カゼノトオリミチ
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2008年05月26日(月) ココロ寄り添って




そうだね 確かに おなじ布団で 目を閉じても

おなじ夢は 見られない



空に 吹く風の色 描いても きっと

使った絵の具は それぞれ 違うね



でも 吹く風の色を 描きたい気持ちは

一緒だね



あなたが 何色の絵の具を 混ぜたのか

ワタシには わからない

正直に そう 言います



でも

それを 悲しいと 思わないで

誰もあなたには なれないの

誰もワタシにも なれない



ココロの 色 や 音 や

それをあなたが 克明に人に 伝えようとしても

どこまでいっても いきつかない 迷路のようで

… ね? だから

そんなこと 必要ないの

そんなこと しなくていいのよ



ただ、おなじ花をみて それぞれが 可愛いくて

可愛いネ って 顔みあわせたら 同じもの見て

ココロ 寄り添えたら



あなたのすべては わからない

あなたに ワタシは なれないの でも

人は みな

寄り添うことは できるのよ



雨に揺れる 風鈴の つぶやく音色は

あなただけの もの

ワタシだけの もの



でも

おなじ窓際に 立ち

おなじ音に 耳を傾けているよ

そして

「なんだか 切ない音だよね…!?」 って

ふたり 一緒に 顔 見合わせようよ



あなたが 笑顔に なれるまで

ワタシは どこにいても 

ココロ 寄り添ってる


2008年05月16日(金) 心の中で




いま ここにあることに

感謝しよう

私にできる事は

ただ

祈ることだけ 心の中で

手を

あわせることだけ

それだけ



それから 忘れてしまわないように

忘れてしまっても

心の中で 覚えているように



祈ることだけ

心の中で

手を あわせることだけ





2008年05月10日(土) ごめん




ぽつり 手のひらに 雨粒が

ぬぐうのは 誰

寒いなら

自分の腕で 自分を抱きしめ

暖めて と いうんだね



何もできずにごめん



わか緑の葉をぬらし

5月の雨 降り続く



この先は 自分でゆくよ

ひとりが背負えるものなんて

そんなに 多くはないもの



そうでしょう?



違うと 唇は 動かない

だから いいよ そのままで

そのまま 目指した方向へ

その姿だけは みていたい

おねがい

それだけは



2008年05月04日(日) 白いハナミズキ




校舎のはずれの 白いハナミズキ

午後3時の 風に誘われ

時の断片 散らすように

ひらり ひとひら 身を ちぎる



黄金色の西日が射して

光の粒が ハナミズキの梢に止まる


それでいいのよ

たったひとりで

お行きなさいと



誰か つぶやき

背中 押されるように

振り向かず 学校の門を出た

紺色の プリーツスカート ゆれた日



この街で 歳を重ね 春は 何度もめぐり

白いハナミズキも 咲いては 散るを 

繰り返す

あの日から 私はどこまで 歩けたろうか


natu