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2005年04月30日(土) |
その道のプロフェッショナルであれ |
ちょっと買い物があったので銀座のITO-YAへ。やっぱり文具を買うならLoftのほうがよかったかな。渋谷を歩くのはウンザリだから八重洲ブックセンターの脇あたりにLoftができればいいのに。結局目当ての物は手に入らず、その代わりに本を思いがけず衝動買いしてしまい、家に帰っても誰もいないので夕飯でも買って帰ろうかとデパ地下をひやかして歩いた。KIHACHIの前でカレーパンを買おうかと立ち止まり、売り子の若いおねえさんに「お肉が入ってないのありますか?」と聞いたら、「乳化剤に豚肉エキスを使っているので全て入ってしまっているんですがお肉の固まりが嫌というならシーフードのものなら入っていません。」などと回答されて、ちゃんと成分知って売ってるんだと感心した。会社の上司が「物を売るコツ」は「その物について売る側が"あの人に聞けば知らないことはない"というくらいプロフェッショナルでなければならない」というようなことを話していた。わたしは結局シーフードも食べたい気分ではなかったので買わなかったけれど、そういったしっかりした回答をもらえるということは安心や信用に繋がりそれが次回に繋がる。
2005年04月29日(金) |
Lost In Translation |
10日間のGWの始まりはDVD鑑賞から。パースの日本人陶芸教室の方々が゛日本人を馬鹿にしてるわっ!゛と憤慨していた゛Lost In Translation゛。
アメリカから東京にやってきた中年俳優とカメラマンの旦那にただついてきた若妻が新宿のハイアットで出会い、言語不通の孤独や疎外感の中で次第に心を近づかせていく一瞬の逃避行の中で生まれた小さな恋のお話。俳優にあてがわれたろくに英語の出来ないいい加減な通訳やLとRを発音できない娼婦、、、わたしは馬鹿にしてるわっと思うよりも日本人だわっと認めてしまった。
10代の頃、買っていた芸術雑誌の中に掲載されていたソフィア・コッポラの作品である写真を切り抜いて狭い部屋にキープしていた。無造作に心地よく散らかった部屋、シースルーの下着を身に付けたイノセントな女の子、そしてその女の子はポラロイド写真を愛している、、、その時を思い出して懐かしくなるような、相変わらずのソフィア・コッポラ色の出ている映像だった(ちなみに若者に紛れて密かにHiromixが出演していた)。
しかし!英語圏育ちの人間というのは英語の通じない場所での生命力が弱過ぎると思う。わたしの友達を見ていてもみんなそう。どこでも通じると思いこんでいるので通じないことが不便とか恐いと思ってしまうのではないだろうか。日本語は日本でしか通じないと思っているわたしなどは英語さえ通じないところでもジェスチャーで通すくらいの生命力はあるが。
通勤快速で会社へ通っている。行きも帰りもあまり混んでいなくて、運が良ければ座れることも。しかもほぼノンストップなので気も散らず読書が捗る。周囲を見回せば読書をしている人がとても多い。昨日はウオークマンでCDをを相手に英語の会話練習をしている男の子もいた。本人は小声でつぶやいているだけのつもりっぽいが、けっこうちゃんと周囲に聞こえている。彼の発音はなかなかのもの。しかし内容がちょっと笑えた。”No, I don't take a bath",,,,。どんなシチュエーションなんだ!!
他人に見せ付けるような向上心を周囲に放出している人を見るとそれだけでグッタリしてしまうが、この電車の中の人々の無言の向上心は程よくわたしを触発する。
自分が忙しくなってくると”Time Management"についてよく考える。東京は「忙しい」人が多いけれど、その中でどれだけ時間を抽出して有意義に使えるかというのもその人の力の見せ所だと思う。
そんなことを考えつつ、今日は久々にのんびりと酒のつまみを手作りした。ごぼうの梅肉煮とゴマ豆腐と水菜のサラダ、ほうれん草の揚げ巻き。久々の長い夜を過ごした。
今の仕事は外出が多くて東京を散歩するのが好きなわたしには向いているみたい。仕事をはじめてからの10日間、もう既に色々な所へ行った。今は気候もいいから特に午後の外出は気持ちがいい。
ぽかぽか陽気の今日の午後、ランチを食べてからのんびりタクシーに乗って出かけた。わたしは皇居を見た記憶がなくて(初めてだとは思えないが)身を乗り出して見ていたらドライバーさんがガイドしてくれた。「ここが有名な桜田門、井伊直弼が殺されたところね」と。わたしがあまりにも真剣に聞いていたせいか、「おねえちゃん、田舎からでてきたばっかりなの?」と聞かれてしまった。思わずちょっと斜め下に視線を落としてセンチメンタルな雰囲気で「はい」と答えたくなってしまった(笑)。
