれるような格好で別れてから、1年半余り。
彼が心を違えるとは思っていないが、連絡もとれなかったのだ。
愛想をつかされたとしても、仕方がない。そもそも、付き合っていた間も自分が誠実な恋人だったかどうか、カカシには自信がなかった。

ほんとうは、この再会を心待ちにしていたのに。

「すぐ発つの?」
彼は、頷く。
「時間があまりないですし。それに、急ごしらえのチームですから、移動しながら把握したほうが、何かと便利でしょう?」
急ごしらえだからこそ、そういう事態に慣れている暗部の彼が起用されたのだ。もちろん、それだけが理由ではないけれど。

自分の代わりにだれか、と内々で相談を受けたとき、カカシはためらわず彼の名を出した。
現役暗部のなかで一番の使い手だということもあるが、それだけならほかにも候補はいる。でも、自分のチームを任せられる相手というなら、自分とはまったく毛色は違うけれど、自分のやり方を一番よく理解している彼を置いていないだろうとカカシは思ったのだ。
もちろん、九尾を抑えられる、彼だけが持つ力のことも念頭にあった。でもそれはカカシにとって、周囲を納得させるために役に立つだろう、という程度でしかなかった。
彼なら、その特殊能力もふまえ、あの口うるさいご意見番からも受け入れられるだろう。
彼が、特殊能力の持ち主でよかった。彼になら、あいつらを任せても大丈夫。
決して出来のいい師ではなかったと思うが、それでもカカシなりに手塩にかけてきたかつての部下だ。
先の任務ではそれぞれの成長が感じられ嬉しい反面、まだまだ甘さが残る部分も多々見られ、はがゆくもあった。きっと、それも含め彼なら、自分とは違った方法で導いてくれるだろう。

だが、一抹の不安もあった。
何より、彼をその任につけるということは、再び、カカシとの接点を持たせるということにほからなない。
ご意見番あたりは、そこを避け、別の人選を押してくるのではないか、とも思ったのだが。

「変わらないね」
「先輩も」
ようやく彼の気配がわずか、和らいだ。相変らず仏頂面だったけれど。
今すぐ手を伸ばして、自分より少し高い体温を確かめたい衝動に駆られた。
抱き合う相手を、だれか見つけてしまったのだろうかとか、誘えば照れ隠しにわずか眉間にしわを寄せたりするのだろうかとか、一瞬のうちにあれこれ考えた。

ずっと、抱き合うのは自然なことだった。
初めてそうなるに到るには、一言では言い尽くせない諸々の事情があったけれど、一度、互いの肌を受け入れてからは、恐ろしく簡単だった。どちらが誘うこともなく、当たり前のように寄り添って、当たり前のように熱を分け合った。
それは、任務と任務の狭間に生じたわずかの時間だったり、里での休暇の間だったりしたが、相手の都合がどうかとか、思惑がどうかとか、そんなことを思う煩う必要などなかった。
ふと、目が合い、互いが互いを欲していることが伝われば、それでよかった。
恋人だった。誰に認められなくても、恋人同士だった。
当たり前のように喧嘩もすれば、そのことであれこれ悩み、結局は仲直りをする、どこにでもいる恋人同士となんら変わりはしなかった。
実際そうだったからこそ、引き離された。

1年半ぶりの邂逅。けれど……。
また、1年半前のような日に戻れる保障はない。

「もうすぐ、みなさん、いらっしゃいます。ってゆーか、ボク、実は綱手さまと外で待ち合わせているんです」
彼の声に追想を断ち切られた。
「ん、つまり、一度外に出ないといけないって事、か?」
はい、とうなずいた彼は心配そうにカカシの顔を覗き込んだ。
「まだ、調子悪いようですね」
いたわるような言い方だった。

並みの忍はもちろんのこと、上忍の多くと比べても決して劣っているわけではないチャクラの量だが、やたらと燃費の悪いもらいものの特殊能力のせいで、カカシがよくガス欠を起こすのを、一番知っているのはこの後輩だった。
だからこそ暗部にいたころ、彼と組むことが多かったのだ。
何かあっても、彼なら確実に自分を探し出せる――彼の持つ、やはりもらいものの特殊能力によって。
そして、敵の手にこの身体が渡る前に、自分の存在を消滅させることができる。でも彼は、そうしなかった。
もちろん、自分も、そうそう諦めたりはしなかった。自分のものであって自分のものではないこの目を里に持ち帰ることが、己の生死よりも重要だったから。
ギリギリまで生還することを考える。そしてそれがだめなら、この目の秘密もろとも消え去る。それが、自分のなかでの優先順位だった。

