My life as a cat
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2005年10月30日(日) さよならラッシュ

パース仲間と銀座で再会。お互いに"服装が日本人らしくキレイになってきた"と褒めあい?ながら居酒屋へ。みんな日々の労働にいっぱいいっぱいでめっきりお酒が弱くなっている。このメンバーで顔を合わせればしている話とは"パースで日本人が成功する小さなビジネス"。案だけはつきないがそのうち現実味のあるものはほんの1割くらい。そして今日はわたしが素晴らしくいいアイディアだと思っていたアロマセラピーは一発で撃沈された。「オージーはそんなに敏感じゃないから。まずストレスたまらなそうだし、たまったら酒飲んで治しちゃえっって感じじゃん」。確かにそんな雰囲気ではある。友達は「あなたはパン屋さんになれば絶対儲かるよ!」と言う。確かに日本のパン屋さんのようなふわっとしたパンや惣菜パンはあちらにはあまりない。

それにしてもこんな風にあれこれと枠にとらわれずに思いついたビジネスを案外簡単に実行できてしまうのがパースの良さである。わたしが一度マーティンに「ベジタリアンカフェをやりたいけど資金がなぁ、、、」と言ったら「Kings St. Cafe(月ごとにメニューが変わるカフェ)で毎月オリジナルベジディッシュを1つ作らせてくれるように頼んでみれば?」と普通に言われた。日本人ならばそんな簡単に行くの?と思ってしまうところだが、パースだったら案外あっさりOKが出そうなアイディアである。

わたしの未来はどこにあるのだろう。今回はほぼ「移住」のつもりでオーストラリア行きを決めた。それでもまだまだ帰る場所のない不安定な旅の途中のようにたまに眩しくて、たまに心細い。

すっかり冷え込んだ銀座の路地でハグをして別れた。わたしにはオージーのように頻繁にハグをする習慣がないから少し別れが長くなる時にだけ交わした一つ一つのハグの切なさを覚えている。今回のハグも大事に宝箱にしまうような気持ちで踵を返して家路に着いた。


2005年10月28日(金) 朝の幸せ

きりりとした朝の冷え込みが気持ちいい。職場まで駅から外に出ずに着くのにそんなことを感じられるのは、最近の朝の日課でトコトコとビルに吸い込まれていく無表情な人々の波に逆らって明治製菓のビルまでホットチョコレートを買いに行くから。100% Chocolate Cafeという名前通りカカオが濃厚で甘さは控えめ。365日のチョコレートといって毎日違う小さなチョコレートを一欠けらつけてくれる。それを口に放り込んでカップを手にまたトコトコと今度は人波に沿って歩く。ほんの数分の散歩だけれど1日のうちで1番リラックスできる時間。











2005年10月27日(木) 会社宗教

事業部の数少ない女の子達が口を揃えてこの事業部の男性とは付き合いたくないと言う。見た目もいいし、ノリもいいし、真面目に働くし、お金持ちなのにもかかわらず嫌だという。それはやっぱり彼らの軽いところや、不誠実なところ、調子のいいところをきちんと見抜いているからだろう。そういっても200人もいるんだから1人くらいはまともな人がいるでしょう?という話になる。確かにいる。けれどこのままここで働き続けるとなれば相当強い精神力の持ち主でなければ同化してしまうだろうから先は明るくない。

入社2年目くらいまでの人にはまだ個性がある。きっと彼らなりに目上の人の意見に賛成しないところもあるだろう。それなのにこの縦社会では彼らには発言権は与えられない。発言したければ人より強くなるしかない。けれどそうなるまでにはそれなりの時間がかかる。頂上に登りつめるまでに時間がかかりすぎてしまうがゆえにそこに辿り着いた時には言いたかったことを忘れているのではないか?

わたしの目の前に座っている新人の男の子は毎日指導員の男性につきっきりであれこれと仕事を教わっている。この新人の男の子は今は至って普通の常識的な人間であるけれど、この指導員のほうは支離滅裂で軽薄な人間である。それでも新人は少し首を傾げながらも「きっとこれが社会の常識なのだ」と支離滅裂な指導員に着いていく。そして彼が指導員になったらまた同じことを教えて引き継がれていくのかもしれない。

日本の会社では同じ会社の人同士が似すぎていると思う。縦社会であることや労働時間が長いこと、転職が頻繁にされないことから自然とそうなってしまう。日本の会社とはある意味一種の宗教のようだと思う。だからこの宗教が気に入らないと思ってしまったらその信者はみんな嫌なのだ。女の子は転職を繰り返している派遣社員が多いからか、みんなこの宗教を信仰していない。


