ありったけコイン since 2001.06.27
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以前から遠くに見えていた別離が手を延ばせば掴める所まで来たので…
手を延ばした
私は多分もう誰も愛さない
あの人は1つも証拠を残さない。
もしかしたら、あの夜自体、幻だったのかもしれない。
あんなにやさしく触れられたのは、初めてだった。
このままでは、私は溶けてしまうと思った。
そして、あの人が私の唇に人差指を押しあてて、はにかむように微笑むのを見て、私は「愛してる。」と言われたと勘違いしてしまった。
あの人は1つも証拠を残さない。
あの人に招かれたあの夜。
軽い気持ちで行ったあの人の部屋。
あの夜から、私の心は止まったままだ。
戻りたいのか、進みたいのか、自分でもよくわからずに、止まったまま、動けずにいる。
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