彼のなかでの序列がどうだったのか。
考えてみれば、カカシは知らなかった。

けれど彼は、ほんとうなら見捨てることが正しいと思われるような状況にあっても、「生還」を選んだ。
それだけの力があったから、できた判断だったとも言える。けれど、彼がそう判断したことで、任務の達成が遅れたことは何度かあった。
自分たちは所詮、コマに過ぎない。だから、全体像を知らされているとは限らない。任務達成の遅れが全体に影響を及ぼさないはずはない。
それでも、彼は「生還」を優先した。そう命じられていたのかもしれないし、そうでなかったのかもしれない。
確かめたことはない。彼がとがめられたと言う話を聞くことはなかったから、なるべく考えないようにしていた、というのが正しいかもしれない。
どこまでが命令で、どこからが彼の意志なのか――考え始めると、泥沼に落ち込みそうだったからだ。

離れていた1年半。
カカシは幾度となく彼のことを考えた。
そして、当たり前のように受け取っていたさまざまな事象が、もしかしたら当たり前ではなかったのかもしれないと気づいた。
カカシは、ともに任務につくにあたって彼についての命を受けたことはない。
ただ、命はうけなくとも彼に何かあったとき、彼が貰い受けた初代様の力もろとも守り抜かなくてはならない、ということはわかっていた。
それは個人の情とは別の次元で、理解し受け入れていたことでもあった。
実際、その場に直面すれば、また違ったかもしれないが、幸いなことにこの優秀な後輩は、先輩であり恋人の自分にその過酷な判断をゆだねるような機会は作らなかった。

だが。彼は。

もしかしたら自分の処遇に関する詳細な指示を、もらっていたのかもしれない。
もらいものの目がなぜ、適合したのか。それは長らく里にとって謎のまま、そして今も謎だ。
その謎を解明することは、里にとって大事なことであったはずだ。
もっとも聞いたところで、納得のいく返答がもらえるとは思わない。
だから、いまさら尋ねたりもしない。

せっかく再会したのに、彼はまた任務に赴く、自分の代わりに隊長として。
彼を推薦したのは自分なのに、カカシは残念なような、面映いような、なんともいえない複雑な感情に囚われていた。

ナルトとさくらとサスケ。初めてもった、そして最後となった弟子たち。
数奇な運命の元、分かたれた道を、いまこの後輩がたどるのか。

ふと、カカシは四代目を思い出す。
自分は、たくさんのものを師である四代目からもらった。だが、自分は?
ナルトとさくらは、実質、自来也と綱手がその才を磨き、仕込んだ。
サスケは、まるで因縁を追うかのようにかつての三忍のひとり、大蛇丸の元へ。
なのに、いまだにナルトもさくらも己のことを「カカシ先生」と呼ぶ。
サスケは、里にいてカカシの部下だったころから「カカシ」と呼び捨てだったから、たとえ今回、ナルトたちが連れ戻したとしても、間違っても「先生」とは呼ばないだろが、と考えて、カカシは苦笑した。

「何、笑ってるんです?」
「いや、なに。まあ、みんなデカくなったな、と思っただけだ」
「そうですね。先輩にとってはアカデミーを卒業したころから見ていた部下ですから」
「いや、お前も含めてだよ」
と言うと、え? と目を見はる。
「ボク……もですか?」

そうだれよりも、テンゾウおまえが。
――おまえの成長が、オレを助けてくれた。
とカカシは思う。もしかしたら、一番目をかけ、手間もかけて育てたのは、この優秀な後輩だったのかもしれない。
――若気の至りで、ついでに余計な手間もかけたが。
若気の至りで終わらせるつもりがないのは、カカシ自身が一番良く知っていた。
だが、彼の思惑がどうなのか、は、わからない。

「あ、もういかなくては」
テンゾウが顔をあげる。
「あぁ。じゃあ、まあ、あとで、な」
「せいぜい、うまく演技してくださいね」
「りょーかい」

後輩の姿が床に沈みきる直前……。

「カカシさん。ボク、約束守りましたよ」

声だけが、残る。
「バカ……」
熱い瞼をもてあましながら、カカシは天井を睨んだ。

<了>


Reunion
ディタ 30ml シャンパン・白 適量 クレーム・ド・フランボワーズ 1tsp レッド・チェリー 1個
  フルート型シャンパングラスにディタをシャンパンで満たし、フランボワーズを浮かせ、チェリーを沈める。
  (某サイトで見つけたオリジナルレシピ。友との再会に、だそうです)



