カゼノトオリミチ
もくじ過去未来


2014年07月31日(木) ソンザイノイギ





ソンザイノイギ なんて

誰も教えてはくれない

もう 行き止まり



時にはね

水に浮かんで 空を見上げる

高い入道雲

夏休みの歓声は どこか遠くて 

ヒトリきり



ジジジと 鳴くセミ

プールの端に 

あめんぼ みつけた

草のニオイ ますますカナシイ



酷暑の午後の熱風の中

みんな生きている



ソンザイノイギ



夏の空から 

垂れた その糸を

つかむのは 自らの

手のチカラ だけ






2014年07月23日(水) 小さな歌





さあ 行かなくちゃ

自分のみち

みんな それぞれの

だから私も ゆくよ



青空の下のみち 雨のふるみち

誰も知らない 私のみちは

それでも続く



アンテナの上の シジュウカラも

自分を 生きている

誰も 知らなくても



道ばたで 黄色い花は咲き

風に吹かれ 夕に散る



皆に同じく

太陽はのぼり 朝が来て 夕は再び

やってくる



ひとり ゆくみち

もし 寂しく思うなら

小さく歌を つぶやけばいい

好きな 歌を







2014年07月22日(火) さえずり





届かないのかな

チイサナつぶやき 声

風にのって

みずいろの彼方へと



今朝はごきげんよく

ヒヨドリがさえずる

アンテナの先から

何が見えるのかな



ココロに手紙 したためる

おはよう おやすみ

チイサナつぶやき

風になって 風に散って

みえない光の粒になり



いつか ひとつになる

優しい大きな 手のひらに

なにもかもが

包まれる



そんなこと どうでもいい

って

ヒヨドリは 騒ぎ立てる

未練などないよ と

ちょっと 優越感で

羽毛を震わせ 胸をはり

さえずってみせる





2014年07月08日(火) ある朝 ある時





この道でよいのかと

浅い不安を抱きつつも歩く

けれど ある朝 ある時

ふっと

その道は途切れていたりする

進もうにも もう

前に進む道は無くて



立ち尽くす



あまりに突然で

でも

きっと心のどこかで

うすうす

気付いていたのか

予行演習だって

行われていたのか




道は途切れている

けれど

そこから 飛翔する

自由な空へ

自由な羽を得て

そう思いたい



或いは その道は

各々のココロの

奥のほうへと

向かって

続いているのかもしれない



いつか

記憶の底へとたどり着き

静かにそこに 沈殿し

優しい眠りに つくのだろうか







natu