月に舞う桜

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2017年02月28日(火) やばい!2月が終わる!

あー、2月が終わっちゃうよ!
どうしよう!

……と、急に焦っておりますが。

2月は何してたっけなあ。なんか、あんまり思い出せないなあ。

えーと、Toshlのライブに行ったなあ、2日間。
それから、友達に誘われてカラオケに行き、家族と「相棒」の映画を観に行った。
「相棒」は、運良く一番後ろに車椅子席があるスクリーンでやっていたのでね。
スクリーンの8〜9割は車椅子席が前のほうなんだよね。ひどいところだと、一番前。あんなにスクリーンの近くで観てたら、見づらくてしょうがないし、首が痛くなるからめったに行かない。
なので久しぶりの映画館だった。hdeのドキュメンタリー映画以来かなあ。

ま、「We are X」とウェンブリー公演のライブビューイングは、体の痛みなんてためらわず観に行くけどね。

カラオケは、DAMだと「まま音」というのがあって、ライブ映像が流れるうえに、アーティスト本人の歌も付いてる(←もはやカラオケと言えるのか疑問ではあるけど)。
自分一人じゃ声が出ないような曲も、Toshlと一緒に歌うと自分がうまいような錯覚を起こせるので、調子に乗ってSay Anythingとか歌ってみた。

……なんか遊んでばっかりな印象。そんなこともないんだけど。
でも、子供の頃に貴重な時間をたくさん奪われたから、今それを取り戻してもいいんじゃないかと思っているのも、正直事実。
子供の頃って、その時代にしか過ごせないような時間ばかりだから、取り戻せはしないけれど。

あと、ようやくヘルパーさんをちょこっとだけ利用し始めました。
まだ本当にちょこっとだけなので、少しずつ利用を増やして慣れていかないとなあ。

そうそう、思うところあって、カルトからの回復について勉強したくなり、そういう類の本をアホみたいに買い込んでみた。
いつか、それについてもきちんとまとめて書けるといいな。


2017年02月23日(木) かりんとうと寒さと、自由の天秤

現在失業手当をもらっているため、定期的にハローワークへ行っている。
管轄のハローワークは駅から遠いので寒い日は特に気持ちが萎えてしまうけれど、失業認定日(ハローワークへ行かなければならない日)はあらかじめ決められているので、行く日を勝手に変えることはできない。「今日はものすごく寒いし風も強いから行くのをやめよう」というわけにはいかないのである。
ハローワークと最寄駅の間に、お気に入りのかりんとう屋さんがある。そこで、私はいつも「かりんとうを買いに行くついでにハローワークに行くんだ」と自分に言い聞かせて、気持ちを奮い立たせている。

私が小さい頃、母がよく黒糖かりんとうを食べていた。私は黒糖があまり好きではない。かりんとうと言えば黒糖しか知らなかった幼い私は、かりんとうを「苦手なもの」に分類してしまっていた。
大きくなるにつれて、黒糖だけではなくいろいろな種類のかりんとうがあるのだと知り、好きな味を探しては食べるようになった。
成長するということ、大人になるということは、親の影響下から抜け出て、世界を無限に広げるということだ。そして、自分で選択し、自分が好きなものを、自分の責任において食べられるということだ。

前回ハローワークに行った日も、風が冷たくてとても寒かった。
寒い日は、いつも以上に体が動きづらくなる。分厚いダウンコートを着込んでもこもこになっていれば、なおのこと。
体が動きづらいと、何をするにも時間がかかる。ハローワークの窓口に提出する書類をバッグから引っ張り出すのも、受け取った書類をしまうのも、買い物のときに財布からお金を出すのも。
例えば、列に並んで自分の番になって初めて書類をもたもた引っ張り出していたのでは、受付の人や後ろにずらりと並んでいる人たちの迷惑になるから、あらかじめ隅っこで書類を準備してから列に並ぶことにしている。
例えば、買い物して商品とレシートとお釣りを受け取ったとき、それらを膝に乗せたまま邪魔にならないところへ移動してから、ゆっくりしまうことにしている。
周囲に配慮や寛容を求めるなら、自分も周囲になるべく迷惑をかけないよう、できる範囲で配慮するべきだ。健常者とか障害者とか関係なく、社会の一員として。
それに、「周りの人が迷惑に思って内心舌打ちしてるのでは?」と思うと焦ってしまって余計に動作がおぼつかなくなることも多いので、自分で自分にプレッシャーをかけないために、自分のペースで動ける状況を作ることが大事なのだ。

(脳性麻痺の主症状には筋肉の緊張があって、精神的なことも筋緊張の度合いに大きく影響する。)