2009年01月06日(火)
あふろでぃーて 5) -18禁-


現金な己に呆れてはいても、オレはまだこぶしを握り締めていた。
照れ隠しではあるが、それだってオレの安っぽいプライドに繋がっている。
散々やりまくって、末端神経が痺れているような気だるさを感じながら、プライドもへったくれもないものだ、と苦笑する。なのに、
「先輩」
テンゾウのやさしい声に、気づいたらこぶしを解いていた。
なんなのよ、オレ。ほんとうに、こんなのはテンゾウだけだ、と思うと、泣きたくなる。
「身体、拭きましょう」

ドロドロになった身体をかいがいしく清めてくれたあと、テンゾウはオレを抱きしめた。
「暗部のなかでも、噂は飛び交っています」
「噂?」
「はい。暗部に噂はつき物ですから」
暗部ほど、虚実織り交ぜた噂話が横行する部隊もないだろう。憶測推測、悪意、姦計……まるで噂の真偽を見抜く訓練のためであるかのように、ありとあらゆる噂がささやかれては消えていく。
たいがいの噂は把握しているオレだが、テンゾウのこの唐突な振りに思い当たる節はなかった。
「先輩が」
そう言ってテンゾウはオレの肩先に顔を埋める。
「もうすぐ正規部隊に異動になる……と」
「あ?」
「先輩が下忍認定試験に駆り出されているのは、みんな知っています」
まあ、そうか。一応、内密に、という建前なんだが、どうしたってわかるよな。
任務の入り具合や何やかや。いくつかの情報を付き合わせれば、その答えには容易にたどりつく。
「あの子たちの卒業が近いのも」

行くな、と言葉に出せないかわりに、テンゾウはオレを抱きしめている。
そう感じるのは、うぬぼれだろうか。
オレだって、棲み慣れた暗部を離れたくはない。
いや、本音を言えば、何よりもテンゾウと離れたくない。
それぐらいの執着は、オレだって当たりまえに持っている。
だが、言葉には出せない。言葉にした途端、それは安っぽい常套句になってしまう。

「テンゾウ」
短い髪の間からのぞく耳朶を噛みながら、呼ぶ。
はい、と答える声が掠れている。

誕生日を勘違いしたままずっと気づかないとか、好物が何かも知らないとか、そんなオレを「それでいい」と笑うコイツが、たまらなくいとおしい。

「まだ、満足してないでしょ」
「な?」
あわてて離れようとする体をきつく、腕の中に抱きこむ。
「中期の任務後、だものね」
舌先に耳朶を感じながらしゃべる。
「たまってるよね〜」
せんぱい、と腕の中でテンゾウがもがく。
でも、ほら隠し切れない。脚にあたるコレは、何?
煽るようにオレが脚を擦り付けてやると、くっ、とのどを詰まらせた。

くしゃりと髪をかきまぜてから、オレは掛け布団のなかに潜り込む。
汗の匂いがかすかに残っている。
最近、にわかにたくましくなってきた腰に腕を回し、股間に顔を埋めた。
芯の通り始めた熱い塊に、頬擦りすれば、オレの身体も熱くなる。
なんて浅ましいのだろうと思う。いっそ清清しいほどに浅ましい。

喉奥までくわえ込んで吸い付くと、嵩が増した。
そのまましばらく、口の中で弄ぶ。
上あごを締め付けるようにするたびに、びくんと脚が反応した。
「せ、んぱい」
テンゾウの手がオレの頭を掴んだ。
「だ、め……ダメです」
引き剥がそうとするので、しがみついてやる。
「いくなら……」
は、と息を吐く。
「せんぱいの、なか、が……いい」
指先が頭皮に食い込みそうだ。
「つながり、たい」

オレたちは、快楽だけで繋がっているわけではないけれど、事有るごとに、確かめたくなる。
それは、テンゾウもオレも同じだ。
でも、もう少しこうやっていたいとも思ったとき、バサリと上掛けがめくられた。
灯りの下にさらされる、厚みを増した胸板、引き締まった下腹……オレは不承不承に顔を上あげた。
ちゅっと先走りを溢れさせている先端に口付けし、そのまま舌先で根元までたどり……。
「ひっ」
テンゾウの背が跳ねた。
オレが、堅くしこった玉を口に含んだからだ。
「せ、せんぱっ」
ここは男の急所でもある。