そして夜は半年振りにミキちゃんに再会!ミキちゃんとは元同僚で去年働いた会社に同じ日に入り、毎日お弁当を一緒に食べ、偶然にも沖縄へ同時期に旅行し、そして退社も同時というなんとも不思議な縁があると思っていたらお互いの新しい会社も通りを挟んで目と鼻の先。縁はあるが、全くタイプの違うわたし達。”OL”気質で美味しいお店や流行っている場所に常にアンテナを張り巡らせている彼女が絶対わたしがもらうこともない"Hot Pepper"の切り抜きを持って現れるのではないかとふんでいたのだが、「残念、金曜日はHot pepperの割引券は使えない店が多いんですー」と言われてしまった。そして彼女が連れて行ってくれた銀座一丁目のお店は偶然にもわたしがトライしたかった創作料理の居酒屋だった。わたしは明日も仕事なので一杯しか飲めなかくてちょっと不満だったが、ミキちゃんには「それでいい、それでいい。じゃなきゃすっごい飲むんだもん。」と言われてしまった。そして2時間で追い出されてしまったので、爽やかに健やかにカフェでちょっと休んで家路に着いた。
細木数子の言葉。
「人にしてやったことは忘れなさい。
人にしてもらったことは一生忘れてはならない。」
ふらふらと銀座へ。銀座桜通りにはNorth Americaの東海岸に咲いているもののような妙に濃いピンクの桜が咲いていた。この色の桜はいまいち青くない空とコンクリートに塗り固められた東京の風景の中で浮いてしまっている。
さっさと会社へ着ていく服を数着手に入れ、あとはのんびり本を探索。途中で入ったカフェでいつものごとく喫煙席のほうが多く確保されていてしかも禁煙席よりComfortableに作られていることに腹を立てる。日本では喫煙者のほうが優遇されている店はかなり多い。そうでなければ金儲けにならないほど喫煙者が多いということでもあるのだろう。
最後に丸の内OAZOへ。ここは場所柄か、ビジネス書、語学学習関連書はずば抜けて充実しているように見受けられる。わたしが一番好きな料理本の品揃えはいまいち。
仕事の合間を見つけて銀行へ。外へ出てみるとぽかぽか陽気で気持ちがいい。空いてる時間を見計らって来たつもりだったけれどそれでも少し待たなければならずなんとなく眺めていた雑誌に興味深い見出しを見つけた。
「豊かな国ほど病人が多い」
免疫学者が書いた記事だった。病気になる原因は進化した社会に対し人が本来持っている適応力以上のものを発揮しようとすると病気になる、また本来持ち合わせている適応力を使わな過ぎても病気になるというようなことが書いてあった。納得。日本は不景気といっても依然人々は飽食している。戦後からたった50年の間の社会の急速な変化に人間の適応力が着いて行っていないから人々は病気になる。また「適応力を使わな過ぎる」というのは例えば毎日肉を食べてワインを飲み、滅多に動かないというようなことを指すようだ。
オーストラリアにも日本にも病人が多い。肥満、癌、アレルギー、花粉症。そして共通しているのは人々は病気になるとただ病院へ行き、薬をもらう。簡単に薬が手に入り簡単に医者にかかれることがますます病人を増やす。人間は本来強い自然の治癒力を兼ね備えているのに豊かな国にはそれを鈍らせている人が多い。
2005年04月13日(水) |
Fewwww,,,, |
職場へ初出勤。3年も越冬していなかったのでこんな寒い日に着る服などなく、ましてやオフィスに着て行けるようなものなどなく、なんとか手持ちの服から適当なものを選び出した。唯一の救いは駅から外に出ずにオフィスに着けること。
会社のことをあまり知らずに行ったので初めてパスワード制のドアを開けて驚き!なんて大きなところなんだ!と。しかもざっと100人以上ピッとスーツを着た男性のみがしゃきしゃきと動き回っている。よ〜く見るとはるか彼方に女性がぽつぽつ。しばらくして漸く思い出した。そうか、営業職の男性が殆どなのだ。やっぱり社から出ない事務職とはちょっと違う。身なりも雰囲気もシャキっとしていてとても垢抜けている。そうでなければいけないところなのだ。人々がとても仕事に対してアグレッシブに見えたのでわたしもぼんやりしていたら罵声を浴びてしまうのではないかと怖気づいたのも一瞬。人々はとても親切でフレンドリーだった。そしてわたしの直属の上司にあたる人はミーティングを開いてわたしが暇にならず、過度に忙しくならないようにと部内でしっかりと仕事の管理や割り振りをしてくれた。職場で上司がしっかりしていているか否かというのは快適でいられるか、ストレスフルになるかを左右するとても大事なことというのは社会人になって思い知らされたこと。だからそれはわたしをとても安心させた。
ということで一日目からちゃんと仕事を割り振ってもらい午後は自分の世界に篭って黙々と作業をこなし、初日は無事に終った。
今日は絶好のお花見日和!WA土産のワインや食べ物を持って代々木公園へ出かけた。電車の中から見える景色も帰国したばかりの時よりもずっと明るくて青い空と淡いピンクの桜がぱっとひろがっていた。代々木公園では一等席の桜の下にレジャーシートを広げてすでにやまちゃん(自由業?)、さなちんさん(会社員&主婦)、木鶏さん(水道橋のサラリーマン)が一杯やっていた。(一応ベジタリアンの集い、別名「世捨て人の集い」!?)
