歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2008年12月31日(水) 年末の歯磨き指導 良いお年をお迎え下さい

昨日は、我が家の大掃除。といっても昔ながらの畳を上げたり、障子を張り替えたりなんてことはしませんでしたが、それでも普段できない場所を掃除機で掃除したり、エアコンのフィルターの掃除、窓拭き、車の洗車などを行いました。おかげで日頃から気になっていたにも関わらず放置していた場所はきれいに片付いたのですが、掃除が終わればヘトヘト。それでも、世間では明日の生活もままならない方が多い中、大掃除ができることは有難いことだなあと感じております。

窓を掃除している時のこと。窓のサッシの部分の汚れがなかなか取れず苦労をしていると、嫁さんが
「これが主婦の知恵というものよ!」
と言って持ってきたのが使い古しの歯ブラシ。歯ブラシの毛先で窓のサッシの部分をごしごしと掃除をすると、汚れが見事に取れます。新鮮な驚きを表現していると

「こんなこと、主婦だったら誰でも知っているわよ。今頃わかったなんて・・・」
と嫁さんに呆れられる始末。

普段、患者さんの歯磨き指導はしていますが、年末に自分が歯磨き指導をされるとは思いもしませんでした。これからちゃんと勉強します・・・。

さて、この1年『歯医者さんの一服』日記を読んで頂き、有難うございました。2008(平成20)年も今日で終わりです。毎日何を書こうと悩みながらも気がつけば大晦日。何とか1年間日記を書き続けられたのは、ひとえに読者の皆さんのおかげです。この場を借りましてお礼を申し上げるとともに、来る年が皆さんにとって素晴らしい年でありますことを祈念しております。どうか良いお年をお迎え下さい。



2008年12月30日(火) 大掃除は自分を磨くこと

うちの歯科医院では年内の診療は27日土曜日をもって終了し、正月休みを頂いているのですが、ほぼ毎日のように急患の患者さんが来院されます。

歯が痛くなった
歯肉が腫れた
入れ歯が割れた
差し歯が取れた
などなど、応急処置を必要する患者さんから連絡があります。正月休みは基本的には自宅にいますので何とか応急処置をしてはいるのですが、そのせいか、いつもの年に比べ正月休みであるという感覚が希薄なように思います。結果的に何となくだらだらと日常が続いているような気がするのです。こればかりは仕方のないことだとは思いますが、完全に休みモードになれないことが良いことなのか、果たして否か?結論を出せずにおります。

それでも、何とか200数十枚あった年賀状は何とか書きあげ、投函。マイカーや自室の掃除もぼちぼちしながら、後は診療室の整理か・・・。

上のチビ曰く
「終業式の時、校長先生が『大掃除は自分を磨くことになります』って言っていたよ。」

僕にとっては耳の痛い話ではありますが、確かにそうだと思いながら自分の身の周りだけは何とか年を越せる状態にしていきたいものです。




2008年12月29日(月) いい加減な引継ぎ

平成20年(2008年)も残るところ後僅か。思い起こせばいろいろとあるのですが、僕の意識としては昨日正月明けだったのではないかと思いたくなるような感覚です。充実した時間を過ごしていたといえばそうなのかもしれませんが、年を追うことにこの感覚が加速しているような気がしてなりません。これも加齢現象なのかもしれません。

あっという間に過ぎていった今年一年ですが、日記を書いているうちに一つ思い出したことがあります。それはある仕事の引継ぎでした。地元歯科医師会のある仕事を僕は先輩の先生から引き継いだのです。世代交代をしなければいけないという会長の一言で、僕が指名を受け、仕事を引き継ぎました。
仕事を引き継ぐこと自体、異論は無かったのですが、問題は引継ぎ作業そのものでした。前任の先輩先生曰く、
「わからないことがあったら何でも聞いていいよ。」

この言葉だけ聞けば、何とも良心的な思いやりのある人だろうと思い勝ちですが、僕はそうは思いませんでした。なぜなら、引継ぎでこの先輩先生から口頭で直接説明を受けた機会は一度もなく、引継ぎ事項が手書きの紙切れ一枚だけだったからです。しかも、この紙切れに書いてあった内容は僕が知っていたことばかり。実際の詳細な引継ぎ事項、暗黙の了解事項などは一切書かれていなかったのです。
僕は何度となくこの先生に確認を取ったことがあったのですが、回答はいつも
「わからないなあ。好きなとおりにしたらいいよ。」

この先生、僕が引き継いだ後も全く様子を見ることはなく、放置されていました。非常にいい加減な引継ぎとしかいいようがありません。

引継ぎは事務的なことばかりではありませんでした。負の引継ぎもあったのです。
ある関係者に引継ぎの挨拶をしたところ、その関係者の口調は非常に重く、明らかに好意的ではありませんでした。後日わかったことですが、先輩の先生の仕事ぶりがいいかげんで愛想をつかしていたとのこと。関係者とのわだかまりを解くことに今年一年の時間を割いたと言っても過言ではないくらい気を遣いました。

僕はこの先輩の引継ぎを反面教師としました。改善すべきところ改善し、悪しき習慣は徹底して取り除く。非常に手間ひまがかかりましたし、今もって完全なものとは程遠いとは思いますが、僕をサポートしてくれるメンバーの助けの下、引継ぎを何とかこなしたように思います。

引継ぎというのは大切なことのはずなのですが、前任者がいい加減だと後継者が苦労をします。また、前任者が素晴らしくても後継者がいい加減だとこれも大変です。世の中の不祥事と呼ばれていることのいくつかはこの引継ぎがいい加減にされているが故に生じているのかもしれない。そのようなことを身を持って知った一年だったかもしれません。



2008年12月26日(金) 年末年始の医者、歯医者のかかり方

毎年この時期に必ず書いていることを今年も遭えて書こうと思います。既にご存知の方でもいざとなった時にどのように対処したらいいかわからないものですし、ご存知でない方にはやはり知っておいてもらいたいことですから。

年末年始、ほとんどの医療機関は休診となります。皆さんが普段かかっている病院、医院、診療所、そして、歯科医院でも休みのところがほとんどでしょう。このような時期にもし体調が崩れたり、怪我をしたり、歯や歯肉、口の中に異常が診られたらどうしたらいいでしょう?普段から健康に気を遣っているつもりでも、年末年始に突然体に変調をきたすことは誰にでも可能性があることです。そのような場合、どうすればいいのか?