大丈夫。
つぶしゃ、しない。
ただ、ちょっと味わうだけだから。

やさしく舌先で愛撫すると、テンゾウが珍しくうなり声をあげた。
その声が、オレのなかでくすぶっている火を燃え上がらせる。
相手に声をあげさせることで昂ぶるってことは、オレもオスってことだ。
ぜぇぜぇとあえぐテンゾウに乗っかって、腰を沈めていった。
緩く解けたままの襞は、簡単にのみこんでいく。
熱い。
焼かれるように。
「ああ、いい」
我知らず、声が出ていた。

テンゾウの手がオレの腰を支える。
脚の付け根に食い込む指にさせ、欲情が高まる。
下から突き上げられて、また声が出る。
テンゾウの下腹の上で弾みながら、オレは声を上げ続ける。
いつもいつも、いつまでも、ずっと側にいられるわけではないからこそ、この瞬間が至福なのだと思いながら。

この瞬間があるから、オレはここに戻ってくる。
テンゾウもここに戻ってくる。
戻ってくれば、この瞬間を共有できる、そう信じている。
そう信じて、いい、と思わせてくれる。

いつも不安はある。
それでも、オレは戻ってくる。
だから、テンゾウ、おまえも……。

突き上げられるリズムのままに声を上げていたオレの動きが、解放の手前で一瞬静止する。
見下ろしたオレと見上げたテンゾウの視線が絡まった。
苦しそうにも、淫らにも見えるテンゾウ。
オレもきっと同じような顔をしているだろう。
そのまま、視線を絡ませたまま、オレたちはいった。
視界のなかでテンゾウの表情が快楽に歪むのを捉え、オレは己の顔が快楽に歪んでいるのを自覚した。

「……また、ドロドロですね」
「だね〜」
「ったく……先輩が挑発するからですよ」
「おや、言うねぇ。簡単に挑発にのったくせに」
言い合いながら、どちらからともなく吹き出す。
こんなのも、オレたちらしくて、いい。
「もう一度、身体拭きますけど、ちょっと待ってください、さすがにボクも……」
「いいよ。ひとやすみしてから、一緒に風呂入ろう」
「風呂……ですか」
「お触りは禁止」
「え〜」
「え〜じゃないでしょ」

大好きだよ、テンゾウ。

「あ、そういえば」
「なんですか?」
「オレも、おまえのクルミ、好きだよ」
「なんてことを言うんですか」
突然、テンゾウは真っ赤になった。
「言われるほうが、恥ずかしいってわかった?」
「それとこれとは別です。ボクが言うのはいいんです」
「オレが言うのは、ダメなの?」
「ダメです。先輩のキャラじゃありません」
胸を張られてオレは苦笑する。
「どんな理屈よ、それ」
あはは、と笑うオレにまだテンゾウは、「先輩が言うのはダメです」としつこく繰り返す。
「わかった、わかった」

それぐらいは譲歩してやるさ。
きっといつも譲歩してもらって許してもらっているのは、オレのほうなのだろうから。
テンゾウ言うところの「先輩のキャラ」というのがどのようなものなのか、気になるところではあるが。
ま、それはそれ。
探るのは無粋ってものだろう。

ふっと、つい数時間前に飲んだカクテルを思い出した。
「愛の女神、ね」
「なんですか?」
「ん? なんでもない」

今度マスターにレシピをおそわろう。
ついでに、シェイカーの振り方も。
そして、来年のテンゾウの誕生日には……。
と考えて、まるで乙女のようなオレ自身の発想に、うっすら背筋が寒くなる思いだった。それこそ、オレのキャラじゃない。

でも、きっと……きっと、やっちまうんだろうなぁ。

「どうしたんですか? 先輩」
「や、なんでもない。なんでもないよ〜」

手を振るオレに、テンゾウは首をかしげ、その怪訝そうな表情がたまらなく、いとおしいと思ったオレだった。
どうやら、今日は、カクテルにあてられてしまったらしい。
そんな日もあっていいさ、たまには。そうだろ? テンゾウ?


<了>


アフロディーテ
時代屋のオリジナルレシピによる。ウォッカ40ml、チンザノオランチョ10ml、カンパリ10ml、ノチェロ10ml、フレッシュレモンジュース5mlをシェイクし、グラスに注ぐ。仕上げにオレンジピールを飾る。