魔女の目覚め 上・下 ヴィレッジブックス デボラ・ハークネス著 中西 和美訳 この物語が売れないわけがない。「ハリー・ポッター」「トワイライト」にもっと大人のニュアンスを加味してちょっと古くなるけど「マジック・サークル」のヒロインのタフさをプラス、で、「ダ・ヴィンチコード」のサスペンスをふりかけてあって…文句を言えば完結してないこと。三部作の第一部。今年夏に次作刊行予定。待てません、わたし。 著者はヒロインダイアナ同様本物の歴史学者。アメリカではワインのエッセイストとしても活躍しているらしい。 本書にもワインがあちらこちらで登場し豊かな背景描写と共に香りと味を喚起する。 マジックサークル」「8(エイト)」のキャサリン・ネビル、「ラビリンス」「悪魔の調べ」 のケイト・モスにも共通して感じることだけれど、現代より過去のエピソード、時代が古くなれば古くなるほどリアリティが増し著者の筆が冴えて行くように思う。 三部作となると中判の次作は中世あたりが舞台となり、最終作は現代で決着というところだろうか。そうなると歴史学者である著者の腕は次作においてマックスに振るわれるのではないだろうか。 キャサリン・ネビルの物語の中にフランス革命から生き続けている女性が登場するものがあるけれど、 歴史をまたいだ壮大なファンタジーを紡ぐこの女性たちは本当は過去から営々と行き続けてきたのではないだろうかと錯覚するほど物語の人々は生き生きと語られている。 著者にはワインのエッセイはしばらくお休みにしてせっせと次作を書き上げて欲しい。
「 石原結実のしょうが紅茶健康法」 石原決実 著 海竜社 胃腸が強くないわたしにはこれが効いた。ティーバッグ普通の紅茶に黒砂糖とすりおろしたしょうがを加えて飲むだけ。 以前より漢方では朝は解毒・排泄の時間帯、その時間帯に必要以上に食物を取り込んでしまうと排泄作業が滞ると言われている。体はまず吸収を優先させるらしい。排泄を促すにはその時間に食べ過ぎないこと。 でも朝食を全く食べないのではわたしのような冷え性は寒くてかなわない。 そこで体を温め代謝を促し免疫を高めるしょうが、茶葉を発酵させ体を温める効果のある紅茶、ミネラル豊富な黒砂糖をブレンドした生姜紅茶はぴったりと合ったのだった。 で、痩せた。わたしは太ってはいないけれどわりとすぐにむくむ。それが改善されつつある。
「暗闇」 コーディ・マクファディン 著 ヴィレッジブックス 「傷跡」「戦慄」に続く第三弾。 コーンウェルが天才と賞賛した著者のFBI女性捜査官スモーキーのシリーズ。 身長148センチ、シリアルキラーに夫と娘を殺害され自身の顔にも全面にわたりむごい傷を受けている。 そんな小さな巨人スモーキーのタフなストーリーには強くて優しい女がたくさん登場する。 男たちがかすむほど。 むごたらしい事件が語られていくけれど、読後感はさっぱり。
「塞がれた声」アレックス・カーヴァ著 新井 ひろみ訳 MIRA文庫 FBI捜査官マギー・オデールシリーズ最新刊。 こちらもタフな女性捜査官。前 作の事件でエボラ熱に罹患?というきわどい状況だったマギー。 今回もスリリングな展開。 アル中の母を抱えた不遇な子供時代、いまだに母との葛藤を抱えながらストレスフルな精神状態で事件と向き合うマギーは、コーンウェルのスカーペッタを彷彿とさせるが昨今すっかりタフさがなりをひそめたケイに比べてまだまだ若く強靱に立ち直る。 どれもこれも次作が楽しみで待ち遠しい。
母に電話すると回覧板のことを心配そうに話し出す。 近所にあらいぐまが出たらしい。 注意を促す連絡だったらしい。 母の部屋は駅から2分の町中にある。あらいぐま? 「それがね、セットで飼われてたみたいなのよ…」セット?あらいぐまは何とセットで飼われていたのか… ハクビシン?狸?イタチ? どうやらペットの言い間違いらしいが、以前はすぐに「それはペットでしょ?」とただせていたわたしが瞬間的に反応できていない。 ショックだ… 母が老いわたしが追う。 こんなにボケボケな人々が多くなるときっと世の中ももっと単純になって行くだろう。そうに違いない。 もっと優しくなっていくだろう。 そんなシンプルで優しい世界にわたしは将来生きることに決めた。 決めたんだからそうなるのです。
なんの加減かわからないが、 ブックマークしていた友人のブログの表示が1週間ほど遅れたものになっていて 昨年暮れには彼女んとこでは天井が落ちて来るかも…という騒ぎになっていたらしく… わたしはなんも知らずにおったわけで 見舞いの言葉もなく本当に失礼した。 すみません… で、天井はどうでしょうか? こちらも寒いけれど きーんと音は聞こえてこない。
2012年01月02日(月) |
深大寺薬味ゆず七味はそばにも雑煮にも合うのだった |
*紅白歌合戦 大晦日の夜母んちのテレビで紅白を観た。我が家は地デジ対応しなかったのでテレビを観ることができないわけで…
面白かったかどうかは別にして 例年になく司会がスムーズで流れるようにプログラムが運んでいた。 最近思うことだけれど 若者たちの本質を見抜く力が強くなって来ている。 司会の若者たちは紅白の権威だとか歴史だとか そんなつまらないことに左右されることなく 明確に曲を紹介し それぞれの歌手にリスペクトを忘れず 歯切れ良く気持ちよく時間を刻んでいた。 *餅 暮れに思いがけずつきたての伸し餅を手に入れることができて 夫はほくほくとしている。 無類の雑煮好きなのだ。 干し椎茸と昆布でじっくりだしを取って 人参、大根、里芋、三つ葉… 柚が効いている七味唐辛子をぱらり… 我が家の正月の香りが漂う。 *パトリシア・コーンウェル 出たのだよね…検屍官シリーズの新刊が… 速く読みたい。スキャナーの調子が… 買い換えねばなるまい… せっせと雑煮を作り夫に頼もう…
おめでとう。 わたしは今年五十歳になる。 半世紀という重い五感とは裏腹な幼稚さぶりだが 仕方がない。わたしはわたしだ。 この心と体で充実させていくより仕方ない。 友人が言う。体を鍛えることだと。 体をこわさずよい顔で暮らすことだと。 わたしの周囲の大事な人々いや 地球の人々、 今年もよいお顔で。 腹から笑えることがたくさんありますように。 ほのぼのにたりとできる瞬間が山ほど訪れますように。 お祈りします。 心から 心から。
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