はぐれ雲日記
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今日は一年で一番忙しい日だった。 バイトのため、しのつく雨の中、朝3時30分に家を出て山梨へ。 八王子ジャンクションから中央高速へ乗り入れ、仕事場へ8時30分に到着。 それから4時間きっかり働いた。 昼食は甲州名物のほうとう。 生ニンニクが好物なのでリクエストで少しトッピングしてもらう。 やはり臭うか・・・。甲州ならぬ口臭の武田インゲンとなる。 談合坂でグリーンガムを買う。 静岡限定のわさびカールを買った。箱入り4袋セット600円。高い。 眠い。霧がやけにもやっている。こわい。次は田端にいかねば。やっとのことで八王子へもどる。 それから4号線で新宿へ。 首都高へとアクセルを踏みつづける。 羽田方面と銀座方面の分岐点の表示があいまいで目の高さに表示が現れるのは 分岐点のわずか2、3メートル手前。 不親切。 走っているのはタクシーと定期便の運ちゃんだけではあるまい。 路線変更できないまま羽田方向へ走らされてしまい。50分近くもロス。 車間を3メートルほども開けよう物ならすぐ鼻先を突っ込んでくるし 都心を走る車には神経をすり減らし、カンペキ5回は死んだと思うほどひどい目にあっった。 この雨の中どこへみんな行くの? 恐ろしいほどの渋滞。 高速というより少し動いている縦列駐車状態。 すでに夕方。つるべおとしのように、あたりははとっぷりと暮れてしまった。 ようやく池袋へ入ると頻回にシフトを使った。20年ぶり大都会を走る緊張のため、ラジオも聴けない。 ところで、なんとも奇妙なことに気がついた。 この大都会を走っていて、この3時間ほどの間、生の人間をひとりも見ていない。 車、車、車・・・。ビルの谷間。 高速を走っているのだから当たり前と言えば当たり前だが。
♪ 砂漠のような東京で あなたひとりのしもべとなって 夜も寝ないで女のまごころ。わたしはわたぁしはぁ〜つくすのーよー。 いしだあゆみの歌声がねっとりと頭の中で回転し始めた。疲れている。
そう。対話ができない。 毎日、山や空や、草花と自分の心が自然となにげに対話 していたんだな〜といまさらの実感。 コンクリートジャングルでは心が共鳴しないんだ。
池袋サンシャインシテイプリンス、門を曲がって三越。 その前に宝石箱のようなブルーのビルがあった。 スゲ―きれい。 心を奪われながら一路、田端へ。
仕事がおわりほうほうのていで埼玉の我が家へたどりついたのは夜10時。
本日の収入・・・・・ 18000円。
本日の支出・・・・・ほうとう 550円 ガム 105円 高速代金 7950円。 ガソリン代 3350円。 静岡限定カール 630円 計 12585円 差し引き収入 5415円
働けど働けど我が暮らし楽にならざり じっと手を見る・・・。
しかし、なべぞこ景気の時代、相場はこんなもんかもしれない。
同僚にオシロイバナのタネをもらった。 手のひらでコロコロと黒い玉んころが転がる。 カワユイ・・・。 黒い粒を爪で割ってみると、中から白い粉がほろほろと零れ落ちる。 なんだか、子供の頃を思い出す。
ゴザをしいておままごと。 お化粧ごっこもやったよ。 ホウセンカや朝顔のはなびらでいろとりどりの化粧水を 空きびんに詰めて売ったりして。 顔にピチパタピチパタ・・・。しあげはオシロイバナの粉を顔中にぬったくって。 塗り壁の妖怪か、アフリカ奥地の結婚式か・・・。 あたしなんか、スズキソノコ先生よりずっとずっと昔から スッゲー美白してたんだぞ〜。