自分でもたもた動いていると、「生きていくって、時間がかかるなあ」とげんなりしてしまうこともあるけれど、そのときそのときで自分が何を優先したいのか、なのだと思う。私はいつも、自由と時間と労苦を天秤にかける。
外出のとき家族やヘルパーさんが隣にいれば、物事はもっとスムーズに進むし、楽なのだ。でも、どうにか自分一人でやれるとき、時間をかけることが許されているときは、人に気兼ねせず独りで気ままに出かけられる自由を選ぶ。
ハローワークの窓口の人や店員さんだって多少のことは手助けしてくれるけれど、ほんのちょっとしたこと――次にバッグから出すときに出しやすいように、自分好みの場所と向きで財布をしまいたい、とか――を自分の思い通りにするためには、やっぱり自分でやった方がストレスにならない。人にものを頼むのは、楽ができる反面、とても面倒なことでもある。もちろん、手を貸してくれるのはありがたいことだけれど。

寒さで体が動きづらくても、生きていくのに時間がかかっても、独りで出かけられる自由は貴重で手放せない。
自分で好きなお店に行って自分で好きなものを選んで、そうやって手に入れたかりんとうが期待したほどには美味しくなくても、それもまた自由の醍醐味なのだ。


2017年02月13日(月) 【2/11】ToshlバレンタインROCK祭り!「PREMIUM ROCK NIGHT」〜握手会と後日談

ToshlバレンタインROCK祭り!の1日目「PREMIUM ROCK NIGHT」の続き。

ライブのあとは握手会だった。
車椅子組はスタッフに案内してもらって、先にエレベーターで1階に下りた。私たちがエレベーターから出て待機スペースにいると、エレベーター前に衝立が置かれた。どうやら、エレベーターと衝立の間で握手するもよう。車椅子ではない握手会参加者は階段に並んでいた。

私は、「握手するとき、Toshlに何と言おう?」とずっと考えていた。考えているうちに緊張がどんどん高まって、テンパってしまう。もちろん握手するときはいつも緊張するけれど、去年はここまでじゃなかったのになあ。

衝立の隙間からエレベーターが見えていた。他の車椅子の人たちとしゃべりながら待っていると、エレベーターが開いて、Toshlが現れた。
きゃー、さっき私が乗ったエレベーターにToshlも!! そう思ったら緊張がMAXに。

まずは車椅子組からで、順々に衝立の中へ。私が握手スペースに入ると、Toshlは「こんばんは」とか「どうも!」とか言ったと思う……が、残念ながら緊張ではっきり覚えていない。
Toshlと人生9回目の握手。Toshlの手は、相変わらずやわらかくてやさしい。

私「98年の曲が聴けて安心しました」

私は早口でそう言うのがやっとだった。
Toshlは「そうですか」と返してくれた。
そうですか、かぁ……とってもとっても嬉しかった気持ち、あんまりうまく伝えられなかったかも。でも、仕方ない。早口になっちゃったし、たった一言だし。それに、後日確認したら、98年じゃなくて97年の曲が多かったな。

今回の握手会参加は、開場前に買ったDVDセットの特典だった。握手券にはバレンタイン仕様のかわいいキャッToshlが。



握手会参加済みのチェックをキャッToshlにかぶるように入れられてしまって、ちょっと微妙な気分。
DVDセットの購入特典としてもう一つ、2015年から2016年にかけて配信されていた「スウィーツKURENAI」のDVDがあった。握手が終わるとスタッフがそれを渡してくれた。

VIPタイムからライブ、握手と、とても濃くて大満足の1日だった。
Toshlのライブからの帰りはいつも、ありがとうって思う。


★後日談★
Love Songが収録されているアルバムについて、VIPタイムでToshlに「聴いていいんだよ。聴いて下さい」と言われたので、私は手の平を返したようにその気になって、97年のアルバム『碧い宇宙の旅人』と98年のアルバム『壊れた世界でカナリアは歌う』を買い直した。

・『碧い宇宙の旅人』について
明るく前向きな曲と程よい癒しかげんの曲で構成されていて、Toshlのピュアな面がよく出ていると思う。ヴォーカリストとしても、X JAPANのときとは違う魅力が存分に発揮されている。
当時はToshlを取り巻くいろいろなことで目が曇ってしまい、このアルバムに対して自分の中で正当な評価ができていなかったように思う。このアルバムはこれからも聴き続けたい。

