カゼノトオリミチ
もくじ過去未来


2013年06月28日(金) ココロひろげて




おーいおーい

とても良い天気で

空が水色 乾燥した風

こんな午後

空に言うよ

おーいおーい


元気ですか


水滴ポツリ 風が乾かすね

ココロの

チイサク ギュギュっと

たたんだ布を

そう

草原でピクニックするみたいに

ふわぁ って

ひろげるよ


たくさんなにかが

こぼれて落ちる


だいじょうぶ 風が みんな

はこんでくれる

あなたのところまで



おーいおーい

おーい




2013年06月25日(火) 梅雨空にみずいろ





雨があがり

ピヨピヨピピピ

スズメの子らが エサ取り練習中

時は音もなく 過ぎ

色んなものが 去り

この路地に吹く

風の流れも変わってく



ひとり ふたりと

そろそろ お暇

空へと帰り

虫食いのように 穴の開いた地図



天は最近 忙しいでしょ

あらあなたも

あらわたしも

楽しく明るく元気よく

みなで この世の日々を

笑いあってね

こちらは相変わらず だよ



梅雨空のむこうに みずいろが見える



大きく伸びして 

ついでに 空に手をふってみた

時代は ゆっくり

動いてゆく






2013年06月24日(月) 強化ガラスだ





おおい

そんなコトバで

傷つくなんて

お前のココロは

どれだけ薄いガラスなんだ

薄くて薄くて

ちょっとのコトバで

初め、小さな亀裂が

目に見えないコトバの振動で

やがて時間差で

ピリピリピリと

あっという間に壊れてく

そんなんじゃ

幾枚ガラスが

あったってきりないじゃん

いっそがっしゃん

壊れてしまえ

そういう訳に行かないから

そうだ 強化ガラスだ

ココロ 強化ガラスに

しよう

そんな程度のコトバなんて

浴びるほど

うえるかむだ






2013年06月20日(木) チイサナカミサマ




ココロの中の

あなたはだあれ

ずうっとずうっと

昔から そこにいるよね

ねえって言っても

黙っていたり

でも、

迷ったり困ったり

そんな時 ココロの中の

声がする

誰がそこに置いたの

父と母が

自分たちが居なくなっても

一人になっても

迷わないよう

生まれた時に

ココロの中に

チイサナカミサマ

置いてくれたの




2013年06月19日(水) うすむらさきの





梅雨の空が

晴れました

心はどうだろ

でも また

いつか


こんな荷物は

こんなキモチは


大好きな

うすむらさきの風にのり

うすみずいろの

空へ


吹き飛び

巻き飛び ゆくだろう

きっと きっと

きっと

きっと





きっと





2013年06月18日(火) アジサイの季節に





はらはら 雨に
心が揺れて

アジサイの道
細い雨
傘の波

思いは旅する
青い空
みどりの草はら

ぽろぽろ涙は
温かく
頬に流れて

不安と現実
交互に波打ち
窓の中

きっと大丈夫
乗り越える

自分で自分を
抱きしめる




2013年06月11日(火) 優しい雨


薄墨を流したような

梅雨の午後

静かに 雨が降る

時も

静かに降りつもる

やがて思い出に

なってゆくのか

記憶は

形を 変えてゆくのか

お湯の中で

豆腐の角が欠けるように

いまは

まだ わからない

想いは

行ったり来たり

こんな日の

雨は 優しい








2013年06月08日(土)  扉


言葉のとげは

けっこうイタイ

言葉の優しさ 暖かさ 冷たさ



扉をたたいてみる

でも

留守かもしれない


居留守かも しれない



ヒトのこころが

言葉の温度が わからない

機械 故障中



手土産だけ ドアの前に

置いて帰る



なるたけ静かに

気配を消して 

階段を 降りる









2013年06月04日(火) お暇




日常はいきなり

終わる


歩いてきた道が

フト 途切れ

つま先の下は 崖

立ち尽くす


日常が一瞬で消え

ワタシは 

いきなりの見送り役


あの時を未だ

冷静に辿れない


でもそういえば


もうそろそろ お暇します

もういいんです じゃそろそろ


そんな風に 言いたげだった


どうしてそんなに

身じまい上手なの




natu