カゼノトオリミチ
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2009年10月27日(火) ココロモチ




同じテーブルの上を ぐるぐる

まよってばかりのこともある

でも

どこかに

ぶれない想いが あれば


いえ

わずかなココロモチを

あたまのすみっこに 小さくメモしておけば


帰り道で 偶然であった

夜空のまんげつのように


ひっそりと

その想いが

じぶんを照らしてくれるような

気がする


ココロのなかに灯す

ささやかな 希望のあかり


2009年10月24日(土) チイサナ炎




母はけっして

消えることない

チイサナ炎を

おなかの中に灯している


風に 骸が散っても

涙が 枯れて砂になっても

生命の火がともった時から

かわらずに


細々と力強く

望まれなくとも

赤い血となり

流れても


守り 灯し続ける

母性という名の

チイサナ炎



2009年10月15日(木)




夜明け前に
雨が降ったんだ
キラキラ朝日が
水たまりでおどる

あ、アスファルトの下
オレンジ色が
あぁもう
散ってしまったの

キイイキイイ

そうそう
夜半過ぎあんなにヒドイ
雨に打たれて
キンモクセイは
散っていったよ と

おせっかいなヒヨドリが
教えてくれる

いつもの朝
季節の曲がり角 ひとつ
行き過ぎて

キンモクセイが
散った朝

とおめいな秋の
衣ずれの音は
しいんとムネに
染みわたり

ながい冬への扉が
ほんの少し
開いた朝



2009年10月05日(月) 紅色と黄色と10月と




やっときたね
ぐるり ひとまわり
待ってたよ
おかえり10月

湿った灰色の風と
乾いたとおめいな風は
交互に吹きながら

だんだんに寒さを増し

枯れ葉は
紅色と黄色に
染まりゆき

ムラサキ煙る
夕焼け色は深まって

音の無い午後5時

ワンは立ち止まり
鼻をくふんと鳴らす
風の中に
ねぐらのニオイを探すの

三角の
茶色い耳には
秋の行き過ぎる
衣擦れの音がするの

ワタシは
鼻先かすめる風に
金木犀の香りを探す

10月になると

ワンは
冬毛に抜け変わり
足拭きマットを占領し

ワタシは
カップスープに
熱いお湯を注ぎ

裸足にクツ下を履く

おかえり10月



natu