2005年10月20日(木) 動物の声

夕飯を食べているとミュンミュンがなきはじめた。おなかが空いたのかと思ってエサをあげたのだけれど食べずに、足元でわたしの顔を見上げてなき続けている。猫は気まぐれだけれど、あまりにもなき続けているので、どうしたの?と席を立つと、スタスタとドアのほうに歩いていくので着いていった。そしてそこまで行って気付いた。ドアの向こうでミュンミュンの娘のリンちゃんがか細くないていた。ミュンミュンはリンちゃんのためにドアを開けてほしくてなき続けていたのだ。ドアを開けるとリンちゃんが入ってきて、2匹でガツガツと夕飯を食べ始めた。

すごい。猫のような小さな動物にだって人間に伝えたいことがあって必死に声を発する。だから動物の声には耳を澄ましてあげなければいけない。ほんのちょっと胸が熱くなる出来事だった。


2005年10月19日(水) 合理性より情

先日職場での飲み会があり、大勢が参加した。自由参加だから参加したい人だけが参加すればいいし、帰りたくなったら帰ればいい。わたしはそう思っている。けれど厳しい日本の会社でしつけられた同僚は2次会が行われたお店の外で「もう帰りたいな」とつぶやいていた新人の男の子2人を「社会人としてそれくらいつきあえなくてどうするの?」と叱ったという。新人のうちに嫌な事から逃げることばかり覚えさせたらよくないという。そんな彼女が初めて働いたという会社の話は凄まじい。新人は誰よりも早く出社しなければならない。そして何でもやらされる。毎日終電は当たり前。上司が帰っていいというまでは帰れない。「男女平等」をうたって男性と同じ仕事をさせてもらえるまではよかったけれど、力仕事も同等にやらされる(わたしはこういった体の構造的に差が出る部分での男女平等は意味を履き違えていると思うのだけれど)。彼女はそれが普通だと思っているようなのだけれど、わたしにはそれがとても無意味なことに思えた。定時内働くことは義務としても定時以降に何をしようと自分の勝手ではないか?自分の生活を犠牲にしてまで定時以降に上司に付き合わなければいけないのか?仕事が終ったらさっさと帰ればいい。仕事内容によって終る時間に差がでるのは当たり前のことなのに。そして仕事が終っているのに帰ることを上司が許さないのは何故?

日本社会はあらゆることろで合理性に欠ける。日本にはまだこんなところが多かれ少なかれ残っているから残業が多い。そしてまた日本人は悪い意味での「協調性」も強いからみんなが残業していたら自分1人さっさと帰るわけにはいかないと自分も残ってみたりする。残ってみても実際は手伝える仕事なんてなかったりするのに。

仕事でも合理性より感情的なところを重んじる日本人はそれをストレスにして病んでしまう。その新人の男の子の話にしたって、いつも遅くまで働いて、さらにつまらないと感じる飲み会にも無理やりつきあわされる。きっと彼らはそうこうしているうちにその会社しか知らない人間になってしまう。プライベートな時間を与えられないのだから、考え方もその会社に洗脳されていく。洗脳されきったところでリストラにでもあったらさぁ大変。こんなんだから会社でのリストラやイジメを苦に自殺するような人間がでてくる。

わたしはこういったところは日本の嫌なところだと思っている。もっと趣味や家族や恋人との時間を大切にすればいいのに。会社の人々と仲良くするのは大歓迎。けれど心から楽しめない「つきあい」をする気はない。会社にいる時間はただでさえ長い。だからこそ定時きっかりにあがって、プライベートな時間を持ってゆっくりと自分の思考を養いたいと思う。


2005年10月15日(土) アロマセラピー入門

以前から少し興味のあったアロマセラピー。アロマセラピーバイブルなどという本を買って眺めていたら「これはいい!」と一揆に熱が上がってしまった。特に気になるのはアロママッサージ。数回受けたことがあるのだけれど、リンパの流れがよくなるので、疲れにくくなるし、次の日は肌の艶が違う。それにイギリスで幅広く認められている上に、オーストラリアでもユーカリやラベンダーなどの精油が取れる。親しみを感じるではないか。そして何よりも日常的に役立つ。

