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永遠の半神...楢原笙子

 

 

輪舞#1 - 2005年08月31日(水)

あっあっあっ
カウンターの中にあるシンクの縁に手を掛けて、
わたしは後ろから貫かれていた。

閉店後の喫茶店。
バイト代を取りに行って、
そこでなんだかえっちな雰囲気になっちゃった。
マスターは最初からわたしに興味があったみたいだった。
歳は40過ぎぐらいでオトナの男って感じ。
左手の薬指に指輪があるけど、奥さんはどんな人か知らない。

舞ちゃん、狭いよ、すごくいいよ
耳元で囁かれてゾクゾクっとなった。
マスターはわたしの右脚を持ち上げて、ズンと深く突いてきた。
くうぅっ
ぴったりしたニットの下で、
ブラを突き破りそうに乳首が尖ってた。
カウンターの少し向こうにはドアがあって、
そこからだってはっきり解る。

だ、誰かきたら、見られちゃう
平気だよ
そう言うとマスターは、スルッと抜いて、
わたしの身体を自分の方に向かせた。
そして尖った乳首をつんと弾いて、強くつまんだ。
あんっ

あっ、ひとが来る
マスターの囁き声にびっくりしてその場にしゃがみこんだ。
じっと耳を澄ませて様子を覗うわたしの眼の上に、
ズボンから跳び出したマスターのアレがあった。
わたしの液で濡れて、赤黒く光っていた。

大丈夫、ここじゃなかった
そう言いながらマスターは、ソレを手で掴んで、
わたしの顔に擦りつけてきた。
額や瞼や鼻をぬるぬるが通って、
口を開けて受け止めようとしたら、頬へ逃げた。
あんっ

欲しい?
欲しいって言ってごらん

・・・欲しい
唇をこじ開けるようにして、口いっぱいにソレを頬張った。
なんだか苦いような変な味がして、
これがわたしのあそこの味なのかと思った。





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赦し#6 - 2005年08月29日(月)

その彼とはたった一度きりだった。
バイトも変えた。
なんでだろう・・・。
一方的に弱みを晒してしまったことが、怖かったのかもしれない。
あのまま彼と続いたら、きっとわたしは、
いつも赦してもらう側の人間でなきゃいけない気がした。

あのセックスが必要だったことに変わりはない。
心を病んではいても、身体は歓びに震えることができた。
感じていたあらゆる場所が、
敏感に健やかに生きているわたしを主張していた。
淋しさに怯え、感情に蓋をして、
いつも死が身近にあったはずなのに、
身体はまるで別のものみたいに生きいきと跳ねた。

その実感を得たときから何かが変わった。

同じようにひとりの夜がきて、
後悔に押しつぶされそうになって、
相変わらず薬のお世話になっていても、
まだわたしは生きている。

そしてもう一度恋をしたいと、少しだけ思う。










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赦し#5 - 2005年08月28日(日)

彼は
わたしの両足を肩に抱え、全体重を掛けて突いて来た。
角度が変わったことで、刺激される奥に、
苦しいような快感が加わった。
さらに彼の指が敏感な突起にあてられ、
同時に彼のものがぐるりとえぐるように擦られた。

きゃああああ

出るのはもう叫び声に近い。
理性も何もかも吹き飛んで、今その器官が感じることだけが、
彼の硬い肉が与えてくれる快感だけが全てだった。
ただひたすら昇りつめたかった。

あああー・・だめえええ

一瞬頭の中が真っ白になり、
地の底から頂きへと一気に駆け上った。
わたしの奥はぎゅうっと収縮して、
この強烈な快感を搾り取ろうとした。
彼は低い声を出しながら、摩擦が増した抜き差しを少し繰り返し、
そして抜き、わたしの腹の上へ放った。

生暖かいものを感じながら、
わたしはたゆたうようにどこか遠くを彷徨っていた。










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赦し#4 - 2005年08月25日(木)

ホテルの暗い部屋の空気に晒され、
剥き出しのそこはひんやりと心もとなく、
満たしてくれるものを求めて、ひくひくと蠢いていた。

彼の手がわたしの手を掴み、導かれた先に、求めていたものがあった。
それはビクンと跳ね、怖い位に硬さを増した。
驚いて引こうとすると、強い力で戻され、また握らされた。
彼の手に誘導されたまま、
それはわたしの濡れた場所に押し付けられ、亀裂に添って上下した。
(くちゅ・・・ぐちゅっ)
剥き出しのふたつのものが立てるいやらしい音。
自分のとは別の肉のなまなましい温かさに、
わたしは再び熱さを取り戻し、
ほとんど気が狂いそうになった。