・『壊れた世界でカナリアは歌う』について
葉加瀬太郎とコラボしていることもあってか、バイオリンはもちろんのこと、全体的に音に力強さと抑揚があって格好いい。
ただ、Toshl自身が著書『洗脳』の中で振り返っている通り、あのカルトの影響がかなり色濃い(アルバム制作の過程で、あっち側のイメージに合うように自作の歌詞を書き換え、作詞家に依頼したものも書き直させたそうだ)。
もちろん、そうでない曲、つまりカルトの影響を感じさせない本来のToshlの曲もあるのだけれど、圧倒的に数が少ないので、アルバム全体としては聴いていて気が重くなる。このアルバムが良いとか悪いとか、曲が好きとか嫌いとかの前に、当時のToshlが置かれた状況や心情を想像すると胸が押しつぶされそうになってしまう。
1曲目から最後の曲まで通して聴くのは、いまの私にはまだ荷が重いので、好きな曲だけチョイスするかなあ。気軽に再生できるようになるには、まだ時間が必要そうだ。
でも、買い直して良かった。どんなときもToshlが一生懸命生きて、一生懸命歌ってきた証。当時は目をそむけてしまったことも、いまなら向き合える。これからも忘れないために、このアルバムをずっと手元に持っておきたい。
それにしても、幻の少年とか、歌声は本当に素晴らしいんだけどなあ。おしいなあ。

(終わり)


2017年02月12日(日) 【2/11】ToshlバレンタインROCK祭り!「PREMIUM ROCK NIGHT」〜ライブ編

ToshlバレンタインROCK祭り!の1日目「PREMIUM ROCK NIGHT」の続き。

セットリスト↓
星空のネプチューン
Carry On
Passion of Love
Natural High
Spacious Love
Birthday Eve
Grace
Morning Glory
群青の夕紅れ
天使のメヌエット
いつまでも どこまでも
武士JAPAN
Beautiful Harmony

==アンコール==
CRYSTAL MEMORIES
雨音


ライブ本編では、Toshlは黒いジャケットを羽織って登場した。
1曲目の星空のネプチューンから、圧倒される歌声。素敵。素敵すぎる。Toshlの調子が良いのかもしれないけど、会場の音響設備(マイク?)も良いのかな。声がとても深くきれいに響く。

Toshl「皆さん、こんばんは!」

VIPのときは「こんにちは」だったけど、もう夜だから「こんばんは」なのね。

Toshl「今日はプレミアム、アダルティック、ロックナイト……」

正しくはPREMIUM ROCK NIGHTなんだけど、どうしても「アダルト」という言葉を入れたがるToshlくん。そして、普通に「アダルト」と言えばいいのに、いつも「アダルティ」とか「アダルティック」とか変な言い回しにするToshlくん。

Toshl「バレンタインROCK祭りということで、ロマンティックな夜ですから……CUTTくん、ロマンティックってどう言うの?」

CUTT「ロマンチック」

Toshlは英検一級のCUTTくんに本場の英語っぽい発音を期待して振ったんだろうけど、コテコテの関西訛りで返して笑いを誘うCUTTくんなのであった。

VIPのときもライブ本編でも、ToshlはVIPのプレゼントだった青く光る猫耳カチューシャを付けている私たちを見て、笑っていた。「ここから見ると異様な光景」とか「みんな、いつもよりかわいいよ……あ、猫耳がね」とか「いや、ホント、素敵ですよ。バレンタインだから、これくらい言っておかないと」とか言いながら。

Toshlが「早くもノリノリで行くよー! 立っていいからね」とのことで、客席が総立ちとなってCarry On、それからPassion of Loveを披露。2曲とも元気になれる曲で、Toshlがにこにこしながら楽しそうに歌っているのが印象的だった。Passion of Loveは初めて生で聴いたかなあ。曲の最後、Toshlに促されて「ラララ」をみんなで繰り返した。Toshlと、私たちと、一体感を感じられる。

次のNatural Highも、生で初めて聴いた。これも一度でいいから生歌を聴いてみたかった曲だ。Toshlのライブに行くたびに、念願は一つずつ叶っていく。叶えてくれて、ありがとう。
この曲もVIPで公開レコーディングしたLove Songと同様、98年のアルバム『壊れた世界でカナリアは歌う』に収録されている(と言うか、Natural Highがシングル曲で、Love Songがカップリングだった)ので、もう聴けないかもなあと勝手に思っていた。VIPのときToshlが「このアルバムを聴いてもいいんだよ」と言ったことを思い出して、97,98年の曲もいまこうして歌ってくれることが本当に嬉しくて、バラードじゃなくハードな曲なのに泣いた。
Natural Highを歌うToshlは圧倒的に力強くて格好良くて、ときどきセクシー。珍しく、ちょっとドキドキしてしまった。Toshlを見てドキドキするのは握手したり話したりするときだけで、歌う姿を見ても普段はそんなことないのに。
今回のバンド編成に合わせた編曲が素晴らしくて、特に曲の締めでサックスとバイオリンとピアノが同じフレーズを畳み掛けるように奏でるところが、曲の格好良さを引き上げている。Toshlが編曲したのかは分からないけど、歌以外でも魅せてくれるライブだ。
オリジナルでは、葉加瀬太郎のバイオリンが際立っている。ライブに参加していたバイオリニストのかたには失礼だけど、曲を聴き終わってから頭の中で葉加瀬太郎のバイオリンの音がずっと流れていて、それは家に帰っても続いていた。決して今回のバイオリンが悪かったというわけじゃなく、それだけ葉加瀬太郎の存在感と技量がすごいということだ。
客席に私と同じような人がいたみたいで、曲が終わると「葉加瀬!」と声が飛んだ。すかさず、Toshlが「ここに葉加瀬はいないからね」とちょっとたしなめる。
当時、ちょうどToshlの洗脳報道が出たりして、葉加瀬太郎は迷惑を被ったんじゃないだろうか。Toshlくん、戻ってきてからちゃんと謝ったかなあ。できることなら、またいつかコラボしてくれたら嬉しいけど、難しいかなあ。いつか葉加瀬太郎のコンサートにも行ってみたいものだ。