大切なことは日頃から世話になっている医療機関に年末年始の対応について事前に確認しておくことです。休診になっているのか、応急処置をしてくれるのかどうか、もし、休診するなら代わりの応急処置はどこで受けたらいいのか等々電話で確認しておくことが大切です。
年末年始、帰省場所や旅行先で体に異変が生じた場合、どうすればいいでしょう?この場合、帰省先の場合であれば情報があるかもしれませんが、それでも、長年帰省していない故郷の場合、それまでかかっていたかかりつけ医が廃業したり、移転したりしていることもあります。旅行先であれば医療機関に対する情報は無いに等しいでしょう。
このような場合も事前に年末年始の医療対応について調べておくことが大切でしょう。地元の新聞の地方欄や公報には年末年始で応急処置を行っている医療機関が必ず書かれています。また、インターネットでも地元市役所、区役所、役場などのホームページや医師会、歯科医師会のホームページなどで情報が公開されています。これらを利用するのがいいでしょう。

それでも、なかなか調べられない場合は、119番をかけましょう。119番といえば消防や救急車の出動を要請する専門ダイヤルのように思われるかもしれませんが、医療機関の情報も確実に持っています。どこか自分がかかりたい医療機関は近くにないかどうか尋ねれば、何箇所かの医療機関を教えてくれます。年末年始を前に各地の医師会、歯科医師会では年末年始の応急診療体制について地元消防署に情報提供しています。これら情報をもとに消防署は医療機関の問い合わせに対処しているわけです。いざとなったら119番で年末年始に診療をしている医療機関を尋ねることです。



2008年12月25日(木) 高校英語で英語授業を行う不安

先日、高校の学習指導要綱改定のことがマスコミに取り上げられていました。中でも英語授業に関しては授業も英語で行うことが触れられていることが注目されています。僕自身、仕事柄、英語の論文やサイトを見ることが少なくなく、英語には一生付き合わないといけない身であります。英語というのはあくまでもコミュニケーションの一手段であり、肝心なのは仕事の中身であることは言うまでもないことではありますが、僕もかつては高校で英語を学んできました。そして、高校卒業以降も英語を学んでいるだけに今回の高校での英語授業を英語で行うことに関して、非常に関心を持っています。

個人的には英語で授業をすることは賛成です。我々の国語である日本語を学ぶ際、誰も日本語以外の言葉で学びません。最初から日本語で学びます。生まれた時から親が日本語を話しているのを聞き、まねることで日本語を覚えていくもの。これが自然な言語の習得方法です。どこかの英語講座の宣伝文句ではありませんが、外国語を学ぶには目的とする外国語に囲まれ、シャワーのように浴びながら習得するのが自然です。

かつて僕は英語を母国語とするカナダ人による英語授業を受けたことがあります。このカナダ人、日本語が話せない人だったのですが、その分、英語を母国語としない人に対する英語教育には長けている人でした。非常にシンプルでわかりやすい英語で授業を行っていたので、僕にとっては非常に有意義な英語授業でした。
ただ、この先生の英語授業を受けた後は非常に疲れたものです。全く日本語で考える余裕がなく英語漬けでしたので、頭の中が非常に混乱しました。しかしながら、面白いもので何度か授業を受けているうちに英語に慣れ、ある時など睡眠中に英語で夢を見たようなことがあったくらいです。どれくらい正しい英語での夢だったかどうかは今から思えば疑問ですが、自分の頭の中の思考メカニズムに英語が入ってきたことは確かです。


それでは、来年度から英語で英語授業ができるかどうかということになると別問題です。僕は相当困難だと思わざるをえません。一つは教える側の問題。英語教師とは言ってもその実力は千差万別。英検1級、TOEIC800点以上の教師がいると思えば、英検2級の実力もない英語教師もいます。驚くべきことに英語の発音が苦手だという英語教師もいるくらいです。高校の英語を全て英語で行うという志は高くても、教える側の体制が整っていないのは明白な事実。これで来年度から英語授業が行えるのか甚だ疑問です。

生徒の方はもっと戸惑うでしょう。英語の実力は教師以上の千差万別です。既に英語を母国語とする人と対等に話せたり、小説や文献が読める英語の実力がある生徒がいると思えば、三単現の動詞の活用さえままならない、中にはアルファベットを書くことさえ危い生徒もいます。これまでずっと日本語で授業を受けてきた生徒にいきなり英語の授業をしても生徒に戸惑わせるだけと思うのです。
英語授業で効果がある生徒は、ある程度の英語の語彙力があり、英語のリスニングの基礎力を持っている生徒に限られるでしょう。それだけのトレーニングを中学校時代にこなしている高校生徒がどれくらいいるものか?本来なら高校だけでなく中学校、場合によっては小学校での英語授業との兼ね合い、カリキュラムの改正が必要なはずですが、それがありません。こんなことで大丈夫なのだろうか?と非常に不安に感じます。

また、大学入試試験がどのようなものになるかも大きな問題でしょう。例えば、英語試験の問いが英語で出されるのか否か?これまでと同じように日本語での問題文なんてことになると、大学入試試験英語は英語による英語授業の現実と大きく乖離する結果となります。高校で英語による英語授業をするなら、当然のことながら大学でも英語で英語授業をしないといけないはずですが、今回はあくまでも高校指導要綱の話で大学については全く触れられていません。これも大きな問題でしょう。

以上のことを考えると、今回の英語による英語授業というのは時期尚早のように思えてなりません。一種のモデル指導要綱としては評価してもいいのかもしれませんが、日本全国津々浦々に至るまでの高校英語教育。いくら義務教育ではないといっても高校の授業は全て小学校、中学校からの延長上にあります。そのことを全く念頭におかずにいきなり高校で全ての英語授業を英語で行うというのは混乱が生じるだけでしょう。英語ができる生徒とできない生徒の格差がこれまで以上に大きくなるように思えてなりません。



2008年12月24日(水) 難しい性教育のタイミング

クリスマスイブという日にこのような話を書くのは適切ではないかもしれませんが、ご容赦のほどを。

先週末、病み上がりの僕に嫁さんがあるものを見せました。
「○○ちゃんがこれを隠していたのよ。」

○○ちゃんとは小学校4年生の上のチビのこと。嫁さんが持っていたものを見せてもらうと、それはあるテストの答案でした。テストの点は65点。これまで上のチビはどんなにテストの点が悪くても僕や嫁さんには見せていたのですが、このようにテストを両親に見せずに隠していたのは初めてでした。嫁さん曰く
「どのように○○ちゃんに言ったらいいかな?」

普段からチビたちには
“テストで間違っていても恥ずかしくない。テストで間違ったところは自分が理解していないところなのだから、次回から間違えないようにしっかりと復習することが大切だ。どんな点数を取っても両親には必ずみせなさい”
と言ってきました。これまでチビたちは僕の言ったことを素直に守ってきてくれたのですが、今回のように答案を見せなかったのは初めてだったのです。たまたま、嫁さんがチビの机周りが散らかっていたので整理をしていた時に見つけたとのこと。

僕は考え込んでしまいました。なぜなら、隠していたテストの科目が保健であり、内容が性教育に関することだったからです。
上のチビが通っている小学校では小学校の中学年から性教育を行っています。非常に早い時期から性教育を行っているものです。僕が小学校の時には性教育を受けた記憶はありません。せいぜい、中学校3年生か高校になってからだったように記憶しています。実際のところ、学校で教育を受ける前に様々な方法で性教育の大半を知っていましたが・・・。

以前から性教育をどの段階から行えばいいか議論があったとは思いますが、それにしても小学校4年生で性教育を行っているというのは個人的には若干早いのではないかと感じますが、子供の成長はひとそれぞれです。成長の早い女の子の場合には、小学生高学年の時点で既に胸が大きくなったり、初潮さえ始まった子もいるとのこと。体の急激な変化に何の知識もなければとまどうのは子供。また、最近の誤った性の知識や性病、エイズの蔓延を考えると、性教育を早くから行うことは時代の流れかもしれません。

