カゼノトオリミチ
もくじ過去未来


2014年09月28日(日) 吹き溜まる





コンコン 秋風がノックする

あなたは後悔しているの


コトバ

話したあとに

カタカタキーボード 打ったあとに

去来する 沈黙


後悔だけが すううっと

風にのって 吹き溜まる


出て行ったコトバは 散って

戻らない 

後悔だけが 吹き溜まる


遠くの通りの角を

定時のバスの行くのが

小さく見える


走って行けば 間に合うだろうか

あのバスに乗ったら

どこかへ行けるだろうか





2014年09月23日(火) サイクリングロード





すーいと自転車をこぐと

青い空も 雲も

いっしょにゆくよ

午前10時の影はまだ新しく

北の国から来た 風は

遠い冷たい

山の木々のにおい



踏んでも踏んでも

ペタルが軽い

左には 草はらの向こうに

穏やかな静かな海



ゆるいカーブの先に

みえる小高い丘の上

赤と白の 小さな灯台を

めざそう



そんな夢をみた 明け方






2014年09月19日(金) 秋はわたしに





秋はゆく 時はゆく

その事にまた 立ちすくむ


素足の下を 滑りゆく波

砂浜に残される わたし


秋の 空気は

古いアルバムの中へと

わたしを誘う振りをして


懐かしい日々ではない

現実を

ベールに包んで 突き付ける


秋の空気は 鼻先に

刻々と 空虚をわたしに

突き付ける




2014年09月04日(木) 結び目





あの時なぜか

風に抗えない柳のように

スピーチバルーン

口から さ迷いだした


魔法にかかったように


しゃべりすぎた日の夜は

いつも ココロイタイ

なぜ なぜ あんなに

私の口は 動いたのか

自問自答はつづく


だから

黙っていなさいと言ったのに


時は戻せない

スピーチバルーン 取り戻せない


思いは

溢れるほどだった

あの時は

心の糸が ほつれたのだ

しっかり結んで あったのに




natu