カゼノトオリミチ
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雨に打たれたふみ箱は
やがてこうして壊れていくのか
それとももともと
ふみ箱などは無くて
コトバなどというものは
風がささやいた聞き間違いで
カサカサピイピイと
早朝のトリや 散った落ち葉の
寄り添いあう音 だったのかと
ふみ箱だって
雨に打たれれば
やがては朽ちてゆくのに
今夜も大切に
大切に フトンの中で温める
やがては朽ちてゆくのに
朝の冷たい空気に
おはよう の声がひびく
さぁっと 光がさしたように
不意打ちのように
ココロのとびらがひらく
ピーイ ピーイ と
電線の上から 小鳥たちも
朝のごあいさつ
おはようは
魔法のコトバ だね
ココロの中にも
ぱぁっと 光がさしたよ
柿の実つつくヒヨドリが キーイキーイと 鋭く歌えば
曇りの空がますます 重く遠く 広がってゆく 気がします
その足で 立ってるでしょう その羽で 飛んでるでしょう
ヒヨドリはそう言いたげ
今はそう ツライかな
自分を守るための壁は もう どれくらい 出来ましたか
曇りの空は いっそう厚く 雨さえ 降りだした
それでもそれでも それでも だよ
自分の足で 歩くしかない 自分の生き方を するしかない
自分のやり方でしか生きられない
キーイキーイ
ヒヨドリの声は 鋭くて 曇りの空に遠く よく響くね
natu
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