月に舞う桜

前日目次翌日


2023年03月31日(金) 3月の読書

★合計16冊
31. 与謝野晶子・俵万智『俵万智訳みだれ髪』
32. 東直子『さようなら窓』
33. 翔田寛『時効犯』
34. テオグニスほか『エレゲイア詩集』
35. 田野大輔『ファシズムの教室 なぜ集団は暴走するのか』
36. 最果タヒ『夜空はいつでも最高密度の青色だ』
37. 石垣りん『略歴』
38. 芥川龍之介『或阿呆の一生・侏儒の言葉』
39. リチャード・ドーキンス『利己的な遺伝子』
40. 安部公房『他人の顔』
41. 『ニュートン式超図解 最強に面白い!! 理科』
42. フランソワーズ・サガン『熱い恋』
43. 山崎広明編『もういちど読む山川政治経済』
44. 穂村弘『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』
45. 横溝正史『夜の黒豹』
46. 東野圭吾『怪しい人びと』

※数字は1月からの通し番号


2023年03月09日(木) 褒めてるつもりが見下して

新たにヘルパー事業所と契約することになり、書類に住所氏名を何度も書いてたら、それを見た事業所の人から「ちゃんと字が書けて、すごいですね」と言われた。
そういうことは、ときどきある。
モヤっ、イラっとするのだけど、どんな顔をすればいいか分からない。
たしかに、脳性麻痺の人の中には、障害ゆえに筆記が難しい人もいる。
でも、脳性麻痺の障害程度は人によってピンキリで、私はたまたま筆記が可能な障害程度だった。ただ、それだけのことだ。
私の障害程度も生活歴も何も知らないのに「ちゃんと字が書けて、すごい」と言うのは、脳性麻痺者は字が書けないものだという思い込みがあり、最初から脳性麻痺者を一括りにして下に見ているからだ。
だから、「すごいですね」に対して「ありがとうございます」とか「そんなことないです」などとお礼や謙遜は絶対に言わないように心がけている。
でも、じゃあ、どんな顔をして、どんな返答をするのが私の気持ちとしてしっくり来るのかが分からない。
「字が書ける程度の障害ってだけの話ですよ」と、冷めた表情と声で、その場でぱっと言い返せればいいのだけど、とっさにそれができない。
まあ、たしかに健常者より書くのが遅いし、どんな高さの机でもきれいに書けるわけじゃない。おまけに、昔よりだんだん筆記が大変になってきた(手首が固くなってきたせい?)。私なりに、頑張って書いてる感はある。
それにしたって、初対面で「ちゃんと字が書けてすごいですね」はバカにし過ぎじゃない?


2023年03月01日(水) 2月の読書

★合計13冊
18. ル・クレジオ『戦争』
19. 加藤直樹『トリック 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』
20. ダニエル・デネット『解明される意識』
21. 古谷経衡『愛国商売』
22. オードリー・タン『自由への手紙』
23. 江國香織『ちょうちんそで』
24. 今野敏『パラレル』
25. 小寺聡編『もういちど読む山川倫理』
26. カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』
27. 染井為人『悪い夏』
28. ロバート・チャルディーニ『影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか』
29. 村田沙耶香ほか『絶縁』
30. 西崎雅夫編『証言集 関東大震災の直後 朝鮮人と日本人』

※数字は1月からの通し番号

今月読んだ中で特に良かったのは
・加藤直樹『トリック 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』
・江國香織『ちょうちんそで』
・西崎雅夫編『証言集 関東大震災の直後 朝鮮人と日本人』

江國香織は20代の頃から好きで、30代は少し遠ざかっていたけれど、この1,2年くらいでまた読むようになった。
好きな小説はもちろん、それほど好みではないストーリーでも、「あぁ、やっぱり江國香織はいいなあ」と思わせてくれる。幸福の中に甘やかなかなしみが漂っている空気感がいい。
『ちょうちんそで』は、江國香織の中でも好きなほうの小説だった。

加藤直樹『トリック 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』と西崎雅夫編『証言集 関東大震災の直後 朝鮮人と日本人』は、関東大震災直後に官民が起こした朝鮮人虐殺についての本。
今年は関東大震災からちょうど100年なので、この機会に多くの日本人に読んでほしい。
デマから始まる虐殺、ヘイト感情、隠蔽、歴史的事実の否定……100年経った今でも、同じことを繰り返す芽は絶たれていない。


桜井弓月 |TwitterFacebook


My追加

© 2005 Sakurai Yuzuki