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永遠の半神...楢原笙子

 

 

羊水#3 - 2006年01月14日(土)



しばらくくちびるを重ねたあと
彼はわたしの顔を見た。
それからもう一度ぎゅうっと抱きしめて
耳元で囁いた。


ずっとこうしたかった・・・


甘い痺れが身体中を巡った。

今じゃなければと思いながらも、答えることが出来なかった。
眼を閉じて、ただその言葉だけを感じようとした。


再びのキス。


彼のくちびるには力が加わり、
歯をこじ開けて舌が侵入してきた。
固く引っ込んだままのわたしの舌を探りながら、
大きな手のひらで胸を包んだ。

包んだ手のひらが、やわやわと全体をほぐした。


(ああ・・・)


思わず緩んだ舌を、彼は逃さず絡め取った。
くちびるはいっそう強く、
むさぼるように重ねられた。

ほぐされた胸は大きく揉まれ、
重みをはかるように下から持ち上げられた。
指先が絞りながら頂に集まり、
くるくるとそこを刺激した。


快感がびりびりと下半身に伝わった。


咄嗟にあそこにぎゅっと力を入れた。
膀胱はもうほとんどいっぱいで、
快感に身を委ねると今にも爆発しそうだった。


まだほとんど知らない他人と、
急速に接近する瞬間。
一番ときめくはずのその時を
わたしは待っていたはずだったのに。











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羊水#2 - 2006年01月07日(土)




人の手が入っているのに
どういう訳かその公園には
トイレらしい建物の影は見当たらなかった。
隈なく見て歩いた訳ではないけれど、
あからさまに探すことも出来ずにいた。


座ろうか?


彼に促されて芝生に腰を下ろした。
その時何を話したのかは覚えていない。
陽差しは暖かく、芝も乾いていたけれど、
地面の奥には冷たさがあった。
ただ言い出すきっかけを待ちながら時間が過ぎた。


寒い・・・

ようやくそれだけを言った。


彼は驚いたようにわたしの顔を見て、
自分のジャケットを脱いだ。
そうしてそれをわたしの肩に掛け、ぎゅっと抱きしめた。


冷えたかな


そう言って背中をさすり、手を握り、頬に触れた。
暖かいくちびるが重なった。

じんわりと伝わってくる温もりを感じながら、
思わず身体を固くした。
彼はそんなわたしを解そうと、
次第にエスカレートしていった。

余裕のないわたしの言葉が
彼にきっかけを与えたのだった。










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