Spacious Loveは多幸感あふれる曲。最後のほうは「Oh Spacious Love〜Oh Precious girl〜♪」とみんなで歌って、そこにToshlがかぶせてくる。CUTTくんもコーラスで参加していた。
次のBirthday Eveは、系統としてはNatural Highみたいな「カッコいい系」なんだけど、こちらはサックスが効いている。
今日は初めて生で聴く曲が多い。セットリストの半分近くが、そうだ。Spacious Loveしかり、Birthday Eveしかり。

Birthday Eveが終わると、Toshlはスタッフが持ってきた椅子に腰かけ、客席にも座るよう促した。そして、Graceを歌う。去年10月のプレミアムバースデーで聴いたときよりも、声がやさしく感じた。Toshlはいま、とっても穏やかな気持ちで歌えているのかな。

Toshl「今日は僕の幅広い音楽性を聴いてもらおうと……」

曲が終わってToshlがそう言うと、くすくす笑いが漏れた。

Toshl「え? 何がおかしいの? 何か変なこと言った?」

振り返ってCUTTくんに助けを求めるToshlくん。

CUTT「いや別に変ではないですけど、あんまりご自分で幅広いって言わはる人はいないんじゃないかと……」

Toshl「そうなの? だって、幅広いでしょ?」

ますます笑う私たち。
う、うん、確かに幅広いよ。明るくポップな曲もカッコいいハードな曲も、しっとりバラードも歌いこなすもんね。
でもね、Toshlくん、日本人には謙虚とか奥ゆかしいという美徳があってね……いや、まあ、いいけど。ボケなのか素なのか分からないところがあって、かわいいな、おい!

Toshl「今日、みんなにどんな曲を聴いてもらおうかと思っていろいろ考えたんですが、これをやろうって一番最初に決めたのがこの曲です。みなさんへの想いを込めて、Morning Glory」

正直、私はこの瞬間まで、この曲のことをほとんど忘れていた。私の中の「聴きたい曲リスト」にも「セットリスト予想」にも入っていなかった。
けれど、Toshlの深くやさしく語りかけるような声で、しっかり歌詞を噛み締めながら聴いたら、「この曲を歌いたい」と一番に決めたToshlの想いが素直に流れ込んできて、感謝の気持ちと愛しさでいっぱいになった。
曲のサビに「I love you 心から 捧げる あなたのすべてに 素直に ありがとう」という歌詞がある。
自惚れかもしれないけれど、私たちはToshlにとても感謝されているし、とても大切に思ってもらえていると思う。そして、心のどこかがちゃんと繋がっていると、そう思う。

Morning Gloryを歌い終わると、Toshlは「いやぁ、こうやって座って聴くのもいいね」と呟いた。その言葉に、私たちはまた思わず笑ってしまう。それで、「え、また何か変なこと言った?」と驚くToshlくん。
うーんと、自画自賛と言うか……いや、いいんだけどね! でも、表現としては「座って聴くのも」より「座って聴いてもらうのも」のほうが正しいんでは?

Toshl「こんなこと言ってるから、また天狗になってるとか言われるのかなあ」

ええっ!? 誰かに天狗になってるって言われたの?

Toshl「僕、天狗になってる? なってたら、なってるって言ってね」

客席「なってない!!」

Toshl「大丈夫?」

私たちは力強く頷いて、口々に「大丈夫!」と叫んだ。
大丈夫だよ、Toshlくん。天狗じゃないよ。お茶目で面白いだけだよ。
(って言うか、Toshlなんだから天狗になってもいいと思うけど。)