僕は上のチビに注意するよりも、上のチビから何気なく話を聞くことにしました。先週末、僕は上のチビと二人で風呂に入ったのですが、その時に学校の性教育の授業のことを何気なく聞いてみました。最初、恥ずかしそうにしていた上のチビですが、徐々にいくつかのことを話してくれました。
・性教育の授業は男子と女子が別々の教室で分けられ、行われたこと
・授業は数人の先生が交代で行ったこと
・話している授業内容がピンとこなかったところと恥ずかしいところがあったこと
・授業終了後、テストがあったこと

などがわかりました。
僕は隠していたテストのことは一切触れず、冬休みに父親である僕が今一度性教育のことを復習することを上のチビに提案しました。

「冬休みに一度チンチンのことを勉強しよう。」
上のチビは“うん”と頷きました。

どんな性教育の話をするかどうかは現在考え中です。皆さん、何かいい工夫、アイデアがあったら教えて欲しいのですが、今のところ、僕は性器が体の大切な臓器の一つであること、男の子の体に起こる変化、特に夢精に関することは必ず話をしておこうと考えています。



2008年12月22日(月) ダウンしていました

先週の金曜日、僕はいつも更新する日記を休みました。これには理由があります。体調が悪くダウンしていたからです。

先週の木曜日、午前中の診療が終わった頃でした。自宅に戻り昼ごはんを取ろうとすると突如、何となく体に寒さを感じるようになりました。

“あれ、急に外が寒くなってきたかな?”
と思ったのですが、嫁さんに確認したところ、それほど寒くはないとのこと。
“もしかしたら風邪でもひいたかな?”と思いながら昼ごはんを食べていたのですが、寒さは治まるどころかひどくなるばかり。体中が震えるようになりました。それだけではありません。何となく悪寒のようなものも感じ始めたのです。

“これはやばい!”
とは思ったのですが、昼からも診療があります。とりあえず僕は部屋の温度を温め、着込みました。上は長袖下着とタートルネックのセーター、さらにその上からフリースを、下はパッチを穿いてからパンツを着込み、コタツの中に入り込んだのです。そうでもしないと震えが落ち着きませんでした。

「そうさん、どうしたの?」
と驚いた嫁さんに事情を話すと、体温計を持ってきてくれました。そして、体温を測ったところ、38度台の熱。
これまでの経験からすると、明らかに風邪の症状でしたが、それにしてもいつもの風邪であれば何らかの前触れがあります。咽喉が痛いとか体がだるい、痛い、頭痛がする等々。今回は突如何の症状も無くいきなり寒気、悪寒、発熱が生じたのです。これは一体なぜ?とは思ったのですが、それよりも心配だったのは午後の診療でした。果たしてこのような状態で診療できるのか?いつもなら親父がいるのですが、この日に限って用事で外へ出ています。代わりに診療できる人はいません。昼休みの1時間が勝負でした。何とか震えが止まることを望みながら、診療開始ギリギリまでコタツの中で暖を取りました。

幸いなことに、午後の診療開始前には何とか震えや悪寒がましになりました。僕は気合を入れて診療所へ行き、患者さんの治療を行いました。
ただ、本調子ではなかったため、いつもよりも診療リズム、ペースがうまくいかなかったのは事実です。何とか患者さんには迷惑をかけないようにしながら午後の診療は乗り切りました。最後の患者さんの治療を終えるや否や、僕はスタッフに事情を話し、直ちに自宅へ直行、寝室の布団の中へ潜り込みました。体力の限界だったのです。何をする気も起こらず、ひたすら眠くなり寝入ってしまいました。
気がつくと、翌朝でした。気がつくと、あれほど苦しかった全身の震え、悪寒、発熱は無くなっていました。倦怠感は全くなく、空腹さえ感じました。ただ、日記を書く気力はありませんでした。

僕は何とか朝食を取り、診療の準備に取り掛かりました。心配した家族は皆声を掛けてくれましたが、僕は全く問題ないことを伝え、何事も無かったのように診療を始められました。

それにしても、この突然の症状は一体何だろう?愚考するに、インフルエンザの予防注射の影響があるように感じます。数日前、延び延びになっていたインフルエンザの予防注射、ワクチンを接種したのです。予防注射当日、僕は体調に何も問題を感じませんでした。体温も平熱、血圧、脈拍も正常でした。
これまで何度もインフルエンザワクチンを接種してきましたが、接種後、体には何の問題もありませんでした。そのような中での今回、突然の体調の変調。先週、インフルエンザワクチンの紛れ込み事故の話をしたばかりですが、僕自身、今回自分に紛れ込み事故のようなものを考えることはできません。そうすると、可能性として高いのはインフルエンザワクチンによる影響か?。

今後慎重に今回のことを振り返らなければなりませんが、それにしても今回の突如体調不良。非常に気味が悪いですね。



2008年12月18日(木) 赤ペン添削

今から17年前、僕は初めて学会で発表をしました。当時大学院生だった僕は初めての学会発表で心踊りながらも一体どうして準備をすればいいかわからず、試行錯誤でした。やっとのことで口演用の原稿を書き、指導教官の指導を受けたのですが、原稿はほとんど僕の書いた文字が見えないほど見事に赤字で訂正されて返ってきたのです。それは、まるで赤ペン先生の指導か、それ以上の添削でした。僕自身、決して手を抜いたわけでなく一生懸命時間をかけ、何度も見直して書いた原稿だったのですが、指導教官すれば僕の書いた文章は全てにおいて修正が必要だったようです。
以降、何度か書き直し添削を受けて初めての学会発表をしたのですが、今から思うに非常に得がたい体験をしたように思います。何回もの添削によって学会発表用の原稿がどんなものか頭だけでなく、肌で感じることができたからです。学会発表には独特のひな形、形式みたいなものがあり、この形式からはずれると専門家にとって非常に違和を感じるものなのです。指導教官によって真っ赤な文字で訂正された僕の原稿は、学会発表の形式に慣れるような指導、激励だったように思います。

年は過ぎ、現在、僕は地元歯科医師会の後輩の先生の発表の面倒をみる立場となりました。後輩の先生は初めての発表ということで、準備に余念がありませんでした。まるで17年前の僕のようだったのですが、できあがってきた資料を見て僕は考え込んでしまいました。それは、資料のように見えて全く資料としての体裁が整っていない代物だったからです。一体どこから修正すればいいのか?と言いたくなるような資料。僕は一つ一つ細かく添削していきました。まさに一から教えなければいけないような状態だったのです。僕が訂正をしていった挙句、後輩の資料は真っ赤になりました。完全に赤ペン先生です。まさしく、17年前の僕と同じ状況でした。
おそらく後輩の先生はまだ発表がどんなものかわかっていません。無理もありません。初めての発表ですから。後輩の先生は決して手を抜いたわけではないことは重々承知していますが、いかんせん、資料を読んで僕はしっくりとしませんでした。具体的には、資料に流れ、ストーリーがないのです。後輩の先生は思いつくまま資料を作っていったことは確実ですが、このままでは誰にも相手にされないのは明白でした。そこで、僕が訂正をしていったわけですが、結果的には文面が真っ赤となりました。

これは仕方がなかったかもしれませんが、かつての僕のように少しでも自分がどうして訂正されたのかを理解し、次に繋げられるか、向上できるか努力して欲しいと願わずにはいられません。