早速、精油とキャリアオイル(ベースになるオイル)を見に行った。売り場にはきちんとアドバイザーがいて、すごく詳しく説明してくれた。とりあえずは精製されたホホバオイルをキャリアオイルとして、イランイラン(精神的に効き目が高い、催淫作用がある)、マンダリン(リラックス)、ゼラニウム(生理痛などに効果が高い)を購入。

夜に早速疲れて帰ってきた妹にゼラニウムのオイルで手と足のマッサージをしてあげた。

これは面白い。けれど、忘れてはいけないのは精油一滴取るのに大量の花が使われていること。わたしは花を摘むのは可哀そうと涙するほどの感情を持っていないけれど、それでも花は綺麗で、放っておくと機嫌を損ねたように枯れてしまい水をあげると喜んで元気になるような生き物だから大切に使わなければ。


2005年10月11日(火) 不誠実

仕事でもプライベートでも言葉の足りない男性が多過ぎると思う。約束のキャンセルにも遅刻にも、こちらの納得する理由がきちんとあるんだから、それを言ってくれればもっと快いのに、説明が足りない。「ごめん、駄目になった」だけでは何か不誠実な感じがする。男は言い訳しないほうがいいなどと言われているけれど、言い訳ひとつで相手のフィーリングがベターになるならば、したほうがいい。

最近、同僚から彼女の恋の悩みについて相談を受けている。彼女のBFはわたしからしたらとても不誠実な人で「忙しい」を理由にちょっと話したいことがあるからほんの少しでいいから時間をとってという彼女のお願いをもう3週間も放っている。モヤモヤとした気持で3週間も待つほうの気持を考えるほどの余裕もなく忙しいのか、もはや、彼女に対する気持が薄いのかわからないけれど、仕事帰りにビルの下のカフェが閉店するまでわたしに感情を話しつづける彼女が気の毒だと思ってしまう。本当はわたしにではなくて彼に言いたいことなのだろうけれど。

わたしはそういったことに関して感情のままで理性も理論もないから、相談されても何もアドバイスをあげられない。だけど、これだけは思う。大人になってからの不誠実な人間との恋愛は何かをとてもすり減らす。後味も悪い。29歳のわたしは少しだけ思い出にしがみついてみたりすることもある。そういう時に思い出すのはたいてい誠実な人のことだけだけれど、それでも頭の隅に追いやられた不誠実な人間に苦しめられたことなどが何かこびりついて取れない黒いシミのように残っているように感じる。お互いに不誠実でやっていけるのは若い若いカップルだけだと思う。


2005年10月08日(土) Move on

下期に入ってちらほらとあった人事異動に伴い、事業部総勢250人が引越し準備に入り、朝からてんやわんやの大騒ぎ。そんな中うちのグループのマネージャーは何を思ったのか、昨日から6回もわたしに向かって「Michellinaさん、じゃ、チャチャっとやっちゃって。お願いね」と言っている。5回も無視してるのに6回目があるとは。???こんな力仕事を女のわたし1人でやれと??何故10人もいる男にやらせない? だいたいこの中にわたしの荷物など一つもない。マネージャーがどこかへ行ったのを見届けて、残った10人に向かってわめくと「いや、手伝うよ、手伝いますって、、、」と言ってくれた。(当たり前だ!)そして各自、自分の書類は自分でやろうということになったのだが、みんな「オレのじゃない」という。「そうやってみんなでなすりつけあってもういいよ!全部捨ててやる!!」とわたしが再度キレはじめた頃、書類の束に張られている名前を見つけた。なんとマネージャーの名前が書いてある。一同唖然。まさかあんなに昨日「おまえら要らない書類はちゃんと捨てろよ」などと威張っていたマネージャーの書類が埃を被って無惨に汚れてでてくるとは。「よし、全部捨ててやろう」とごみ袋を持ってきてその中に彼の書類を全部投げ入れた。

こうしてわたし達が埃を被って引越し準備をしている中、マネージャーは一足先に歓送迎会が行われるイタリアンレストランへ行き、なかなか来ないわたし達に苛立ちながら待っていたらしい。全く誰のせいで引越し準備が手こずったと思っているんだ。無我夢中でゴミ捨てと箱詰めをしてタクシーに飛び乗りレストランへ。