GraceとMorning Gloryのやさしい声から一転、群青の夕紅れは再び力強く歌い上げる。

そして、Toshlは次の曲を「天使のメヌエット」と紹介した。この曲はちっとも記憶になく、タイトルを聞いたときはもちろん、歌が始まっても全く思い出せなかった。帰ってから調べたら、97年(X JAPAN脱退・解散前)に発売されたアルバム『碧い宇宙の旅人』に収録されていた。このアルバムは当時買った記憶がある(けれど、そのあと悲しくなって捨ててしまった)。だから天使のメヌエットも絶対聴いたことがあるはずなのになあ。
まあ、私の記憶の話はどうでもいいとして、この天使のメヌエットはGraceやMorning Gloryにもましてやさしい声で本当に心地よかった。やわらかく穏やかな光に包まれているようで、安心感とあたたかさが胸に満ちてくる。こういうのを、癒しって言うんだよね。誰に強制されるわけでもなく、Toshlの内側から滲み出る癒しの声。ロックか癒しか、じゃない。深みも力強さもやさしさも、シャウトもハードロックもハイトーンも癒しも、全部、Toshlの真実。

そのあと、いつまでも どこまでも、それから武士JAPANと続いた。また総立ちになって盛り上がる。天使のメヌエット、いつまでも どこまでも、と来て、武士JAPANですよ。やさしい声で癒したと思ったら、今度は全力で煽ってくるわけですよ。いやー、ホント「幅広い音楽性」ですわ。

その次のBeautiful Harmonyはソロ曲で3本の指に入るくらい好きなので、最近しょっちゅう歌ってくれて嬉しい。サビの英語詞はToshlと皆とずっと歌っていたい。

アンコールは、Toshlだけが登場した。
Toshlが楽曲を制作したフジゲームスのゲーム「ORDINAL STRATA」のイメージ画像がスクリーンに映し出されて、ゲームに使われるCRYSTAL MEMORIESという曲が流れた。Toshlはこちらに背を向けて椅子に座り、私たちと一緒にスクリーンを見て、一緒に曲を聴いていた。
CRYSTAL MEMORIESは全編英語詞で、広大な海を思わせる壮大なバラードだった。「フルオーケストラを使っているので今日のライブでは再現が難しく、生演奏はできなかった」とのこと。また、「ゲームのためにもう1曲作ったけれど、それは大人の事情で今日は解禁できない」とも言っていた。時の海へ、というタイトルで、CRYSTAL MEMORIESよりハードな曲らしい。
「ORDINAL STRATA」はスマホ用ゲームで、夏に出るらしい。それに合わせてCRYSTAL MEMORIESと時の海へも発売されると思う、と。ゲームは、時空を超えて散らばった魂を集めてどうのこうの……という物語だそうな。私、スマホじゃないからなあ。

Toshl「僕はそれまでゲームとかあんまりやったことなかったんですが、やってみると結構……」

Toshlはそこまで言うと、笑った。何かを隠すような、言いよどんだ笑い方だったので、何かなあと思ったら、

Toshl「いや、二次元とかよく分からなかったけど、ゲームに出てくる女の子のキャラクターが結構かわいくて……こうやって深いとこまで関わるとね」

おーい! そこか! なんだかんだ言ってToshlも男子だな!

「ゲームはあまりやったことなかったけど」のくだりで、30年前のゲームしか知らなかったというような話もしていて、「あれから30年……」と言うので、客席からは「きみまろ!」と声が飛んだ。

それから、去年10/29にあった「プレミアムバースデー昼公演」のリベンジ公演を3/26にやる、とToshlからアナウンスがあった(当日はプレゼント抽選会が長引いてコンサートが短縮されてしまったから、追加公演をやるとToshlが約束してくれていた)。わーい、本当に追加公演やってくれるんだ! 嬉しいな! 楽しみだな!
「今年はこれからいろいろあるよ。去年もすごかったけど、今年はもっとすごいからね」とも言っていた。去年よりすごいのかあ。ワクワク! ちゃんとついて行くからね!

ライブの最後は雨音だった。バックバンドからバイオリンの人だけが登場して、演奏する。Toshlはピアノを弾きながら歌った。
雨音は、Toshlの思いの丈が詰まった曲だ。こちら側へ戻ってきたあと、2010年2月に発売したアルバムに収録されている。この曲の中で、Toshlは「私はすべてを失くしました」と歌っている。「あなたは私の光でいてください」とも。初めて聴いたとき、涙が止まらなかった。そのあともしばらくは聴くたびに胸が締め付けられた。
でも、いまはちょっと違う。かなしいだけじゃない。私たちに向けられた想いを、本当に愛しく思うし、全力で受け止めたい。それに、Toshlは確かにとても大きなものを、取り返しのつかないものを失ったのだろうけれど、それでもいま、ここにこうして大きなものが残っていて、Toshlはそれを分かっていると思う。

雨音が終わると、Toshlは深くお辞儀をした。それからToshlに促されて、バイオリンの人も一礼。他のバンドメンバーは出てこなかった。せっかくだから、きちんとバンドメンバーを紹介してくれればいいのになぁ。

「ヴォーカリストToshl」の魅力を余すところなく堪能できたライブだった(まさに幅広い音楽性!……笑)。X JAPANの曲をやらなくたって、もう本当に大満足だ。いろんな歌を聴けて良かったな。嬉しかったよ。