2008年12月17日(水) 懐が寒くなる12月

「来週になったらサンタさんがプレゼントを持って来てくれるんだ。」
発言の主は僕のチビたち。まだサンタの存在を信じているチビたちは本気でクリスマスにサンタクロースがプレゼントを持ってくることを確信しています。クリスマスが早く来ることを切望するチビたち。
その一方で、お父さんである僕は事前にチビたちがサンタクロースに持ってきてもらいたいプレゼントを聞き出し、某所は買出しに行きました。クリスマスプレゼント用に梱包してもらったプレゼントはクリスマスまでチビたちに気がつかれないように保管しております。

そんなチビたちはクリスマスが終わり一週間後、正月を迎えます。正月といえばお年玉。わずか2週間余りの間にクリスマスプレゼントとお年玉をゲットするチビたち。なんともうらやましい限りですが、お父さんは今から憂うつです。特にお年玉の場合、クリスマスプレゼントとは異なり、自分の子供だけでなく、親戚の子供にもあげなければなりません。一体どれくらいあげればいいのか?想像したくありません。ただ言えることは僕の懐は確実に寂しくなるという事実です。財布の重さが軽いこと。あっという間に財布からお金が飛んでいきます。

個人的に懐が乏しくなる12月ですが、仕事でも何かと出費が多くなります。その一つが忘年会。既に12月に入ってから忘年会が2回ありました。いずれも仕事絡みの忘年会だったのですが、それなりの出費があります。付き合いのためとはいえ、この出費はイタイ。また、開業歯医者にとって最も頭を痛めるのがボーナスです。従業員の人に対し月給のみならずボーナスを加えないといけません。従業員にとっては楽しみなボーナスですが、経営者である歯医者にとっては大変です。一体どうやってやりくりすればいいか?悩みます。
巷では、“無事年を越すことができるだろうか?”という声があがる今日この頃ですが、うちのような弱小零細歯科医院でも本気で考えます。何とか見通しが立てばいいのですが、何時も青息吐息の経営を強いられていると、12月の年越しはいつも非常な精神的プレッシャーがかかります。

何とか経済的に余裕が持てないものか?年末ジャンボ宝くじがかなりの売り上げを示していると伝え聞きますが、宝くじに夢を託す気持ち、僕も心底理解できます。1億円とは欲張りませんが、少しでも高額の資金があればいいのになあと妄想してしまいます。

年末年始の経済的やりくりに四苦八苦状態の、歯医者そうさんです。



2008年12月16日(火) 年賀状送付先を削除できるか?

今年も残るところ後15日となってきました。もういくつ寝るとお正月♪と歌ってもいいような時期になってきました。
この時期、僕にとって、そして、多くの方にとって準備しなければならないことの一つに年賀状書きがあるでしょう。毎年、新年を迎えるに当たって各家庭に届けられる年賀状を楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。僕も年賀状を心待ちにしている一人ではあるのです。
一方で年賀状を書く際、いつも悩むことがあります。それは、毎年年賀状の送付先が増えてくることです。僕自身、年を重ね、様々な人と付き合い、つながりができてきます。縁あって付き合っている方には新年の挨拶である年賀状は必ず送らなくてはいけないだろうと思い、年賀状を作成しています。

最近、僕も年賀状ソフトを使用し、宛先、宛名や図柄などはパソコンとプリンターを使用しています。かつては年賀状は全て手書きで書いていましたが、送付先が多くなるにつれ、時間をかけて手書きすることができなくなりました。そのため、年賀状を作成する際には、パソコンの力を借りて印刷しています。ただし、いくらパソコンを利用して年賀状を作成しても、必ず一言手書きのメッセージを入れてはいます。全てを印刷にしてしまうと非常に味気なく、温かみがないように思うからです。

そんな年賀状ですが、送付先が増えてくるにつれ、いつも悩むのは、果たして例年通りの送付先に年賀状を送付してよいものだろうか?という疑問です。何年も会っていない人で年賀状だけのやり取りをしている方は大勢います。そのような方々に対し、これまでどおり年賀状を送り続けていいのだろうか?と思います。中には年賀状を送付するリストから削除しても差支えがないのではないかと思う方もいるのです。

以前、このことをある先輩に相談したところ、年賀状を送付するだけでも関係は続く。その関係がいつ何時どういった場所で生きてくるかわからない。そう簡単に年賀状の送付しなくなるのは非常にもったいない。ということをアドバイスされました。その先輩の言うことには説得力がありました。せっかく気づきあげてきた関係を自ら放棄するようなことにつながる年賀状送付先の削除は避けた方がいいだろうなあと思ったものです。

ただ、年々年賀状の送付先が増えてくると、果たして年賀状の送付先を増えるがままにしておいていいのだろうかとも思うのです。一年の終わりに自動的に年賀状を送ることが果たして人間関係の継続に役に立つのだろうかと。少なくとも、自分にとってどう考えても関係が薄い人の場合は、削除してもいいのではないかと思うようになったのです。

ただし、自ら送付先を絞りこむ場合には、年賀状には今回が最後の年賀状であることを書いたメッセージを入れておかなくてはならないとも思います。相手に失礼にならないようなメッセージを一言書き、許しを得るような形で年賀状を送ってからでないとだめではないかと。突然年賀状を送付しなくなるのは相手に対して失礼だろうと思います。

これは難しいことだろうと思います。いざ送付先を削除しようとしてもなかなか踏ん切りがつきません。送付先の相手に対し、今後年賀状を送ることを遠慮するメッセージを書くくらいなら、書いてしまった方が手っ取り早いかもしれませんね。

今回の年賀状、僕は年賀状送付先を削除することなく年賀状を送ることになりそうです。



2008年12月15日(月) 性質の悪い歯周病

国民の8割以上が罹っている言われる歯周病。かつて歯槽膿漏と言われていた歯周病ですが、これほど多くの人が罹っているということは、非常に深刻な健康問題であることは間違いありません。それにも関わらず一向に減少傾向が見られないのは多くの人に自覚症状が無く、ある程度病気が進行しないと事の重大さに気がつかないせいかもしれません。歯周病はsilent disease、静かに進行する病と言われる所以です。

歯周病は原因がほぼ特定されています。それは、口の中のばい菌の塊である歯垢、プラークです。歯垢には1ミリグラムあたり1億個のばい菌がいるのです。たった1ミリグラムに日本の総人口にあたるばい菌がいるわけです。想像を絶する量のばい菌が口の中にいることがおわかりいただけると思います。このばい菌の中の何種類かのばい菌が歯周病を起こすだろうということがわかってきました。ただ、完全に歯周病菌を特定するには至っていません。言えることは、これら歯周病菌を含んだばい菌の集団、歯垢が存在することで歯周病が進行することは明らかです。歯磨きをするということは、これら無数のばい菌の数を定期的に減少させることにつながります。歯周病はばい菌の数が減れば減るほどかかりにくくなるのです。

それでは、実際に歯を磨いているにも関わらずどうして国民の8割以上が歯周病なのか?やはり磨いているという実感と実際に歯垢が取り除かれている客観的な事実との間に相当差があるからでしょう。僕も何人もの患者さんを診てきましたが、実際に歯を適切に磨き歯垢を取り除くことができている患者さんは非常に少ないのが現状です。単に自己流の歯磨きではなく、定期的に専門家による歯磨指導とチェックが必要だろうなあと強く思う今日この頃です。

