言の葉孝

2006年11月28日(火) 休みがあるほど忙しい。


 先週はかなり忙しかった。普通は祝日をはさんだ週はゆったりした気分になるものなのだろうが、出るかどうか分からないオクトのためにバスケットボールの記事をまとめるのに忙しかった上にいろいろあったのである。

【11月22日(水):会社の内定者オリエンテーション】

 実は内定が決まってからさっぱり音沙汰のなかった内定先の会社にいくことになっていた。内定式とかはすっ飛ばし、いきなりオリエンテーションである。
 ただし、研修とはいえeラーニング(インターネット上での研修)のみで、この日に要ってしまえばあとは3月31日まで来る必要がないという面倒くさくなくていいやら、かえって不安なのやら、という対応だ。

 でもeラーニングで本当によかった。普通の講義形式だったらついいつものクセで眠ってしまうところだった。

 学校が月曜日と木曜日の授業数を確保するために、木曜日の祝日を登校日にし、この水曜日を祝日にしていた。水曜日は授業をとっているものが少なく、水曜日が祝日であることにまったく意味を感じない。おそらく学校の策略だろう。
 俺もその例に漏れないので一祝日損した気分だ。どのみち木曜日は一般的な祝日ということでバイトが入っているため、サボることになっていたのだが。


【11月23日(木):地元でバイト】

 今の俺のアルバイト先は派遣会社で、俺は方々に回されるのが常であるが、この一ヶ月はずっと同じ勤務地である。地元のショッピングモールの電器屋でFAX販売である。地元ということで、家からかなり近く、今まで11時開始のために8時までには出なければならないところが多かったのが、10時半に出ても間に合うところになった。
 それはいい。非常にいい条件だ。

 悪い条件としては、働いている人数に対して明らかに休憩所が狭すぎる(最大で10名しか座れない)とか、電器屋のクセにトイレの電灯が点くのがスイッチを入れて30秒後であるとか(しかもそれ1基しかない)、そんな些細な悪環境もどうにかやりくりすれば少し不便に感じるだけで済む。

 ただ、FAXが売れないのは如何ともしがたい。「FAXって言ったって、特に要らないし……」とか「メールとケータイがあれば事足りるし……」という客の声に、俺はどうしてもろくな反論が思いつかないのである。
 そして売れなければ面白くない。つまらない。いくら勧めてもどう勧めてもさっぱり食いついてこないので、ものすごくやりがいがない。

 まだ京都でデジカメ売ってるほうがましだった。


【11月25日(土):真夜中の和歌山遊覧】

 土曜日は完全無欠に休みなので、翌日のバイトに備えて(基本的に日曜日と祝日に入る)のんびりしつつ、なかなか時間が取れないのでバスケ記事のまとめにかかっていたわけだが、途中でフラ君から「今からそっち方面に行くから」と電話が、てっきり家にこられるのかと思いきや、近くにあるラーメン屋に食べに行くから一緒にいこうとのこと。合流してみると、タニナカさんやヤシダ君も一緒だった。
 さっき電話をしたところが梅田で、今、阪南。乗ってきた車はレンタカーというのだから、相変わらずとんでもない行動力の先輩たちである。

 近所にある、というのに、30分後、まだ店に着かない上に県境を越えて和歌山入りした。結局うろ覚えだったらしく、その店は見つからず別の店でラーメンを食べ、タニナカさんが用事を済ませるのに付き合う。
 もうやることもなくなったし、夜も遅いし、なんて理由だけで「もう帰ろうか」ということにはならないのがフラ君である。

 そしてどういうわけか向かったのが高野山である。

 『頭文字D』にも出てきそうな峠のヒルクライム。運転のフラ君は調子に乗ってかなりスピードを上げていたので、車の横Gはかなりきつく、みんな車酔いをしかけているところに後ろから車がやってきた。
 スピードを上げているとはいえ、四人も乗っている車がまともに張り合えるはずもなく、後続車はどんどん近づいてくる。しかし、その車種を見て驚いた。なんと4tトラックだったのである。
 かなり重量がありそうなのが、俺たちの乗るレンタカーの一般車をカーブであおり、ストレートで抜き去ってさっさと見えないところまで突き放して行ってしまった。なんだったんだアレは。