(続く)


2017年02月11日(土) ToshlバレンタインROCK祭り!「PREMIUM ROCK NIGHT」〜VIP編

恵比寿ガーデンホールで行われた「ToshlバレンタインROCK祭り!」2daysに行った。
2日ともVIPバックステージツアー付きのチケットを買った。
(いつも思うけど、Toshlの場合は「バックステージツアー」じゃないよね。舞台裏なんて見たことないもん。VIPの内容に不満は全然ないけど、名称はそろそろ変えた方が良いと思うの)

1日目は「PREMIUM ROCK NIGHT」と題して、ソロ曲のみとのことだった。
開場前にDVDを買って握手券をゲット。握手券にはいつもToshlが描いた絵が入っていて、今回はバレンタイン仕様のかわいいキャッToshlだった。
開場後、受付の人にバレンタインのプレゼントと手紙を預けた。チョコレートはたくさんもらうだろうから、今回のプレゼントはお気に入り店のかりんとうセットにした。
エレベーターで2階に案内してもらい、待合ロビーでVIPの特典グッズを開けながらしばらく待つ。特典グッズは、Toshlが音楽を担当したスマホゲームのTシャツと、以前のライブで披露した歌が収録されたCD(2曲入り)、そして青く光る猫耳カチューシャ。ほんと、Toshlは光り物をくれるのが好きよね。

1日目のこの日は全席指定で、会場には椅子がぎっしり並べられていた。壁と椅子の間、車椅子がぎりぎり通れるくらいの隙間を進み、椅子が置かれていない一番左側の最前列に案内された。すぐ目の前に大きなスピーカーがあって、スタッフが「ここで大丈夫でしょうか?もし音が大きすぎて気分が悪くなったら言ってください」と気遣ってくれた。そんなことを言ってもらえたのは初めてだ。

猫耳カチューシャを付けてしばらく待つと、Toshlとバンドメンバーが登場した。まだVIPタイムであって、ライブ本編ではないからか、Toshlは白いシャツにストールというラフな格好。
この日のバンドメンバーは、ドラム、ベース、ギター、ピアノ、チェロ、バイオリン、サックス。全員黒づくめで、大人の落ち着いた雰囲気を醸し出している。目の前のスピーカーに遮られてドラムの人が全然見えなかったけれど、ステージの一番下手にちゃんといたはず。サックスの人は、ライブ本編が始まるとフルートも吹いていた。なんて多彩な!ギターは、おなじみのCUTTくんだ。

Toshlが「みなさん、こんにちは!」と挨拶する。その一言だけで、キラキラした気持ちになる。弾んだ声で「こんにちはー」と返す私は、まるで無邪気な幼稚園児だ。
Toshlが最初の曲として紹介したのは「薔薇のように咲いて桜のように散って」だった。客席から歓声が上がる。YOSHIKIが作詞作曲して松田聖子が歌ったこの曲は、発表当初から、いつかToshlの声で聴きたいと願っていた曲だ。

Toshl「愛しのよっぴーが作った曲です。YOSHIKIが久しぶりに日本語で作詞した曲」

きゃー!「よっぴー」って、なんなの!かわいらしすぎる!どんだけYOSHIKIのこと好きなの!

Toshlが歌う「薔薇のように咲いて桜のように散って」は、私の想像をはるかに超えていた。深みのある声、表現力、声量、力強さ……いやあ、びっくりした。圧倒されて、目も耳も心も釘付け。感嘆。曲の最後、Toshlの「泣いてー」という歌声だけが響き渡り、伸びて伸びて、そしてすーっと消えていった。私たちは、その声が聞き取れなくなる最後の最後まで心を奪われていたから、曲が終わっても、静かな余韻に浸ってしまって瞬時に拍手ができなかった。
いまのToshlだから歌える歌い方なのだと思う。儚げで日本的な曲調の世界観には女性の声の方が合うのかもしれないけれど、Toshlの声によってこの曲の新たな一面が見えた気がした。Toshlの歌でこんなに魅力的に聴こえるのは、もちろんToshlの力量が大きいけれど、YOSHIKIが作った曲だからでもあるんだろうな。これは絶対、音源化すべきだと思う。ソロライブの、しかもVIPタイムに来た人しか聴けないなんて、もったいない。

Toshlは「どうだった?」と聞き、拍手と「良かったよー」の歓声の中でも、「ルリラ〜のところが、ちょっとうまくいかなかったけど……」と照れ笑いしていた。そして、「いやあ、素晴らしい」と呟いたと思ったら、すぐさま我に返って「素晴らしいって、YOSHIKIがだよ?」と念を押すのだった。うん、かわいいよ。いやあ、素晴らしい!

