日々の泡

2010年11月24日(水) 南蛮味噌

芝エビ
細切りの牛蒡 人参
むき身の枝豆
を入れた厚めのかき揚げ
昨晩 嫌になるほど揚げたのだって…
同僚のCが。
で、嫌になって自分は食べなかったのだって。
もったいない…

南蛮味噌
というのはわたしの故郷の保存食
野菜を細かく刻んだものを辛めの味噌に漬け込んだもの。
とても香りがよい。
おにぎりに入れても
炊きたてのご飯にのせても
白粥やお茶漬けにも
とてもおいしい。
で、とっても安価…
わたしがお土産に買おうとすると
そんなものでいいの?と故郷の人々は驚くけれど
みんな喜ぶのだよ…
お勧め。



2010年11月23日(火) 自分の勤労に感謝する

大貫妙子/坂本龍一 コンサート
UTAU
最後の一音の余韻まですっかりと堪能しました。
どの曲も美しく
そしてなにより、大貫さんの「ありがとう」という言葉の暖かさに驚きました。
教授の生の笑いが無邪気でうれしい。

ラストオーダーのアフタヌーンティーに駆け込んで友人と食事。
命の洗濯をしたはずのふたり 何故かお互いに心には重い雲が…
それぞれ思いは当然異なるのだけれど
一緒に食事をすることですっと心が寄り添えるのが長い縁ゆえ
年内にも一度ごはんを食べよう…
お…たいちゃんと忘年会もしよう…
そのときはなんもかも忘れて飲みましょう…



2010年11月21日(日) プロポリス

 「臨床瑣談 」
著者 中井 久夫
中井先生の文章に心安まる。
読者を見下すことなくおもねることなく
とても平易な文章で具体的な対策を書いてくださっている。
先生の人間への信頼感」が行間に溢れている。
 「院内感染対策」として、プロポリス、乳酸菌、漢方薬の利用を提案されている。
わたしは先生のこの文章を読んで以来、ある会社のプロポリスカプセルを常用している。
幼い頃から扁桃炎を繰り返し、最近では疲れるとヘルペス出てひどくなると膀胱炎になってしまっていた。
医者嫌いなので、通うのは時々の漢方医と歯医者ぐらい。
ある夜、疲労から膀胱炎気味となり発熱、手元にあったプロポリスのサンプルを「そういえば、中井先生も勧めて裸子たな…」と思い出し、試しに飲んでみると飲んだとたん「効いた…」と実感。
以来プロポリスは欠かさない。
これを叔父に送るとしよう。
中井先生の本も一緒に。



2010年11月13日(土) 風の中

恐いくらいの晴天
恐いくらいの紺碧の空
骨身に凍みる寒風
先祖の墓
シャッターの下りた商店街
風にミックスされた懐かしい食べ物の香り
病気の叔父
あちこちのガン
黙って呼吸しているだけで心が揺れる。
わたしの未来はやはりここにはなかったのだな。
中途半端だった何かに折り合いがついた。
今、ここでわたしにできること
それだけに集中しよう。



2010年11月12日(金) 北へ走る新幹線

北に向かう新幹線
車窓から見える風景は進行方向左側の座席がよろしいようで。
蔵王の雄姿も左に現れる。
仙台を超えた辺りから
空は一変 東北の冬 重い鈍色の雲 細かな雨
ああ… わたしの町へ近づいている。
一年のうち 何ヶ月も鈍色の曇り空に閉じこめられた。
いまだに関東のすっからかんの冬の晴れた空に馴染めない。
と盛岡手前 急に雨雲が途絶えなんと大きな虹!
車内の人々の歓声
到着までにふたつの虹に迎えられた。
恩寵?
東京駅で一番人気と評判のイベリコ豚のランチ
海産物の本場へ行くんだから、海鮮弁当は避けてこれを乗車前にゲット
えっと… お肉もごはんもおいしいんだけど、これって肉ばっかですよ…
今度はサラダも買うべし。
旅行中、このイベリコ豚の食べ過ぎに食傷気味となったわたしはあほです。



2010年11月06日(土) 楽しめるか

ジョン・レノンの"BEAUTIFUL BOY”
がラジオから流れて来る
この美しい曲が聞こえてくるといつも微妙な気持ちになる。
だってジョンの息子はショーンだけじゃないからさ。
いくらポールが"HEY Jude”と慰めてくれても、ジュリアンだって父親の思いやりがほしいと思うかラサ。
地球の平和を願ったように息子の心も救って欲しかったと思うのは変だろうか。いやいや、わたしだってこのきれいな曲を本当は大好きだし楽しみたいのだ…

 最近、どこかの新聞に小堀杏奴さんのことが載っていたらしい。
わたしのこの日記にも「小堀杏奴」という検索でやって来る方が数名いらした。
どんな単純な仕事でも楽しんでやること云々という鴎外の言葉が彼女のエッセイに書かれていたとそのコラムは紹介していたらしく、友人はその文章を新聞から切り取り持ち歩いている。
そして「何事も楽しむこと」を最近のモットーにしている。
わたしはと言えばなんだか真逆で、三歩歩くのも、人生のなんと辛い事よ…と思ってしまうほどしんどい。
楽しんで生きるとはほど遠い「やっつけ仕事」のような毎日だ。
それはそのような「境遇」というのではなく、つまりは「才能」とか「精神的な成熟度」というようなものが関係しているのだと思う。
 母親と用事を足しに出かけるとする。
必ず喧嘩する。お互いに稚拙なのだ。なので、出かけることは「楽しみ」ではなくて、ある意味「修行」のような様相を成す。
 数年前、エリザベス・ギルバートというアメリカの作家の短編集「巡礼者たち」という本を読んで「わたし好み」の作家の出現をとても喜んだ。
その後、いくつかの長編が書かれたようだがわたしは彼女の短編が読みたかった。
当時、ジュンパ・ラヒリの「停電の夜に」というこれまた「わたし好み」の短編集ともめぐり会っていてなんともしあわせな気分であった。
そして、再度エリザベス・ギルバートと再会。
「食べて、祈って、恋をして 女が直面するあるゆること探究の書 」
ウェッブ上の点字図書館の目録でこのタイトルに出会ったとき、ちょっとしたデジャヴュを感じたのだけどはて何処でお会いしましたかな?
なにはともあれ読み始めた。
おもしろい…
離婚失恋、度重なった大事な人との関係の破綻に直面して著者はかなり重篤な鬱病になってしまう。
そしてある出来事をきっかけとして一年間の魂の再生の旅へ出発する。イタリアで心と体にたっぷりと栄養をつけ、インドのアシュラムで魂の立て直しを図り、バリ島で人生を楽しむことと魂の修行とのバランスがとれるように訓練する…
そんなにうまく行くものか?と思ったが著者はやり遂げてしまう見事!
人生のよい面、人間の善きところ、本来の著者は多分何事に対してもプラスの面を探し出せるタイプだったのだろう。尊敬できる師との出会いも彼女の心のありようが導いて行った結果なのかもしれない。
で途中で気付いたのだけど、これって最近ジュリア・ロバーツの酒宴で映画になってたのだね。そういえばラジオのCMで流れていた。既視感はそういうことだったんだ。
エリザベス・ギルバートもジュンパ・ラヒリも淡々と描いているのに深いところに語りかけてくる。それでいて乾いたユーモアがたっぷり。
おもしろかった。
ちょっとだけ「人生を楽しんだ」かもな…わたし。


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茉莉夏 [MAIL]