月に舞う桜

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2010年11月07日(日) 冬眠休暇希望

1ヶ月以上も日記を放置してしまった。
別に、特別忙しかったわけでも体調が悪かったわけでもない。ただ、書くのが面倒だっただけ。
日記をさぼっている間に、外はどんどん寒くなり、あんなに暑くて「もう、いい加減にして!」と思っていた夏が懐かしいくらいだ。
朝、通勤中に体を縮めながら「これから毎朝こんなに寒いのかあ」と思って、めげる。課長に「2月まで冬眠休暇を下さい!」と言ってみたところ、当然のごとく却下されながらも、「俺も休みたい」と返された。

さて、この1ヶ月の間、何をしていたかと言うと……。

■インストラクター研修
10月の初め、インストラクターの研修に参加した。7月に前期研修があって、今回はその続きである後期課程だ。前期もしんどかったけれど、後期もなかなかヘヴィーな3日間だった。連日の宿題、急にお題を提示されて1分間スピーチ、数々のグループワークと発表、コーチング実習、10分間スピーチ……。
ヘヴィーな分、とても内容が濃く実りも多い研修だったと思う。インストラクターとしての自分の課題と目標も見えてきたし。コーチング実習では、前々から自分でも気づいていた点を指摘された。「フィードバックが長い。しゃべりすぎ。回りくどいから、言い訳みたいに聞こえる」と。昔から、要約の類が苦手なんだよなぁ。だけど、「コーチングの基本姿勢は理解しているし、出来ている」とも言われた。
自分のこれまでの経験は、すべてきちんと繋がっているんだ、と思った。産業カウンセラーの勉強を通して学んだ傾聴や共感的理解という、基本姿勢とスキル。産業カウンセラーの延長で勉強したファシリテーション。それから、今年の春から夏にかけて通信講座を受講したコーチング。全部、インストラクターに必要不可欠なものだ。
人生、無駄も大事。でも、無駄なことなんて、本当は何一つない。


■人生2度目の歯医者
健康診断で「歯石がついてるので、歯科を受診するように」と言われ、10月後半に行ってきた。30年も生きてるけど、歯医者は2度目である。ちなみに歯医者初体験は9歳のとき、ぐらぐらする乳歯が自然にはなかなか抜けないので抜いてもらいに行った。
私は、歯並びが悪いのに、これまで1度も虫歯になったことがない。これが数少ない自慢のうちの一つなのだけど、虫歯がないのをいいことに油断していて、気がつくと歯ブラシが届きにくい見えないところに歯石が溜まっていたそうな。私の油断を見透かしたように、医者に「虫歯になりにくい体質みたいですが、虫歯の菌と歯周病の菌は違うので、気をつけて下さいね」と注意された。
ガーガー、シューシューと怖い音のする機械で歯石を取ってもらい、最後に全体をチェックしてもらったところ、上の左右ともに親知らずが生えていて、しかも両方とも完全に出ているのではなくて埋まっているらしい。しかもしかも、右は虫歯になりかけている、と! 「親知らずは虫歯を治療する機具が届かないから、虫歯になったら抜くしかないですからね」と脅されて帰ってきた。
親知らずを抜いて大変な目に会った人を何人も知っているので、いままで以上に真面目に歯磨きに励む日々であります。


■まさかの健康診断結果
つい先日、9月末におこなった健康診断の結果が来た。
なんと、マンモグラフィーで右の乳房が撮影できていないと言うではないか! あんなに痛い思いしたのに! 「心配だったら婦人科でエコー検査を受けて下さい」って。
そして、血小板が少なめとのこと。「要観察」で、心配するほどの数値ではないらしい。だけど、ただ「血小板が少ないです」と言われても、それによってどんな影響があるのか、どんなことに気をつけたらいいのか教えてくれないと、どうすればいいのやら。とりあえず気をつけて鉄分を取っていればいいんでしょうか。


■岡田月間
10月はテレビが岡田くん月間でしたよ! 映画「SP」が10月末に公開されたので、その前にドラマの再放送があり、映画の宣伝のために岡田くんが連日フジテレビに出ていた。スマスマ、ペケポン、はねとび、食わず嫌い……。萌え〜な毎日でございました。


■Coccoライブ
11月2日、Coccoのライブに行った。そのことは、また後日詳しく書きたいと思う。


2010年11月02日(火) Coccoエメラルドツアー

Zepp Tokyoで行われたCoccoのライブに行った。
XJAPAN以外のライブに行くのは久しぶりだ。一度はこの体で直に体験したいと思っていた、念願のCoccoのライブ。