ところで、歯周病の中には思わず“えっ!”と言いたくなるような歯周病があります。通常、歯周病は非常にゆっくりと進みます。また、限局的なものもあるものです。そのため、歯周病の患者さんの多くは30歳代以降の方が多いものです。(歯周病の一種である歯肉炎と呼ばれるものは、もっと早い年齢から多く見られます。既に小学生から見られる場合が多いですね。)
ところが、年齢が若いにも関わらず全ての歯で歯周病が非常に進行しているケースがあります。以前は若年性歯周炎、現在では侵襲性歯周炎と呼ばれるタイプの歯周病です。放置していれば高齢にならないうちに全ての歯が脱落してしまうだろうと思われる歯周病。これは特定の歯周病菌によることが言われています。そして、遺伝性といいますか家族性の歯周病でもあります。すなわち、親が侵襲性歯周炎であれば子供も侵襲性歯周炎である可能性が非常に高いのです。

この非常に性質の悪い侵襲性歯周炎に関してですが、治療法はやはり適切な歯磨きの実践であることは言うまでもありませんが、それ以外に通常の歯周病の治療よりもより綿密に定期的な歯医者による徹底的な管理が必要だといえるでしょう。患者さんだけで歯磨きをしていても病気の急速な進行を抑えることができないケースが多いのが侵襲性歯周炎の特徴です。

侵襲性歯周炎に罹っている人は非常にアンラッキーだと思います。かつては若い頃に全ての歯を抜歯し、総入れ歯になっていたケースも多かったはずです。現在では、少しでも歯を長持ちさせようといくつかの治療法が行われていますが、専門家である歯医者や歯科衛生士とともに一生付き合っていかないといけない歯周病であることは間違いありません。



2008年12月12日(金) 歯科用品にもバーゲンセールがある

歯科治療で用いる器具は多種多様ですが、どの器具にも共通して言えることがあります。それは消耗品であるということです。耐久性には差がありますが、どの器具も交換したり、買い換えなければならない宿命があります。これは日常品でもいえることですが、歯科治療で用いる器具の場合、多くの器具が安くはありません。歯科専用で用いる器具の場合、日常生活品と同じように大量生産することがないわけですから、自ずと単価が高くなるのです。これら器具の維持、管理には相当な経費がかかるわけで、安ければ安いほどいいわけです。その一方、安かろう悪かろうでは許されません。患者さんに用いる治療器具ですから、それなりの品質、安全性が確保されなければ意味がありません。

どのようにすれば一定の品質、安全性を確保した治療器具を安く購入できるか?
これから衣料品などは冬のバーゲンセールを迎えますが、歯科で用いる治療器具には特定の時期に安売りをすることがあります。例えば、メーカーの在庫処分の時期とか、顧客に対して感謝セール、季節限定のバーゲンのようなことがあるのです。歯科器具にもこうしたバーゲンセールがあるのです。歯科器具を販売しているメーカーは歯科器具が高い買物であることをよく知っています。定価ではなかなか売れないことも承知しています。そのため、定期的に単価を安くすることにより少しでも多くの量を歯医者に購入してもらい、利益をあげようと考えているものなのです。

歯科医院には必ず歯科器具、材料などの注文を取りにくる歯科材料店の担当者がいます。その担当者は治療器具のバーゲンになれば必ずパンフレットなどを持ち込み、安売りの時期があることを知らせてくれます。先日、うちの歯科医院にも出入りしている歯科材料店の担当者がある器具の期間限定バーゲン品の告知を記したパンフレットを持ってきてくれました。僕は早速このパンフレットに目を通し、歯科器具の在庫の状態と使用状況を確認しながら、どれくらい購入できるか検討し、注文を出すことにしました。
こうした告知は歯科医院を経営する歯医者にとって非常に助かるものです。決して安くはない治療器具を如何に品質、安全性を落とさず安く購入するかいつも悩んでいるものですからね。



2008年12月11日(木) 口内炎は歯医者で治しましょう!

数日前、僕の下唇の粘膜には口内炎ができました。下唇に何か痛みのようなものを感じるなあと思い、鏡で確かめてみると直径0.3センチ程度の口内炎があったのです。僕は直ちに口内炎用の軟膏を患部に塗布しました。今朝の時点では口内炎はあるものの大きさは半分程度にまでなりました。舌で口内炎を触っても違和感はなく、ほぼ気にならない状態にまでなってきました。

口内炎はほとんどの人が苦しんだ経験があるのではないかと思います。ある時突然、口の中が荒れたような状態になり痛みを感じる。口の中がただれているような熱さを感じるような症状が出るものです。どうすればいいのかわからずそのまま放置している人も少なくないように思います。
口内炎に関してはいろいろと研究があるようですが、本当の原因はわかっていません。体調や免疫のバランスの崩れ、栄養状態の問題等々言われていますが、口内炎発症のメカニズムは見つかっていないのが現状です。そのため、口内炎の治療は基本的には症状が出現してからの対症療法です。
具体的にはある種のステロイド入り軟膏を塗布することが治療法となります。口内炎は口の中の粘膜が炎症を起こし、粘膜の上皮の一部が欠けている状態です。軟膏を塗布すれば、炎症を抑え、欠けている粘膜の一部を保護することができます。そのことで症状を抑え、口内炎の治りを早くさせるのです。
一方、口内炎の中には特定のばい菌によるものがあります。カビの一種であるカンジダ菌やある種のウィルスによるものです。これらは通常のステロイド入り軟膏では効果が少なく、特定の軟膏や場合によっては飲み薬を飲まないといけない場合があります。

口内炎は放置していても最終的には治るものですが、治るまでの間、非常な違和感を覚えます。たかが小さな口の中の口内炎でも痛みを伴ったものは非常に気になるもの。適切な処置を行えば、こういった苦しみからは少しでも早く解放されるものなのです。口内炎ができれば、直ちに歯医者に駆け込み専用の軟膏を処方してもらった方が得策だといえるでしょう。



2008年12月10日(水) 親知らずは抜歯すべきか?

「先生、私の親知らずは抜いた方がいいのでしょうか?」
先日、口全体のレントゲン検査をした際、ある患者さんが僕に問いかけてきた質問です。この患者さんは中年の男性だったのですが、レントゲン写真には、右下奥に横向きに埋まっている親知らずが写っていたのです。これまで全く症状もなかった親知らず。患者さん自身もレントゲン写真を撮影するまで親知らずの存在すら自覚していなかったくらいです。

親知らずの抜歯に関しては、専門家である歯医者の間でも未だに議論があります。積極的に抜歯した方がいいという意見と痛みや炎症といった症状が出なければそのまま経過をみていった方がいいという意見があります。僕の個人的な意見は後者の方です。ただし、将来的なことを考えると抜歯しておいた方がいいのかなと思うこともしばしばです。なぜなら、歯は年齢を重ねれば重ねるほど抜歯しにくくなるからです。