続いて、プレゼント抽選会がおこなわれた。まずはToshlがロス……だったかな、海外で買ってきたというネクタイ2本。ギターの形をした派手なネクタイで、正直、Toshlからのお土産じゃなければ絶対いらないよね!と思ってしまう代物。スタッフが持ってきた紙袋から座席番号の書かれた紙をToshlが引いて、ネクタイにその場でサインしたうえで2人に1本ずつプレゼントした。そのネクタイのことを「着ける?着けないでしょ?」って言う。じゃあなんで買って来たんだ!
ちなみに、抽選の紙が入っている紙袋を見て「それ、僕の靴が入っていたやつじゃない?そんなのでいいの?」とスタッフに突っ込んでいた。そんなことまでわざわざ言っちゃうToshlが好き。客席から笑い声が続く。場が和む。「薔薇のように咲いて桜のように散って」を歌っていたときの貫録はどこへ。Toshlの魅力の一つは、なんと言ってもこのギャップですよ!ギャップ萌え。

次のプレゼントは、以前ロータリークラブで講演したとき胸につけたという、紅白の花形リボンだった(徽章っていうの?)。「これどうしようかなあと思って、みんなにあげたら喜ぶかなと思って、引き出しにしまっておいたんだよ。これ、いる?着けないでしょ?着けて下さいね。講師用って書いてあるから」って。いやいや、着けないよね。Toshlのサインがなかったら、ネクタイ以上にいらないよね。ほんと、何でもくれる。面白すぎる。もうこれはプレゼント抽選会というより、ネタ大会なのかしら?
その次はストールだった。「この前、キティちゃんで買ってきたんですよ」とのことで、「51のおっさんがキティちゃんっていうのもあれだけど」と、はにかむのがかわいい。サンリオの人にお店に呼ばれたとか、連れて行ってもらったとか、そんなことを言っていた。ということは、Toshlマイメロディはまだ続いているのかしら。グッズがちっとも一般発売されないから、立ち消えになったのかと気になっていたけど。
ストールは、キティちゃんでイメージするようなかわいらしいものではなくて、黒とラメ入りグレーの大人っぽいデザインだった。Toshlが「どう?」と、自分の首に掛けて見せる。これならお出掛けに使えそうだ。ネクタイや講演会のリボンは喜びつつも微妙な空気だったけれど、このストールには客席が本気で欲しいモードになる。私も含め、みんな正直だ。さらに今度は、なんとグッチの時計が出てきた。Toshlの私物じゃなく、買ってきたらしい。プレゼントがだんだん高価になるなあ。
そして最後に「じゃあ、もう一つあげよう」と言って、Toshlが自分の右手首に着けていた幅広のブレスレットを外して掲げた。おお、太っ腹!これは抽選ではなく、Toshlとじゃんけんして最後まで勝ち残った人がもらえた。
私は何も当たらなかったけれど、和気あいあいとしたこの雰囲気が楽しい。こういうのがVIPタイムの良いところ。

VIPの最後は、待ちに待ったLove Songの公開レコーディングだ。この曲は、X JAPAN解散後に出た曲で、当時いじめ撲滅キャンペーンのテーマソングになってテレビCMで流れていた。この曲を再録するということで、公開レコーディング、しかも客席の私たちにもフルコーラス歌ってほしいと、事前のニコ生で告知されていた。

Toshl「みんな、練習してきた?アルバムが埃かぶってたんじゃない?あのアルバムどこにしまったっけ、って探したんでしょ?」

Toshlは笑いながらそう言った。私は、Toshlのこの言葉を聞いた瞬間は、だいぶ前のアルバムだからそう言っているのだろうと解釈した。けれど、そうではなかった。もっと深い意味が込められていた。
Toshlは続けた。

Toshl「このCD聴いてもいいのかなあ……って思ってるんじゃない?聴いていいんですよ。聴いて下さい。新しい出発なんだから」

柔らかく笑って、少しだけ声を落として、でもはっきりと、そう言った。
今回の2日間のライブの中で、最も深く心に刻まれた言葉。そして、これから先もずっと忘れない、忘れたくない言葉だ。

Love Songは、98年に葉加瀬太郎とのコラボで出したアルバム『壊れた世界でカナリアは歌う』に収録されている。その頃、Toshlはすでに「向こう側」に行ってしまっていた。
このアルバムは、私の手元にない。収録されている曲のいくつかは記憶に残っているので、発売当時に買ったはずだ。でも、洗脳報道が加熱し、そのあともときどきToshlの近況を見聞きする中で、かなしくなって捨ててしまったのだろう。Love Songはとても明るく前向きな曲だけど、あのカルトの影響が色濃い収録曲も多いアルバムだった(だいたい、アルバムタイトルからして……)。だから、今のToshlが楽しそうに精力的に活動するのを目にして昔のアルバムをしっかり聴き直してみたいと思うようになってからも、このアルバムを買い直すのはためらった。