 高野山といえば真言宗の創始者である弘法大師・空海が即身仏となって安置されている場所であり、日本で一番霊験あらたかな場所のひとつだ。
 すでに草木も眠る丑三つ時(2時のこと。この時間が一番心霊現象が起こりやすいとされる)を回った夜中にまともな場所が開いているわけがなく、こんな時間に入れるのは奥の院に続く道である。
 実はこの道は墓場で、歴史的にも有名な織田信長や豊臣家のお墓もある(むろんいくつかあるうちのひとつなのだろうが)。樹齢が高そうな木がずらりと並ぶ中に林立する墓はバリエーションに富んでおり、見ごたえはあった。

 奥の院には“弥勒石(みろくいし)”と呼ばれる石が収められている祠がある。格子状の壁で一箇所、片腕だけが入れられるように大きく格子が開いているのだが、これは中の裁断は階段状に上の段と下の段に分かれており、下の段におとした石を、大きく開いた格子から突っ込んだ片腕で上の段に持ち上げることができれば願いがかなうのだとか。
 罪が軽ければ軽く、重ければ重いといういわれもあるが、とりあえず僕の場合は重く感じた。とても片手では無理なので、小さい格子の間からもう片方の腕を通して両腕で持ち上げたのだが、やはり片手ではないとご利益はないのだろうか。

 結局帰り着いたのは午前4時。ノリであんな真夜中に高野山に行ってしまったのだが、もともと出不精の気のある僕である。ああでもしなければ高野山に行くことはしなかったに違いない。
 それに、突然とはいえ誘われて嬉しかったことは否めない。


【11月26日(日):売れた兄弟】

 ぶっちゃけて言うと、僕の担当するのはブラザーという会社の製品である。特に複合機分野ではかなり強いのだが、いかんせんFAXを買いに来た人に複合機を勧めてもサイズがあまりに違うので、感心はされても最終的に「考えてみます」で変えられてしまう場合が多い。
 ところが今日はなぜか即決の客が多く、新しく出たばかりで値段もまだ高いMFC−850が売れたものである。2台売って、在庫がなくなってしまったくらいだ。FAXでも僕が売ったわけではないがFAX−360が出てたし、なぜ今までこんな調子で売れなかったのかという感じだ。

 ま、特売期間がこの日までだったという事実を考えればなぜもくそもないのであるが。


【11月27日(月):母の11月の健康運】

 母が今度はぎっくり腰でベッドに臥せっている。つい二週間ほど前に救急車で運ばれたばかりなのだが、今月の母の健康運はきっと類を見ないような下降具合にちがいない。もうすぐ12月に入るが、来月に入ってからしばらくは健康状態でいてもらいたいものだ。

 一応大学のバスケ記事を書いたので、先週の月曜日に練習を見せてもらった女子バスケ部に原稿を渡しに行った。一日張り付いていたわりには大して扱いが大きくないのでひょっとしたらがっかりされたかもしれない。
 本当はまだかくことは無きにしも非ずだったのだが、スペース上3分の2ページ以上は取れなかったというのが現実である。
 ここ最近バスケットボール(特に大学のバスケットボール)の事をよく調べているので、資料として手に入れた『月刊バスケットボール』の内容がかなり理解できるようになった。

 一応、2ページあがったが、まだ10ページ以上は書いておきたい。明日明後日でどうにかJBL紹介記事にケリをつけ、木、金でbjリーグ紹介記事のほとんどは書いて、土曜日のbjリーグの試合のための下調べを済ませたいものだ。
 島本さんのインタビュー記事は、切って貼ってするだけなので、一日あれば十分だろう。来週の金曜日がリミットだが目いっぱいまで時間を書ければ、一応記事は完成する……はずである。


 というわけで祝日があっていつもより休みが多かろうが、それゆえに忙しかったという感じは否めない。少なくとも来週の金曜日まで忙しい状態に変わりはなさそうだ。しかしそれが終われば全力でまほゆめ執筆に取り掛かろうとおもう。





web拍手レス(うあ、ワードで4ページ分にもなってしまった!)

