月に舞う桜

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2011年11月18日(金) ダウン

風邪を引いていた。

と言うか、いまも引いてるなあ。

日曜日の夜、喉がむずむず、咳が少し出始めた。
月曜日、喉の奥の方が日曜よりはっきりとイガイガ、むずむずしていたけれど、それほどつらくなかったので出勤した。
が、帰って、夕飯を食べている頃に熱が出てきて、しんどくなった。

火曜日の朝、ささやき声しか出なくなっていた。
仕方がないので、会社への「休ませて下さい」という連絡を母にしてもらった。
その日の昼間、声は出るようになったが、熱が38度2分まで上がった。

完成した新しい電動車椅子を見に行くために、元々水曜は有休を取ってあった。体調が回復しないので車椅子の件はキャンセルし、有休はそのまま活かして家で療養した。

熱が下がり、喉の痛みもだいぶ取れたので、木曜日から出勤した。
が、鼻水と咳が止まらない。特に鼻水は、いったいどこからこんなに溢れ出てるの? と不思議なくらい、とめどなく出てくる。
ティッシュが手放せない。仕事中も昼休憩時も、常にボックスティッシュをすぐそばに待機させている。

今年の風邪はしつこいらしいから、いつ完治するのやら……。


2011年11月12日(土) 白金台散策→恵比寿ランチ

昨日(11月12日)、高校時代の友達と、久しぶりに会った。
思い返せば、「会おうよ」という話をしたのは去年12月のことだ。
そのとき話はまとまったのだけれど、私が風邪をこじらせてキャンセルしてしまった。
(ちなみに、その風邪は肺炎へと発展したのであった)
年が明けて、春に会おうかということになったのだけれど、私の母が手術することになり、なかなかその日程が決まらないこともあって気持ちが落ち着かないので、手術が終わって元気になるまで延期させてもらった。

その後、震災があり、夏の間は輪番休業もあり、何かとバタバタしているうちに、今になってしまった。

月日が経つのは本当に早い。


そんなこんなで、私の都合でずっと延び延びになり、三度目の正直でやっと会えた友達と、白金台にある「国立科学博物館附属自然教育園」というところに行った。
広い広い、自然公園である。

白金台という駅は、初めて降りた。
駅から公園までの道には、舶来物の食品を売っているお店やお洒落な造りのおうちが並んでいた。


公園内は砂利道で坂も多く、老体に鞭打って散策した。
あ、「老体」とは、もちろん私のことではなく電動車椅子のことである。
帰りのことを考えるとバッテリーの残量が心配なので、公園内の半分くらいは友達に車椅子を押してもらった。

紅葉にはまだ早かったけれど、右を見ても左を見ても緑に囲まれ、頭上にも広がっている木々の葉を見上げれば間から青空がのぞき、とても気持ち良かった。
空気がきれいですがすがしい。
雨模様で寒かった金曜日とは打って変わり、晴れて暖かな日だった。こういう日に来ることができて、運が良かったと思う。

松の大木や、まだ色づいていないカエデや、ムラサキシキブという風情ある名前の低木や、小さな赤い実をつけた草木があった。
池もあったのだけれど、葉っぱが生い茂ってよく見えなかったのがちょっと残念。


公園をぐるっと回ったあと、歩いて恵比寿に向かった。
いかにも高そうなマンションの前で、営業マンらしき人にガーデンプレイスまでの道を訊く。
マンションの駐車場には、ザ・金持ち! な車が並んでいた。
坂道を上ったり下りたりしながら、ガーデンプレイスへ。
お金持ちの住む町は、坂が多い。
(↑偏見)

友達が予約してくれていたレストランで、たっぷりの野菜と生ハムのサラダ、それとパスタを食べた。
レストランは39階にあり、壁は一面ガラス張りで、しかも窓側の席に通してくれたので、眺めが良かった。都心を一望できるのだ。

高層階から地上を見下ろすと、地球は丸いのだと実感できる。
眼下に広がる大都市。あそこには、いろんな人がいて、それぞれいろんな生活があるんだなあと思いを巡らせると、街ごと、愛おしくなる。


東京タワーとスカイツリーを同時に眺めることができた。
私は、東京タワーの方が好きだ。末広がりで安定感があるし、派手ではないけれど目に留まりやすい色合いも良い。
スカイツリーは、形が近未来的であまり好きじゃない。まだ馴染んでいないからかもしれないけれど。

新宿の方を見ると、ビルが立ち並ぶ都心の中でもそこだけ突然変異みたいにひときわ高層ビルが密集していて、異様な光景に思えた。
まるで、一人だけ飛び抜けて業績が良い社員の営業グラフみたいである。
もしくは、「聖☆おにいさん」風に言うならば、「新宿だけ、バベられちゃうよ!」って感じである。

ランチがそろそろ終わる頃だっただろうか、公園を散策していたときと違って雲が出ていたのだけど、新宿から赤坂辺りにかけて太陽の光が一筋伸びていた。
他の場所に比べてそこだけ明るく輝いて見え、何かの道しるべみたいで不思議な感覚だった。


友達とは、近況を報告し合い、高校時代の先生や仲間のことも話題にした。
そうしたら、1年のときの担任に会いたくなった。
高校生活を振り返るとき、2年の担任と3年の担任を差し置いて、真っ先に思い出す先生だ。
数学担当で、イラン人みたいに顔が濃くて、顔に似合わず丸文字で、面白くないダジャレを真面目な顔して連発する先生。

会いたいなあ、先生。


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