周囲がビールを飲んでいる中、わたし達はシート脇に5本のワインを並べていた。しかし、さなちんさんの読みはすごい!1ヶ月前くらいに日程を組んでメールをいただいた時は「ちょっと遅くないのか?」と思ったけれど、ずばり今日が桜も天気も絶頂だった。わたしは3年ぶりの桜に胸を躍らせてぐいぐい呑んで次々ボトルを空けた。
夕方になるとトイレの行列も長くなったので渋谷のラ・ボエム(イタリアンレストラン)まで移動。またもやフルボトルのワインをオーダーしてしまった。こうして帰路につこうと立ち上がった時にはかなりヘロヘロだった。実家の駅までなんとか辿り着くと寝ていた妹が起き上がって車で迎えにきてくれた。花粉症で鼻がつまっているのに、それでもわたしが酒臭いと言って寒いのに窓を開けられた。んも〜寒いよ!と言いたいところだったけれど、酔っ払いだし、バツが悪いので大人しくして半分息を止めた。
友達と新宿の高いビルに登って東京を見下ろした。晴れていたので遠くまで見えたけれど、その灰色の都会の風景の中で一番最初に目に付いたのはホームレスが張っている青いテントだった。高い場所から彼らを見下ろす自分はまだ社会の敗者ではないけれど、誰もがある日突然そこへ転落する可能性を持っている。それを見下ろす人々は彼らのために何か考えて手を差し伸べなければならない立場にある。青いテントがまるで彼らが発しているSOSのように見えて早く助けにいかなくちゃという気にさせられた。
色々な雑務があり朝から東京を奔走。丸の内から銀座へ。スターバックスで一休み。銀座から八丁堀へ。ドトールで一休み。全て徒歩で移動。地下鉄の階段を上り下りしたり駅構内を長々歩くことなどを考慮すると歩いたほうが早いような、でも歩くとけっこう遠いような。。。この界隈の移動はいつも電車に乗ろうか歩こうか迷うが今日は歩いて正解。ひとあし先に咲いている桜に出会えた。
ぐったりと疲れ果てた夕方、一杯飲んでから家路に着くことにした。友達が連れてきた若い大学生のアメリカ人の男の子は聞けば意見もしっかりと出てきて、合コン!バイト!三昧の連中のほうが断然目立ってしまっている日本の大学生を思うと溜息がでてしまう。若い時はおおいに遊んだらいいと思うけれど、後々空っぽになってしまうようならつまらないと思う。アメリカ人と銃の話やアメリカの危険な場所など面白い話を聞いて、千鳥足で帰宅。そして、わざわざ父親に撮っておいてもらったスマスマのVideoを鑑賞。今日のビストロスマップのゲストは大好きなリチャード・ギアなのだ。中学生の頃から大好きだった割には彼について何も知らない。チベット仏教を信仰して自家用ジェットでチベットへ足を運び、菜食主義のはずの彼が「うなぎ!」「ウニ!」などとオーダーを出しそれらをIncredible!!と感嘆しながら口に入れているのを見てますますハリウッドが解からなくなった。以前映画についてのインタビューで宗教のことに触れられた時に「俳優業に宗教を持ち込むつもりはない」と答えていたけれど、演技なのだろうか。ハリウッド映画で見るときは痩せていて体育会系というよりは頭脳系のような印象だったのに、スマップの中に入るととてもがたいが良くて少しイメージが変わった。
2005年04月03日(日) |
本は栄養、テレビは脂肪 |
実家では人がいるときは大抵テレビがついていて、わたしもごはんを食べながら眺めているのだけれど、テレビ番組というのは本当にくだらないものが多い。特に10時〜21時くらいまでに流れるものは見た後に自分の脳にたっぷり脂肪がこびりついてしまったような気分にさせられるものばかり。パースのM家にはテレビはなくて、わざわざパスワードを入れなければ立ち上がらない彼のPCのモニターで見なければならないので、つけっぱなしとかなんとなくつけているということはなかった。
家族で夜の7時代にテレビ番組を見ながら食事をして、何かを話すのも悪くないけれど、そこには何も得るものがない。今頃気付いた。マーティンが賢い理由の一つはテレビを見ないことにあるのだと。彼の脳はすっきりとシェイプアップされている。テレビが嫌いではないけれど、つけっぱなしのテレビから得るものは脂肪だけ。そんな時間があるなら栄養のある本を沢山読もうと思った。