「このCD聴いてもいいのかなあって思ってるんじゃない?」は、図星だった。Toshlは、なんでこんなに私たちの気持ちが分かるんだろう。なんでこんなに絶妙のタイミングで、こういうことを言ってくれるのだろう。
アルバムを買い直すのをためらったのは、聴きたくないからというより、洗脳下にあった頃の曲は封印しなければならないような気がしていたからだ。
でも、Toshlは「聴いていい」という。静かな声だけれど、それは「封印を解き放て!」という強いメッセージなのだと、私は勝手に解釈した。もしもToshlが何か迷ったり苦しい想いを抱えたりしたら、ファンとして背中を押せる存在でありたいと思う。だけど結局、いつも背中を押してくれるのはToshlで、押されるのは私だ。

Toshl自身も、封印を解いていっている最中なのかもしれない。
Toshlがまた一歩前に進めたように感じて、そのことが一番嬉しかった。私たちに向かって、はっきりとああいうふうに言える心境であることに安堵した。
Toshlは、過去を取り戻しつつあるのだと思う。前に向かうこと、これからの人生を幸せに歩むことはとても大事だ。同時に、過去を自分の手に取り戻すことも、大事なことだ。他人に支配され、搾取されただけの過去じゃない。洗脳のさなかにあっても、ToshlはToshlとして必死に生き、必死に歌ってきた。その奥底には、他人が奪おうとしても奪い尽くすことのできなかったToshl本来の輝きが確かにあったはずだ。あの長く壮絶な日々のことだって、肯定してもいいところは、肯定すべきだ。それが、過去を自分の手に取り戻すということ。

Love Songを再録することは、Toshlの言う通り新たな出発であり、大きな意味を持つことなのだろう。この曲に溢れるToshlの素朴な明るさとやさしい眼差しはまさに「肯定すべきところ」であり、誰にも歪められることのなかったToshlの本質だ。この曲を、傷つけられた長い年月の記憶に埋もれさせてはいけない。
この再録に私たちを立ち会わせてくれること、参加させてくれることに、感謝した。私たちは、大切にされている。そして、それはおそらく、Toshlが自分自身を大切にしているということでもある。
97年、98年の曲を堂々と歌うこと、あの頃の曲をいま再録すること、私たちに当時のアルバムを聴いていいと言うこと、それらはすべて、Toshlの回復過程なのかもしれない。

(ちなみに、「聴いていい」と言ったToshlの名誉のために書いておくが、アルバム『壊れた世界でカナリアは歌う』は、あのカルト団体のレーベルではなく、きちんとしたメジャーレーベルから出ており、カルトの影響が色濃いと言っても、カルトの首謀者である男が制作した楽曲は一曲も収録されてない。)

開演前にLove Songの歌詞が配布されていた。右下にはギターを持ったキャッToshlが描かれている。


Toshlは「みんな頼むよ?みんなが音を外したら、途中で止めるからね」なんて言って笑った。それから、CUTTくんに1回練習するようにと指示した。歌詞は「空に」で始まる。CUTTくんは「出だしはソだけど、音はシなんですよ。ソだけどシとは、これいかに」と漫才みたいなことを言って場を和ませる。
CUTTくん先導で、練習として1番だけ皆で歌ってみた。そのあと、いよいよレコーディング本番。Toshlが「いい?行くよ?後ろのほうも、いい?」と声を掛けると、客席のやや後ろから男性の「はーい」という間延びした声が聞こえた。それで、「やる気あるの?大丈夫?」と、Toshlがまた笑う。なんだろう、うん、なんか、何もかもが楽しい。

Toshlがスタッフにも準備OKか確認して、レコーディングが始まった。
みんなで歌う。Toshlも、ギターを弾きながら歌う。歌っているToshlも見たいし、手元の歌詞用紙も見たいし、もちろんちゃんと歌いたいし、忙しい。
曲の最後のほう、ラララが続くところでToshlは歌うのをやめ、私たちのほうへ腕を伸ばして「もっと大きな声で」と促す。そして、また自分でも歌い始める。笑顔で、とっても楽しそう。それが、よかったな、と思う。
レコーディングはあっと言う間だった。Toshlは「いやあ、まさかこうやってみんなに歌ってもらってレコーディングできるとは」と感慨深げだった。「X JAPANではKiss The Skyを公開レコーディングしたことあるけど、あれはウォーウォーだけだったし、フルで歌ってもらうってね」と。今回レコーディングしたLove Songがいつリリースされるかは明言しなかったけれど、「X JAPANはいつ出るか分からないけど、僕のは確実に出ますから!」だそうな。いや、X JAPANのアルバムがいつ出るか分からないのも困るんだけどなあ……。

こうして、VIPタイムは終了した。VIPだけでも楽しすぎて大満足。

(続く)


桜井弓月 |TwitterFacebook


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