今日の小江戸の天気 ひとりぼっちで秋うらら。 朝早く自転車をこいで近くの「かにや」という和菓子工場へ行く。 工場の敷地内にショールームがあっていろとりどりの和菓子が並んでいる。 ”いざ鎌倉” ”あばれんぼう”陽だまりの木”乳どら”・・・・。うまいのは知ってる。でもちょい高。 手つくりのくわんくわんした”紅葉”、”いがぐり”、”晩菊”などの生和菓子。400円。問題外ね。 で、手に取るのはきまってパックにぎっしり詰まったカステラのはじっこね。 焼きかげんで蜂蜜がはしっこでしっとりしていて、卵黄のこげた匂いがこれまたたまんない。 これ、1パックで180円。安すぎ。でも、すぐ売れちゃう。
種子島にポルトガルから440年前に伝わった異国の菓子。 江戸時代、人々はこれを箱に入れてお湯をひたして大事に味わったそうな・・・。。 わたいはかすてらにさらにバニラアイスを乗せて、渋いお茶でこたつにGO! 某あいすくりん=105円。かにやのかすてらいっぽん1500円のはしっこ180円。 早起きは1215円の得。
ヘアカットに行った。 ”T”という行き付けの美容院だ。ヘア・サロンというより植木屋という感じ? なんでもかんでもチョキチョキ切りたがる。いつかはワカメちゃんみたいな頭にされて突っ伏して泣きたかったときもある。 それでもここへ通うのはひとえに安いため・・・。センスがいいとかカットがうまいとかリラックスできるからとかじゃなくって シャンプー、カット、セットで1800円というリーズナブルな料金だからだよ。 わたしが行くとそこのマスターというかダスターが息子のことや年老いた母親のことなどいろいろと話してくる。 話に興じて夢中になってくると、当たりかまわずカットしまくりだ・・・。植木の剪定じゃああるまいし。 「今日はどうしますか?」と聞かれ、反射的に「マラソンの高橋選手みたいな髪型に。」と思わず 言ってしまった。 可愛く強く美しく。最高のヘアスタイルではないか。でも、いつも○○のようにと頼んでもそうしてくれたためしがない。 ダスターはうなずくと無言でチョキチョキをやりはじめ、まず希望のスタイルとは似ても似つかない頭になっている。 はっきり言って切り過ぎ・・・。 もっといえばセンスが無い。 昨日はたまりかねて「あ、前髪はそのまま!切らないで!」と哀願してやっとその手を止めてもらった。 医者と患者さんのような関係である。 落語の”浮世床”じゃあるまいし、タノムカラいますこし事務的に言われたことだけしてちょーだい。
今日はひさびさの公休。 時間はたっぷりある。そこで、 昨日出し忘れた生ゴミを迷わず果てもなく遠い(?)ゴミ集積所に持って行くことにした。 集積所に近づくにつれ延々と続く車の行列にギョギョッ!川岸の土手の上は粗大ゴミを持ちこむ車でいっぱいだった。
30分経過。 車の中はすっぱいような甘いようなゴミの臭いが満ちてきた。 車の列は少し動く駐車場状態・・・。どーしよ。持って行ったたゴミをまた持ちかえるなんて??。おまえははアホか。。 車はわたしの前に30台。あとにはもっと。 もう押すことも引くこともできずじいっと待つことにした。 仮眠するわけにも行かず、なにか食べるわけにもいかずどう過ごしていいのかわからない時。ゴミ捨てタイム。 一時間15分後ようやっとわたしはゴミの呪縛から開放された。
帰り道、土手の端っこに車を止めて一息いれた。 土手下に古い大きな土管があって回りに秋風に揺れるネコジャラシ。 工事現場と砂山。 小学生の時のかっこうの遊び場。ズロースのゴム部分にスカートのすそをたくしこんで チョウチンブルマーのようにしてすっとんで遊んだ景色だ。 写真をとりたい。でも感動する心ばかりで腕が無いのが悲しい。 「もしもピアノが弾けたなら」の気分。
ラジオのスイッチを入れたら♪恋をするなら命がけ〜。真っ赤な港のひがんばな〜 とハスキーな歌声。 ゴミすてるのもぉ〜いのちがけえ〜。 もおどろもどろー。
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