今日で世話の焼ける息子達!?ともお別れ。特にもうケイ君が隣の席にいないのは淋しくなるだろう。なんといっても彼のだらしなさはピカイチでわたしの朝は自分のデスクにはみだされた書類の整理からはじまるといった具合だった。それでも愚痴を聞いてくれる少ない友達の1人でもあった。一週間前からケイ君と離れるのがいかに淋しいかと本人に語っては「いやっ、別にグループ変わるだけじゃないですか」と(顔を赤らめながらも(笑))素っ気無く言われていたのだけれど、今夜はケイ君もワインが入ったせいか「いやっ、僕だって淋しいですよ」と言ってくれたのでわたしはますます淋しくなってしまった。もう1人の息子で来年結婚するユウタは「新婚旅行はMichellinaさんのいる国に行くことにします」と言うので、「じゃぁ来年は熱海に住もうかな」と言っておいた(笑)。

ホント、グループが変わるだけなのに、なんでわたしはいちいち淋しいと思うのか。小ジワを見つけたときよりも日焼けが落ちにくくなった時よりも、なによりも人と別れる時、自分がもうトシだと感じてしまう。


2005年10月07日(金) 働き者の彼らでも

半年間電車に乗って通勤した。その中でたった一度だけ、わたしが荷物を網棚から降ろすのを手伝ってくれた男性がいた。たった一度だけ、中年男性が女性に席を譲るのを見た。

電車の席取りで「割り込むな!」と女性に怒鳴る男性を数回見た。何度も痴漢にあった。

この国の男性は世界で特殊だと思う。オーストラリアの暮らしや旅の途中で色々な国の男性とすれ違ったけれど、こんなに日常のあらゆることで見ず知らずの男性からヘルプを受けられない国はないと思った。この国にレディースファーストの文化が無いとかそんなことではなくてこれは単に親切心や心の余裕の問題だと思う。


2005年10月06日(木) みのもんたが行く

朝の7:00頃、忙しく身支度をしていた。テレビは6チャンネル。話題は米国産牛肉の輸入と吉野家株。ベジタリアンのわたしにはよその世界の話だがここで思わぬ面白い展開となった。

みの:「日本人がいかにいい加減に暮らしてるかよくわかるよ」
女子アナ:「どうしてですか?」
みの:「今の日本人の食生活は脂肪の摂り過ぎなんだよ。日本人本来の食事っていうのはね、海草、野菜、玄米、五穀米、、、ってね。それが今じゃなんだい、牛肉、牛乳って、、、日本人の体質にこんなもん合わないんだからっ。だいたいねっ、ちゃんと検査をしたちょっと高い牛乳と検査してない安い牛乳とどっちを買うかっていったら日本人はみんな安いほうに飛びついちゃうんだから。ホントにいい加減だよ。こんなんだからダメなんだよ」
女子アナ:「、、、、そうなんですか、、、」
みの:「そうだよ。ちゃんと勉強しなさい」
女子アナ:「、、、は、、はい、、、」

とこんな具合。Great! ゴールデンタイムの顔みのもんた、どんどん日本社会を斬ってください。


2005年10月04日(火) 17下出陣式

夕方から下期の出陣式。事業部全体が埃を立てて蟻の行列のようにぞろぞろと歩いて会場へ向かった。

スーツを着た男性が200人も集まるとすごい圧迫感。わたしはさっさと白ワインを手に、一番後ろのソファに腰掛けて食べ物を適当につまみながらまったりと飲みバブリーなこの事業部のざわめきを聞いていた。成績優秀な営業マンへの賞金、ビンゴ大会の商品、、、。頭上からお札が降ってきているような気分になるが決して快適ではない。きっとわたしは根っから質素な体質なのに違いない。デキの悪いうちのチームの男性陣は賞金を手に出来ないこと愚か、ビンゴでも全く当たっていなかった。運のいい男性が好きといいつつも垢抜けない地味な彼らが愛しいとも思った。

デザートまで一通り食べ終えて3杯目のワイングラスが空になるころお開きになった。このまま帰って次の日は寝坊できたらいいけれどここはパースじゃない。下期の幕開けは忙しい。


2005年10月02日(日) Skype初体験

マーティンとSkype(音声チャット)で話してみようと、マイクロフォンを買った。PCに接続してソフトをインストールしてセットアップの完了。マーティンをリストに追加し、コールしてみる。

"Hello?"

うわぁ、思ったよりもクリアな音。国際電話と変わらない。しかも無料。それからだらだらと繋ぎっぱなしでお互いに好きなことをしながらたまに話して、、物音まで聞こえてくるので同じ部屋にいるようでなつかしかった。ミケもミャーなんて、ないていて。すごいな、世界が近すぎる!

(写真:雨降りの丸の内)




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