ああ・・は、はやく

(ぬちゅっ)
亀裂の深みの中へ彼のものが一気に突き立てられた。

あううっ

他に何も届かない、わたしの奥の奥。
そこへ向かって侵入する熱い肉の感覚。
そう、そうだった。これが欲しかった。
ずっとずっと待っていた。

もっと奥までそれを迎えたくて、淫らに足を開いた。
彼はわたしの膝を掴んでベッドに押し付け、
激しく抜き差しを始めた。
身体中の感覚がそこだけにどんどん集中していく。
甘痒いような快感の全てを味わい尽くそうと、
わたしのそこが膨らんでは縮み、彼の肉にぴったりと絡みつく。
絡みついたまま捉えて放さず、身体ごと持って行かれそうになる。

あんんっ・・あんっ

声がオクターブ高くなり、
身体は更に高みを求めてうねっていった。










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赦し#3 - 2005年08月21日(日)

ううう・・んっ

塞がれたままのわたしの口からは、くぐもった声しか出ない。
もどかしさの中で感じる彼の指づかいが、
次第に激しく無遠慮なものになって、下着の脇から滑り込んだ。

んんっ

直接肌に伝わる指の感触が堪らない。
男の人の指・・・。
淋しさの中で、どんなに欲しかったか解らない。
自分を慰める時とは違う、しっかりと節くれた指が
わたしの繊細な縁をなぞり、突起を刺激し、
そしてそのまま濡れた入り口へ。

もう耐えられない。
これ以上我慢できないと思ったとき、ふいに声が解放された。

あああっいいっ

彼の指がとうとうわたしの中を掻き回し、突起には別の感触が加わった。
柔らかくいやらしく動く舌。
敏感なそこをぴちゃぴちゃと舐め、つつき、吸う。
痺れるような快感が何度も突き上げてくる。

その度わたしは思わず身体を硬くし、弛め、
繰り返しの中でとろりと溢れるものを感じる。
もうそれがわたしのものなのか、彼の唾液なのか解らない。

ようやく下着が剥ぎ取られ、全てが剥き出しになった時には、
もうお尻にまで達するほど濡れていた・・・。











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赦し#2 - 2005年08月19日(金)

彼はわたしに同情しただけなのだと思う。
それでもよかった。
誰かに赦してもらうことが、こんなにも必要だった。


くちびるを重ねたまま、ベッドに倒れ込んだ。
彼の手がわたしの服の上から全身を確かめるように動き、
そのまま胸を柔らかく揉みしだいた。
ほとんど忘れかけていたその感触に、思わず声が漏れた。
彼の手が胸の突起を探り当てた。
ふいに下着ごと捲り上げられ、くちびるがそこに押し当てられた。

甘く優しく包まれ、舌で突起を転がされ、
その快感は痺れるように下半身に伝わった。
ぎゅっとちからが入る。
たぶんもうわたしはいっぱいに濡れてしまっている。

ああ・・・

その声を合図に、彼の手が下に伸びる。
胸から伝わった痺れを確認するように、全体を包み、大きく揉み、
指が円を描いてやがてゆっくりと上下する。

あっ

彼の指が敏感な部分を通る。

ここ?

彼が耳元で囁く。

再びくちびるを求めながら、彼の指は一点を刺激してきた。
片方の手で胸を強く掴まれ、急激な快感に我を忘れた。










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赦し#1 - 2005年08月17日(水)

いつも淋しかった。

一緒に住んでいた彼が出て行ってから、
何度か死にたいと思った。
同じ部屋にわたしはいて、彼が置いてった歯ブラシや
好きだったCDなんかを見つけるたびに、
残されたことが堪らなくて。

鬱だったのよね・・・。
自分では気付かなかったけど、離れて住んでいた親が
病院に連れて行った。
今でも薬は飲んでる。
死ぬんじゃないかってまだ心配してる、たぶん。

なんでこうなったんだろう。
わたしがワガママだったのかもしれない。

そう言ったとき、ふいにくちびるを重ねられた。

バイト先にいた社員のひとりだった。
特にいい男でもなかったけど、スーツ姿は清潔な感じがして、
誘われて飲みに行った。
だんだん、今だけでもいいからって思って、
独りの部屋に帰りたくなくて。


我儘でいいんだよ。


そう言って彼は、もう一度くちびるを重ねてきた。
わたしの言葉を探るように舌を差し入れて、
柔らかく次第に強くなるその動きに、
いつしかわたしも彼の舌を求めていた。
もうそれだけで、全部が溶けてしまいそうだった。








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アダムとイブ - 2005年08月16日(火)

全円だったはずのからだが

ふたつに割かれて

わたしと

あなたになった

その記憶は失われたまま

何処かにいるはずのあなたを

今日も探している

欠けるわたしを

開き

埋め

満たし

つながる半身と半身が

かつてひとつだったのだと

思い出させてくれる

あなたを









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