>その○○です。自分以外に、ちゃんと四行小説を書いてくれている人を始めて見ました。でも検索したのに、web拍手しか出てこない。

 web拍手感謝メッセージで書いているヤツの話ですね! 小説ネットで見かけて以来いつか挑戦しようと思っていたのですが、思いのほか難しく文章にこめられる情報量の限界を感じました。
 なので、申し訳ないのですが今普通のショートショート連作として書き直しつつあります。

 初めてとは言いますが「四行小説」で検索したら他にも結構出てきますよ?

 って言っても、検索して直接web拍手のほうに行ったら、分からないんですよねー、あのページにホームページのリンクはないし。
 そのうちmixiのメッセージで送らせていただきます!


2006年11月21日(火) 勉強を否定するな


 やることが多くて正直日記を書くつもりはなかったのだが、ついつい見てしまった『僕の生きる道』でいろいろ考えることが多かったので、それを書き留める意味で書いてみることにした。

 お母さんが病院に精密検査に行ったり、“都古ちゃん”夫婦の仲に影がさしたり、明らかにフラグっぽいシーンがちりばめられている『僕の生きる道』。実は障害者問題だけではなく、可能な限りいろんな問題を取り扱っているらしい。
 そのひとつが今回の話のメインだったのだが、昼ドラの『キッズ・ウォー』などでもよくある教育ママと子供の関係問題だった。子供の気持ちやストレスを考えずに勉強ばかりを強要する母親。今日の話はきれいにまとまっていてよかった。

【勉強を否定するな】

 “今夜のドラマの話とは関係のないことなのだが”(誤解を与えてはいけないので強調しておく。ドラマで語られていたことは今から主張することとは別のことだ)、ガリ勉タイプのキャラクターを弱々しい脇役として、勉強より青春を謳歌するキャラクターを華々しい主人公として描くなど、ドラマや漫画では「勉強ばかりしているのはよくないことだ。学校の勉強なんか社会の役に立たない」という風潮が目立つ。

 しかし、この風潮は現在深刻な問題となっている子供の学力低下の一端を担っていると考えているのは僕だけだろうか。

 漫画などで、こういう風潮の物語に触れたとき、僕も「勉強するだけ馬鹿を見るんだ」「学校の勉強は無駄なことなんだ」「勉強より好きなことをやればいいんだ」と思ったことがある。思っただけで勉強を完全に放り出して遊ぶだけの度胸はなかったが。

 でも、現在の考えは違う。話して面白いと思える人間は勉強熱心な人ばかりだ。
 大学の先生などはその典型で、その知識が豊富なためにいろいろな物事に関して深い考察を行っており、実際の事件だけではなく、映画や文学作品ひとつとっても、常人ではおよそ思いつくことのできないくらいの分析力を見せる。
 このあいだインタビューをさせてもらった島本さんも勉強熱心な人でバスケットボールのプレイ自体はほとんどできないのだが、「この選手は出身が○○で、ここは××な地域だから、〜なんですよ」というふうに、各選手の背景について非常に詳しい解説ができる。

 「勉強ばかりしてはいけない」とか「受験のためだけに勉強をするのは滑稽だ」という事には非常に賛同できるが、「勉強するだけ馬鹿を見る」という風な勉強する者自体を否定する意見は容認できない。

 小学校の勉強だろうが、中学校の勉強だろうが、勉強は教養だ。やっていて損はないし、何も受験のためにする勉強が勉強ではない。
 勉強とは対極の存在と見られやすいスポーツだってその例に漏れない。ルールをはじめ、世の中にどんな技術や戦略があるのか、自分を鍛えるにはどういうトレーニングがいいか。こういうのだって立派な勉強だ。
 スポーツでなくても、何をするにも“真剣にやろうとすれば”結局どんな形であれ「勉強」がついて回るのである。