セットリスト↓

ニライカナイ
首。
強く儚い者たち
Light up
十三夜
カウントダウン
4x4
クロッカス
のばら
カラハーイ
あたらしいうた
焼け野が原
樹海の糸
三村エレジー
Spring around
Stardust
眠れる森の王子様
蝶の舞う
絹ずれ
玻璃の花


ライブは60分の予定だったけれど、大幅に伸びて90分以上……2時間近くあったかな。MCは最小限で、ほとんどずっと歌いっぱなしだった。
ちょっとXのライブのあり方を考えてしまったなあ。
ライブ時間はXのほうが長いのに、曲数は断然Coccoのほうが多いんだもの。しかも、Coccoは曲と曲の間の待ち時間がなくて、最初から最後まで全力疾走なのだ。
Coccoと同じようにやれとは言わないけど、Xのメンバーにも少しは見習ってほしいものだよ。

ライブは想像以上に凄まじかった。CDも迫力があるけれど、生のCoccoはそんなもんじゃなかった。
あの細い体のどこにあんなエネルギーがあるのか不思議で仕方ないくらい、それはもう体中から気迫がほとばしっているのだ。

1曲目の「ニライカナイ」の出だしでCoccoが「イーヤ、ハーイーヤー、スイ、スイサーサー」と掛け声を発した瞬間、体も心も完璧にCoccoワールドに持って行かれた。
溢れ出る情熱、狂気と呼んでもいいほどの感情に感化されて、泣いてしまった。

喉やお腹じゃなくて、魂で歌う人だ。
マイクを持っていないほうの手を肩から胸の高さに上げて、時おり体を大きく前後に揺らして歌う姿は、大袈裟じゃなく神がかって見える。
最近のCoccoの歌には、よく琉球言葉が使われる。私は、その言葉を理解できない。理解できない言葉を投げかけられるから、余計に神がかって見えるのかもしれない。

人は様々な感情を抱えながら、それを自分で抱えることができなければ捨てて忘れ去ってしまう。Coccoは、人が捨ててきたそういう大切な感情を一人ですべて受け止めて、私たちに伝え返す。そうして、私たちに思い出させる。
彼女の歌う姿を観ながら、そんな印象を持った。


今回のライブはツアータイトルから考えるに、新アルバム「エメラルド」の曲ばかりやるのかと思っていた。
でも、昔の曲も結構歌ってくれて、私にとっては嬉しい誤算だった。

特に素晴らしかったのは「カウントダウン」だ。
あの狂気の世界にぞくぞくした。
曲の最後、
「3つ数えるまでに天使に会える さあ 目を閉じて 撃ち殺してあげる 3.2.1」
のところでステージの照明が消え、ピンスポに照らされたCoccoを観たときは、体中に鳥肌が立った。「撃ち殺されたいっ!」と思ってしまうくらい、虜になった。
なんて光の似合う人なんだろう。いや、正確に言えば、Coccoは「光が作り出す影」がとても似合う人だ。

それから、ずっと生で聴いてみたいと思っていた、「焼け野が原」。
念願がかなって感動した。
歌い始めたとき、私はあまりの嬉しさに「あっ」とか「ひゃぁっ」とか、何か叫んでいたと思う。


細い体は、いまにも倒れそうで痛々しいほどなのに、それでもどこか美しく感じた。
Coccoはライブ中盤で、両手を広げてくるくる回ってみせた。その姿を見て、バレエをやっていたから体に芯が通っていて、きれいに見えるのかもしれないと思った。
もちろん、彼女が美しい理由はそれだけではないだろうけれど。

「のばら」のとき、トライアングルを一度だけ「チン」と鳴らす仕草がかわいらしかった。
「首。」や「カウントダウン」を歌ったときとはずいぶん印象が違う。
愛も狂気もかわいらしさも、すべてCoccoの見せる表情。

「眠れる森の王子様」では、スタッフが何かミスしたらしく、歌い始めて2小節くらいでCoccoが曲に乗って「もういっかーい!」と叫んだ。
ライブは、こういうアクシデントも面白い。

MCでは、街を歩いてるときに「Coccoさんですよね?」と声を掛けられたけれど、ツアーのリハのことを考えて頭がいっぱいだったので、否定も肯定もせずに無視してしまった……というエピソードを話し、「ごめんやー」と謝っていた。
あまりサービスできないから、せめてちゃんと歌います、というようなことも言っていた。


「玻璃の花」を歌ってすべてを終えたとき、Coccoはステージ上で崩れ落ち、うわーっと声をあげて泣いた。
抱えてきたもの、走り切ったこと、いろんな想いが込み上げて溢れたんだろう。
泣き崩れるのも納得できる、濃密なライブだった。
Coccoは、メンバーに支えられるようにして、ステージを去って行った。

こんなライブをまた観たい、とは気軽には言えない。
でも、またあの空間に行きたい。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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