2013年06月04日(火) |
情けは味方、仇は敵なり |
ここ最近、誰かが辞めたという話をよく聞く。どの人も部内で評判がいい人で、三十代前後の最前線の働き盛りだ。理由は様々で「今任されている仕事が嫌だから」「待遇に納得がいかないから」。 筆者の勤め先はブラック企業と呼ばれる企業と比べるとマシな会社だ。セクハラやパワハラの話もほとんど聞かないし、残業代もきちんと支払われる。三年以内で辞める人数は確かに少ないだろう。 だが十年以内ならどうなのだろうか、と思ってしまうほど、七、八年目で辞めて行く人の多さが際立って見えている。仕事を十分に理解して、現実と自分への期待のすり合わせが終わり、現実的な向上心が見えてくる頃だ。そんな時期に辞めてしまうということはごく冷静に会社に見切りをつけたということだ。人事部はどう思うのだろうか。上司は責任を感じないのだろうか。 社内で評価されている、つまり会社にとって絶対的に価値のある人間が辞めて行く。これは営業が大きな額の案件を逃すのと同じくらい、会社にとって大きな損失とは考えられないだろうか。 「人は城、人は石垣、人は堀」という言葉がある。会社も所詮人の集まりだ。人材こそが会社の力なのだ。それを意識できない会社に未来はない。
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