 何もやりたいことがないうちから基本的教養である「学校の勉強」に背を向けていては、いざ自分の道が見つかっても、その道を歩くための「勉強」に拒否反応を覚えて、中途半端な姿勢で取り組むことになってしまうことになりかねない。

 具体的な話、勉強をすれば教科書を読み、語彙・知識を増やすことで、いざというとき「勉強のために本を読む」というところで抵抗感を覚えずにすむ。せめてインターネットで長文を読めるようにはしていたい。

 「学校の」でなくてもいい。「資格」や「単位」といった形で報いられないものでもいい。勉強は常にしておくべし。





web拍手レス(「人生死ぬまで勉強」はジョークでもなんでもない、ただの事実だ)

 今日の拍手コメントはなし。


2006年11月18日(土) 20分で5800字


 やはりテープ起こしは疲れる作業だ。20分で一時間くらいかと思ったら二時間かかった。この作業をやっていると人間が「話す」って作業でどれだけたくさんの情報を早く発信しているか分かる。
 話し言葉をそのまま文章に起こしてみると、いろいろなことに気がつくものだ。たとえば、妙に筋が通ってなかったり、わき道にそれたり。ただ聞いているだけだと、それでも理解できるのだが、文章として読むととたんに分からなくなったりする。
 聞くのと読むのとでは脳の中でのデータ処理の仕組みがまったく違っていたりするのだろうか。入り口が違うだけだと思っていたのだが。

 それでも今回は1対1だし、島本さんは話し方を心得ている人なので、まだそれでも楽なほうだ。(前は1対3の上、騒がしいところで話していたので大変な思いをした)ちなみに前回の反省から、俺があまり口を挟まなかったのもあるが。

 ていうか、まだテープ起こし40分も残ってるんだが。今日の調子からすると、4時間……。今日3分の1でも手をつけておいてよかったかもしれない。


【匠の時代 2巻(内橋克人/講談社)】 評価:C(ためにはなった)

 世界初の自動焦点を備えたカメラ「ジャスピンコニカ」を世に送り出した小西六(現在のコニカミノルタ)、人工革開発競争を勝ち抜き「エクセーヌ」を開発した東レ、赤字の工場も「ふとん乾燥機」などのヒット商品を生み出すことで立ち直らせた三菱電機の物語を描く内容となっている。

 全巻と同じく、専門知識のない読者でも理解できるように書いてあるが、今回は構成に問題があった。次々とエピソードが入れ替わり、立ち代わり、続くのかと思いきや別の話に入り、終わったと思った話が蒸し返されたり、話に一貫性がなく、その点がとても読みづらかった。
 また、細かい話だが自分はコニカになってからしか知らなかったので、小西六(読み方さえ分からない)という名前を急に出されても「ピッカリコニカ」の名前が出されるまでどの会社のことか分からなかった。新版が出たのは2003年だからもうすでにコニカどころか株式交換でコニカミノルタになっているのだから、その点の修正はしてほしかった。
 しかし今のコニカミノルタがカメラから全面的に撤退している現実を踏まえてこの話を読むと、少し切ない。
 しかし、東レのエクセーヌはどんな素材か実物は見たことないので分からないが、まったく触れたこともない業界だったので読んでいて面白かったし、三菱も社内でもマデンやチューデンといった各工場の間で競争があるのを見て、こういう会社もあるのか、と勉強にはなる内容だ。




web拍手レス(ちなみに今日の日記で大体1000字くらい。その6倍近くの文字量になるんですね20分しゃべり通しだと)

 今日の拍手コメントはなし。


2006年11月16日(木) 一日が短い。


 どうも一日が短いような気がする。いくら『Dr.コトー診療所』を観ても、もうちょいゆっくりできてもいいような気が。
 でも今日は学校で『日経エンターテイメント』の編集長・品田氏の講習があるのを知って急遽聞きにいったので、8時半帰宅だったからだろうか。