一見すると、一度生えた永久歯は形が変わらないように見えます。ところが、実際は微妙に歯の形は変わってくるものです。特に、普段目にすることはない歯の根っこの部分は年齢を重ねるほど変化してきます。例えば、根っこの先が太くなったり、釣り針のように尖ってきたりします。また、顎の骨とも癒着することもあるのです。これら根っこの状態の変化は、体にとって何も問題はないのですが、歯を抜くことに関しては大きな問題です。歯医者が抜歯をする際、簡単に歯を抜けない要因になるからです。
特に親知らずの場合、一番奥に存在しているわけです。口という非常に狭い空間の中の一番奥に位置する親知らず。歯医者が手を入れるにも入れにくく、操作しにくい場所にあります。しかも、奥にあるということから視野が限られてくる。そのような状況の中、親知らずが骨の中に埋まっていたり、根っこが太かったり尖っていたりしていると、歯医者は非常に抜歯しにくい状況にあるのです。親知らずの抜歯に時間がかかる理由がここにあります。

一般の開業歯科医であれば、限られた診療時間内で親知らずを抜歯しようとしても、技術的に困難な場合があります。そのため、多くの開業歯科医では親知らずの抜歯に関して、歯科口腔外科の専門医へ紹介し、抜歯してもらう場合が多いのです。

歯科口腔外科の専門医であれば毎日のように親知らずを抜歯していますので手早く抜歯できるでしょうが、それでも時には抜歯に手間取る場合もあります。よく歯科口腔外科医が口にする言葉に“歯科口腔外科は抜歯に始まり抜歯に終わる”という言葉がありますが、これは抜歯が簡単そうに見えて奥が深い手術であることを物語った非常に含蓄のある言葉なのです。



2008年12月09日(火) 新しい製品は使用しないとわからない

歯科治療では様々な器具、材料を用いて治療を行います。歯医者はこれらを取捨選択して用いるわけですが、器具、材料は多種多彩あり、いくつものメーカーが存在します。各社とも自社製品の開発にそれなりの投資をし、PRしています。

先日、某所で歯科治療用の器具、材料の展示、販売を目的とした催しがあり、僕も参加してきました。広大な展示場の中に200社以上の歯科関連企業が出店しており、1日で全てを見るのは難しいくらいの状態でした。いくつかの材料に注目していた僕は、担当者の説明を求め、情報を集めてきました。疑問に思っていたこと、知りたかった情報を得ることができ非常に有意義な催しであったのですが、その一方で、これまで感じていたある思いを一層強く持ちました。それは、新しく開発された器具、材料は実際に使用してみないとわからないということです。

このようなことを書くと患者さんは非常に不安を感じるかもしれません。自分が人体実験にされているかのように思われるかもしれません。
実際のところ、各社は製品を開発するに当たり、人に使用するに際し、何度も実験を加えています。研究室での実験から実際に販売する前にはいくつかの歯科大学、大学歯学部や懇意にしている歯科医院でも実験、検証をしてもらい、問題がないことを確かめてから製品として売り出しています。
ただ、実際の口の中は予想もしないことが起こりえます。一人一人の口の中の状態は、一人一人の顔が異なるのと同様、全く同じものがありません。そのため、慎重に開発してきた製品を用いた結果がどのようになるか予想がつかないところがあるのです。
この点、薬とよく似ています。薬は、多額の費用を投資し、何年も研究を重ね、厚生労働省による厳しい審査を受け、認可を受けたものが使われます。ところが、薬には必ず副作用があります。これは薬の宿命みたいなものです。全ての人に使用できるように慎重に開発された薬でも思わぬ副作用が出現するものなのです。

それでも僕は新しい製品には期待します。なぜなら、従来の製品の中に完璧だと思うものがないからです。使用しているうちに不都合なことやもっと改善すべきことがあるものなのです。そんな不完全な製品を患者さんに使用しているのか!とお叱りを受けるかもしれません。この点は申し訳なく思うのですが、この理由も上記と同じです。患者さんごとに異なる千差万別の口全てに合致した製品が未だに存在しないのが現状だからです。
歯科器具、材料メーカーは少しでも全ての患者さんに使うことができる製品を日々開発しています。少しずつではありますが、その目標に近づいているようには思いますが、なかなか完璧なレベルに達するには時間がかかります。歯医者は常に少しでも患者さんにとってメリットのある、どんな患者さんにでも完璧に使用することができる歯科製品を求めながら、今の時点で最良と思われるものを使用しているのです。



2008年12月08日(月) 予防接種と抜歯について

先週末から寒波が襲来し、当地でも非常に寒くなりました。底冷えとも言えるような寒さです。既に今年も残り20日余りの年の瀬。冬本番になってきたといえるでしょう。

冬といえば、どうしても避けられないのがインフルエンザでしょう。今年も全国各地でインフルエンザが流行し始めているようですが、歯医者にとって非常に厄介な問題です。何せ毎日患者さんの口の中を治療しているわけです。毎日患者さんの口と接していると患者さんの息と常に向き合わざるをえません。ということは、患者さんが風邪をひいていれば風邪が移る可能性が高いということです。患者さんがインフルエンザに感染していればインフルエンザが伝染する可能性も高いということです。これは歯医者としての宿命でもあるわけですが、少しでもインフルエンザに感染しても問題のないようにワクチンを接種する必要があります。僕も今週中に某医療機関でインフルエンザワクチンを接種する予定です。
おそらく、歯医者でなくてもインフルエンザワクチンを接種する人が少なくないのではないでしょうか。昨今、鳥インフルエンザが突然変異し、新型インフルエンザの流行が危惧されています。以前よりもインフルエンザに対する人々の関心は高まっています。現在のインフルエンザワクチンが新型インフルエンザに効果があるかどうかはわかりませんが、少なくとも特定のインフルエンザに対してワクチンの効果があるのは事実です。特に、体力的に問題がある子供や高齢者にはインフルエンザワクチンの接種は非常に大切なことではないかと思います。

ところで、このインフルエンザを含めたワクチン接種、予防接種に関してですが、厚生労働省のホームページを見ていると、このようなことが掲載されていました。

予防接種ガイドライン 第4予防接種の実施 4一般的注意

抜歯,扁摘手術,ヘルニア手術等,緊急性のない場合には,予防接種後1カ月間は,紛れ込み事故を考慮に入れ,原則として避けることが望ましい。しかし,緊急性の高い手術,周囲に流行する病気の状況によっては必ずしもこの限りではない。


このガイドラインの中にある“紛れ込み事故”という聞き慣れない言葉があります。これは、予防接種後にワクチンの副作用とは関係ない健康被害のことを指します。例えば、予防接種後にたまたま風邪や気管支炎になり、発熱やけいれんが起こった場合がこれに相当します。
実際のところ、予防接種後の健康被害がワクチンと関係がある副作用なのか、そうでないのか探ることは不可能のようです。予防接種後に他の病気にかかってはいないと判断できる場合は、ワクチンによる副作用だといえますが、実際には自然科学的に証明することは極めて困難です。

話をもとに戻しまして、厚生労働省のホームページで記載のあった

抜歯,扁摘手術,ヘルニア手術等,緊急性のない場合には,予防接種後1カ月間は,紛れ込み事故を考慮に入れ,原則として避けることが望ましい。しかし,緊急性の高い手術,周囲に流行する病気の状況によっては必ずしもこの限りではない

ですが、予防接種後1ヶ月間は、抜歯などの手術を行う場合、もし健康被害が生じれば予防接種が原因か、抜歯が原因か特定することが難しい。予防接種後1ヶ月以上経過すれば、何かの病気に罹った場合、予防接種の副作用とは考え難いため、予防接種のことを考慮することなく処置を行うことができるということです。すなわち、治療をする側にとって予防接種によるリスクを考えなくて済むようにした方がいいということなのです。

