言の葉孝

2013年03月26日(火) 煙を憎んで人を憎まず

 煙草を吸ったことはないが、吸うことのデメリットは理解しているし、煙草の匂いをかぐことはできるだけ避けたいと思っている。喫煙者のマナーは路上へのポイ捨て、受動喫煙を気にしない振る舞い、など「何故迷惑だと分からないのだろう」とも思うが、筆者は喫煙を理由に喫煙者自身を避けたいと思ったことはない。

 先週、高校教諭はある男子生徒が煙草を吸っていたことから自主退学を促そうとした際に、過去に起こった不審火に触れて「お前は放火魔」だと言い放ったというニュースが報じられた。どういう意見が出ているかとツイッターを見てみると、驚いたことに半分以上が「煙草を吸ってる生徒が悪い」という意見だった。
 それは論理的におかしい。不審火は出火原因不明で処理されており、男子生徒は煙草を吸っていたから退学になるのである。確かに原因は喫煙行為であるし、わざわざ録音していた生徒にも妙なところはある。それでもこの教師の「放火魔」発言を肯定する意見は到底受け入れられない。

 どうも嫌煙主義の意見は喫煙行為憎さが余った喫煙者自身の否定が目に余る。時には喫煙すらば人に非ずと人権すら認めない罵倒が、本当に喫煙行為を咎めるに相応しい言葉だろうか。


2013年03月19日(火) テキスト速報で追うWBC

 WBC第二ラウンドにおける日本対台湾の試合は女子サッカーW杯決勝以来の興奮を味わわせてくれた。8回からのシーソーゲーム、鳥谷と井端で同点に追いつき、延長で中田が勝ち越し打。そこからは毎試合、筆者はWBCの試合を追っている。

 しかし実は筆者の下宿にはテレビがない。筆者の観戦は主にインターネットの日刊スポーツのテキスト速報だ。日刊スポーツと名指すのはそれなりの理由がある。有り体にいえば面白いのだ。
 例えば韓国の一次ラウンド敗退が確定した台湾戦。7回裏では「一、三塁のファウルゾーンにいるボールガールがセクシー過ぎる」と記述している。他にも日本の試合では井端が一押しで、「井端はいいバッター」と余計な駄洒落を付け加える、選手には日刊スポーツ占いなるものを表示する等、茶目っ気たっぷりである。
 ツイッターではこの速報に対してみんなでツッコミを入れて楽しんでいた。「みんなで観戦」をネット越しに実現していたわけだ。
 筆者は井端を初め、牧田など、このテキスト速報の観戦で憶えた選手がいる。まじめにやれ、と叱る方はおられるかもしれないが、筆者はWBCを今までで一番楽しませてくれている日刊スポーツの遊び心を評価したい。


2013年03月12日(火) 肥満児童に関する仮説

 筆者は土日になると、部屋の外には出ない。そうすると、いつもより空腹を感じる機会が多いものだ。おかげで平日より動かない週末につい間食をしてしまう。
 そこで思い当たったのが肥満児童である。大人の肥満は本人の責任が問われるが、子供の肥満は親の責任である。そして、太った児童の振る舞いを見るに、あまり躾が行き届いていない事が多い。
 そこで「肥満児は親とのコミュニケーション不足の結果である」という仮説を提唱したい。

 子供が太るのは欲しがるままに菓子を与えるからである。では子供は何故菓子を欲しがるのだろうか?
 筆者が空腹を覚えるのは大抵、何もしていない時である。あてもなくネットサーフィンをするような、眠気もストレスもない時、食欲は顔を出すのである。それはおそらく子供も同じだ。退屈で他に何も欲しいものがない時に腹を空かせる。
 児童は多くの時間を親と過ごすことになる。そしてまずすることは親と話すことなのだ。できなければ人間の三大欲求の一つである食欲が顔を出す。

 今、子供を育てている人は、菓子を欲しがる子供を黙らせるために菓子を与えてはいないだろうか? その子供の欲しいのは本当に菓子なのか、どうか一つ考えてみてほしい。


2013年03月05日(火) 嘘付きの初歩

 他人が詐欺の嘘に騙されているのを見ると、どうしてこんな嘘に引っかかってしまうのだろうと不思議に思う。実際、言動に矛盾があるなど、少し疑えばバレる嘘は多いものだ。
 筆者も人間であるから、悪い嘘が脳裏に浮かぶことがある。しかし、それを口にすることはない。嘘が発覚するのが怖いからだ。

 筆者も昔、少額ながら詐欺でお金を取られたことがある。財布を落として三重の伊勢市まで戻る金がないと縋られて貸してしまったのだ。後から手口を知れば典型的な寸借詐欺である。ここで、筆者は知らない人にお金を貸すという常識的ではない選択をしている。

 後から考えると一緒に交番に行くべきだった。詐欺でなかったとしても、警察がなんとか処理してくれただろう。
 詐欺師だった場合は、絶体絶命のピンチに陥るわけだが、彼はそれを恐れていなかったのだろうか。筆者が物知らずだから助かったものの、警察に連れて行かれる可能性はかなり高かったはずだ。
 だが、恐れていなかったのだろう。要するに、詐欺師は筆者を舐めきっていたのだ。嘘は人を舐めるところから始まる。騙せると思うから嘘をつく。その分析を見誤った時、嘘つきは人を舐めることのリスクを被ることになるのだ。

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