以下、僕の私見を書きます。
正直言って、僕もこのガイドラインには疑問を感じます。抜歯などの処置を予防接種1ヶ月は原則避けることが望ましいということですが、何を根拠に1ヶ月避けなければいいのかわかりません。抜歯と予防接種との関係について、僕の知人の歯科口腔外科専門家に問い合わせしてみましたが、異口同音に一ヶ月という根拠がわからないと言っておりました。1週間程度であれば、経験上理解できるのですが、1ヶ月となるとかなりの長期間です。厚生労働省が公開しているホームページでの記載ですからそれなりの証拠があるはずですが、これが非常に曖昧です。

ただ、厚生労働省のホームページという公の場でガイドラインが公開されているという事実は非常に重要です。これを無視して抜歯などの処置を行うことはできません。歯医者は厚生労働省のガイドラインに則り、予防接種によって生じる副作用と治療によって得られるメリットを考え、どちらを優先するべきか判断しながら処置を行わないといけないでしょう。少しでも早く抜歯をせざるをえないようなぐらぐらの歯の状態であれば、これは予防接種直後であったとしても抜歯によって得られるメリットが大きいはずですから抜歯をする可能性が高いのではないでしょうか。これは、厚生労働省のホームページの記載にある緊急性の高い手術に合致するはずです。
逆に抜歯を遅らせても問題の無いような場合であれば、予防接種後1ヶ月を基準に抜歯予定をずらさないといけないかもしれません。これらは、予防接種後の時間経過のみならず、患者さんの健康状態、口の中の症状、仕事や家庭環境等を考慮しながら行うことで、何も予防接種をしているから行う特別なことではありません。要は、患者さんが予防接種をしているという情報を事前に察知した上で、臨機応変に対処すればいいのではないかと思うのです。

歯医者を受診する予定のある方は、歯の治療を受ける際、事前に担当医に自分が予防接種を受けたことを伝えて欲しいと思います。また、事前に予防接種をするなら、歯の治療との関係で事前に担当医と相談して下さい。予防接種をしたことを黙っていて、歯の治療を受けることだけは避けて欲しいですね。



2008年12月05日(金) 陛下、働き過ぎです!

昨今、アメリカの金融危機を発端とした不景気のせいか、各企業では派遣社員の契約打ち切りが発表されたり、既に実行されているようです。突然のリストラで戸惑う派遣社員も多いようで、マスコミでそのような方たちのインタビューが報じられています。非常に心が痛みます。不景気だからといって在庫調整にように簡単に派遣社員の契約を打ち切る企業というのは如何なものでしょうか?企業には企業の事情があるとは思いますが、派遣社員もヒトです。皆生活がかかっています。もっと思いやりのあることはできないのかと思います。

その一方で、仕事はあるものの過労の方もたくさんいます。特にリストラが進む企業では残された人にのしかかる仕事は増えていくばかり。残業代もままならない状態の中、朝早くから夜遅くまで必死に働く人たちも少なくありません。生活の心配はないかもしれませんが、自らの体を犠牲にしているようなところもあり、これも非常に大きな社会問題となりつつあります。

過労といえば、新聞には総理大臣の一日のスケジュールが記載されています。僕も時折見ているのですが、一国の最高権力者としての義務と責任の結果ではあるのですが、それにしても朝早くから夜遅くまで分刻みのスケジュールです。これも相当の体力がないとやっていけない仕事だなあと感じます。

先日、天皇陛下が体調を不安を訴え、急遽公務をキャンセルしたというニュースが流れていました。何でも不整脈が生じ、高血圧を伴っていたことから休養が必要と判断され、公務がキャンセルされたようです。天皇陛下の公務はどのようなスケジュールなのだろうか?疑問に感じた僕は宮内庁のホームページに掲載されている天皇陛下の公務スケジュールを見てみました。

正直言って、天皇陛下は働き過ぎです。今月23日には満75歳になられる天皇陛下です。下々の者であれば既に第一線を退き、悠々自適の生活をしても良い高齢です。中には体調を崩し、病気療養や介護を受けざるをえない方も少なくない年齢。そんな高齢の天皇陛下の公務スケジュールは多忙極めると言っても過言ではないでしょう。年齢のことを考えれば、今回の天皇陛下の体調不良は、過労による影響が強いと考えます。
天皇陛下まで過労であるということは、ある意味、現在の日本の状況を表しているとも言えるかもしれませんが、宮内庁はもっと天皇陛下の体力、体調を考えた公務計画を立てる必要があるのではないかと感じた次第です。



2008年12月04日(木) KYな書き込みに苦慮する

僕がインターネットを始めて10年以上が経過しようとしていますが、これまで多くの個人サイトを訪れました。今でも毎日のように訪れるサイトもありますし、定期的に目を通すサイトも多々あります。個人サイトの中には掲示板やコメント欄があり、僕も読むことがあるのですが、気の利いたコメント、ユーモアのある書き込みがあると思えば、中には場の雰囲気にそぐわない、今風に書けば、空気の読めない、KYなものを目にすることがあります。単発のコメントならばいざしらず、中には書き込むコメントが常にKYである人がいるのです。

しかも、たちが悪いのは、KYなコメントを連発する人は自分自身がKYなコメントを書いていることを自覚していない場合が多いことです。どうしていつもそんなに外れたコメントをしているの?と突っ込みたくなるような内容なのです。

管理人からすれば自分のサイトに来てくれる常連のような方の場合、無下に扱うことができません。そのため、そのようなコメントに対し、管理人のレスは非常に気を遣ってコメントしています。管理人の方は大変だなあと思うことしばしばですが、その苦労を知ってか知らずか、おそらく気がつかないままKYなコメントをし続けているのは、側で見ていると呆れて物が言えなくなります。

この手のKYなコメントを連発する人をどう扱うか?かつて、日記書き仲間の呑み会で話題になったのですが、なかなか良い結論は得られませんでした。ある日記書き友達は、
「無視するに限る」と言いました。

「コメントのレスを書いているとKYなコメントを書き続けるので、レスをしなくした」
「コメント欄やBBSを閉鎖し、メールのみにした」
などと答えてくれた友人がいました。中には自分のサイトそのものを休止したり、閉鎖してしまった友人もいたくらいです。それくらい、日記書きの友人は対応に苦慮していました。

ちなみに僕の場合ですが、この“歯医者さんの一服”でも掲示板がありますが、幸い、空気の読めない方によるコメント、レスなどはありませんでした。サイト管理人にとって非常に有難い、賢明な読者ばかりで感謝しております。



2008年12月03日(水) 本格的モバイルパソコンデビュー

以前、僕は5万円パソコンを購入した話を書きました。あれから2ヶ月余り、このパソコンは結構重宝しています。某専門学校の講義では無線マウスとレーザーポインターを使用しながら講義をすることができましたし、地元歯科医師会主催の講演会でも使用できました。また、僕が個人的に参加している勉強会でもプレゼンテーション用に用いることができました。わずか2ヶ月半余りではありますが、コストパフォーマンスが高いパソコンではなかったかと思います。

この5万円パソコンですが、先日、某学会に参加の際、持参しました。モバイルパソコンとして本格的なデビューを飾ったわけです。僕にとって遠方でのモバイルパソコン初体験といったところでしょうか。泊りがけだった学会に初めてパソコンを持ち込んだのです。決め手はパソコンの重量でした、わずか1キロ程度の軽さでしたから、手荷物として持ち歩いていても気にならないのではないかと思ったのです。
実際のところは、わずか1キロとはいえ若干重さを感じました。ACアダプターも一緒に持っていたせいもあったかもしれませんが、何時間も持ち歩いていると微妙に手に重さを感じるのです。パソコンは非常に繊細な道具です。重たいからといってどこかに預けるなんてことはなかなかできません。非常にコンパクトであるパソコンであるが故、持ち運んでいるバッグを粗雑に扱っては故障の原因ともなります。そのため、常に携帯しながら持ち運んでいたのです。

ただ、気に入ったのはホテルに着いてからでした。最近のホテルは部屋の中までLAN回線がつながっている場合が多いもの。僕が宿泊したホテルもLAN回線があり、付属していた回線ケーブルに5万円パソコンをつなげると、直ぐにインターネットができたのは非常に便利でした。
インターネットはLAN回線に接続しただけで直ぐに楽しむことができました。非常に回線スピードが早く、快適でした。
僕が住んでいる地区は未だに光回線の接続サービス範囲外であり、ADSLも電話局の局舎からの距離が遠いためつながりません。現在は、かろうじて某携帯電話のハイスピード対応の無線でインターネットを接続していますが、それでも回線速度は下りで1〜2Mb程度しかないのです。今回宿泊したホテルでの回線速度を計測したところ、70Mbありました。完全に光回線の速度です。普段、光回線のインターネットが楽しめないだけに、しばし高速インターネットを堪能しました。こうしたことができたのも5万円パソコンのおかげだと感じた次第。

この5万円パソコン、本日も某所の勉強会で使用する予定です。既にデータファイルをこのパソコンのハードディスクに記憶させ、無事試写も完了済みです。
僕にとってこの5万円パソコンは必要不可欠な活動ツールの一つとなっている今日この頃です。



2008年12月02日(火) 汗をかかないと信頼されない

先日、母校の大学の後輩から電話がかかってきました。電話の内容は相談でした。何でも現在後輩が勤務している勤務先の上司である院長先生と折り合いが合わないというのです。一体どういうことか?いろいろと話を聞いてみると、どうもいつまで経っても自分を信用してくれず、何かにつけて小言を言われるというのです。大学を卒業して間もない頃であればいざしらず、既に何年も経過している自分に対して細かい指導が入ってくるとのこと。非常にうっとおしく感じるそうで、そろそろ、勤務先を変えた方がいいのか?それとも、思い切って開業をした方がいいのか考えている。先輩の意見を聞きたいという電話だったのです。

かつて僕も大学院時代、研修医時代の上司の先生と合わず苦労をしたことがあります。後輩と同じような悩みを持ち、仕事に身が入らないことが何度もありました。後輩の心情は非常に理解することができました。後輩には、上司からどういった小言を言われているのか尋ねました。

いくつかの小言の具体例を聞いた僕は、あることを後輩に尋ねました。それは、どうして後輩がいつまで経っても独り立ちさせてもらえないのか?考えたことがあるのかどうかと。自分が被害者のように思っているかもしれないけれども、果たして客観的にみてそれは正しいのか?上司との性格の不一致やパワハラなどが理由であれば、職場を変えたり、独立するという選択肢もあるが、本当に自分に非はないのか?一度頭を冷やして考えてみたらどうかと言ったのです。

人の信頼を得ようと思えば、誰よりも地道な仕事、評価に値しないような仕事でも黙々とやり続けなければならないものです。いわゆる、汗をかかないといけない時期が必要なのです。汗をかいている時期は、自分がこんなことをしていていいのか?自問自答することもあるかもしれません。けれども、僕の経験では、そして、多くの人が指摘しているとは思いますが、汗をかいている人は、その人が感じていない場所から見ている人がいるものです。気がついていないフリをしながら、しっかりと見ている人がいるもの。

“あいつはしっかりと一つ一つ仕事をしている”“目立たない場所で汗をかいている”

直ぐに結果は出ないかもしれません。けれども、時間の経過とともに汗をかき続けると、周囲から次第に信頼を勝ち取り、仕事を任されることにつながるのではないかと思うのです。

世の中には僕の後輩と同じような悩みを持っている人が多いと思います。全ての人が当てはまるわけではありませんが、いつまで経っても信頼されない裏には、何か理由がある。本当に上の人の立場にたって考えれば、汗をかいているかどうか?
僕は後輩に汗をかいているかどうか?もう一度冷静に考えることをアドバイスしました。そして、汗をかいていなければどうしたら汗をかけるのか?考えるだけでなく実行することを諭したのです。
果たして僕のアドバイスが後輩に届いたかどうかわかりません。必ずしも後輩が期待していたアドバイスではなかったかもしれません。厳しい口調でいいましたので、後輩は気分を害したかもしれませんが、どうか僕の本当の思いが彼に届き、少しでも前向きに、今の仕事の状況が改善されるよう、願って止みません。



2008年12月01日(月) 追い込まれないとしない人

今週の水曜日、僕は某所で歯科に関する勉強会で講師を務めることになっています。依頼されたのは1ヶ月以上前のこと。突然の申し出で戸惑いもありましたが、某所の方の熱心な口説き文句のせいもあり、引き受けることにしたのですが・・・。

まだ準備ができていません。昨日の日曜日は必死に準備をしていたのですが、準備をし始めるのが遅かったせいで準備が整っていないのです。
本来ならもっと早くに準備をし始めるべきでした。少しだけ言い訳させてもらうと、日常の診療はともかく、何かと所用があり、それを少しずつこなすので必死な日々が続いていました。そのため、なかなか準備に取り掛かれなかった事情はありました。ただ、勉強会の日取りは予め決まっていたのです。それも某所の担当者と僕とが相談の上で決めてのこと。僕が事前に了承したわけですから、一度引き受けた日取りは簡単に変更することができません。
なぜこのようなことになったのか?言い訳を抜きにすると、その原因は僕がスロースターターであるからです。何せ日程に余裕がある時にはエンジンがかからず、日程が迫ってこないと準備をしださない性質だからです。
正直言って、いつも後悔しています。何か約束事や課題がある際、どうしてもっと日程に余裕を持って準備はしないかと。精神的に余裕を持ちながら準備をすれば、完成度の高い準備ができるのではないかと思うのですが、それができないのが己の悲しい性です。

僕が好きな作家の一人に池波正太郎がいます。この方は、一度も依頼された原稿の提出を遅らせたことがなかったのだとか。しかも、期日には余裕をもって出来上がっていたとのこと。池波正太郎曰く
「いつも原稿の締め切り日から逆算し、どうすれば原稿ができるか考えながら書いていた。」

うらやましいです。常に余裕を持つためには常に出来上がりから逆算し、いつ何をすべきか考え、実行できる。僕もいつの日かこのような習慣を身につけたいのですが、そうはいっても直前に迫った勉強会の日程は刻一刻と迫ってきます。

さて、今日も診療の合間と診療終了後に追い込みの準備をしていくことにしますか!


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