 とりあえず、『クリエイター』と『映画秘境』の校正は終わった。(入力はまだだけど)さて、明日からバスケットボール特集のネタ集めに動くとするか。目標は来週中に大学のバスケ部の取材をしつつ、テープ起こしを終わらせることだな。
 何らかの誘惑に屈したり、ほかの用事をまかされたりしない限り、なんとかこなせるのではないだろうか。





web拍手レス(ところでカミヤ君はいつ『映画秘境』の印刷をするつもりなのだろう)

 今日の拍手コメントはなし。


2006年11月14日(火) 新しいサイトの構想


 問答無用で始まった通常授業は一限目からである。予想通り、大学祭直後とあってか一限目の参加人数はごくわずかしかいない。

 とりあえずモモサポの方は今抱えている案件をすべて消化したわけだが、これからどうなるのだろう。一応、俺もモモサポ、ここは他人事みたいに言っているべきではないのだろうが、俺自身はやることはたくさん抱えている。

1、『クリエイター』と『映画秘境3』の校正。
 ま、明日一日で片付けられるだろう。

2、『オクト43号』用の記事を書く
 とりあえず記事の構想を紙に書き出しつつ、島本さんのインタビューのテープ起こしをしなくてはならない。島本さんのインタビューは一時間近くかかったのでどれだけかかるかわからない。以前に40分のインタビューのテープ起こしをしようとしたら死にかけたしなぁ。
 とりあえず、記事の構造としては、うちの大学の学生を対象に、バスケットボールの歴史やら、大学バスケの世界を紹介する感じがいい。うちのバスケ部の様子を取り上げ、大学バスケの頂点と、大学バスケの主な大会などを取り上げてみたい。
 だとすると、近いうちに大学のバスケ部に取材に行かなければ。確かマスオカ君がコネクションを持っていたような気がするのだが。
 とにかく引退原稿だ。手は抜きたくない。

3、まほゆめの執筆。
 忙しさにかまけて前回アップして以来、半月さっぱり手をつけていなかった。一応いろいろ書き出してはいるがなかなかまとまらないが、一応、月末までには書き上げたいところだ。



 今すぐに作るわけではないが、俺は新しいサイトの構想を持っている。それは、上の『オクト』で取り上げる予定の『バスケットボールの世界の紹介(無論仮題だ)』。このように、いろいろな「世界」を取り上げていく、コラム風のサイトである。
 島本さんも含め、俺は今までいろいろな職業の人と話をしてきたが、その人が自分の仕事を語るのを聞くのが面白かった。どの人も苦労話や、経験談があり、リアルな割に面白い。
 そういった世界を渡り歩くように紹介していくサイト、名前は『Planes Walker』がいい。

 知識を仕入れるたびに、世界が広がっていく。
 今まで気づかなかったことが目に付くようになる。
 それだけで、つまらなかった世界が見違える。

 考えるだけで、運営が大変そうなサイトだが俺がもっとも人に伝えたい事のひとつを、そのサイトで表現できるのではないだろうか。





web拍手レス(新しいサイト、実現したらしたでますます小説の更新が遅くなるのではないだろうか)

>北方さんは、やっぱ三国志っすよ三国志! そして水滸伝! さあ、一緒にときめきましょう!(笑)

 よ、読みたいのは山々ですが、とてもあんな大長編に手を出す余裕は……ッ!


2006年11月13日(月) 3泊4日の大学祭


 この週末は大学祭前日から大学祭3日目まで、3晩泊り込んだ。ただの模擬店業務ならそんなに居残る必要はなかったのだが、今回は大学祭に配布するはずだった『映画秘境』の執筆編集作業が週末までもつれ込んでしまったため、徹夜作業を余儀なくされたのである。
 もともと、ノルマの5作品分の紹介を書いたら終いにするつもりだったのだが、ページが少ないということで、締め切り後15作品分を書き足した。

 また、モモサポのほうでもNBA解説者の島本和彦氏を招いての講演会を抱えていたため、2晩目と2日目はもっぱらそちらのほうで活動をしていた。元々、大学祭は人手の少ない出版会のほうをメインにするつもりだったので、今までの講演会の準備段階はほとんど手をつけていなかったが、当日スタッフとしては参加するつもりだった。
 ただ、その折に島本氏にコネを持ち、この講演会を企画したマスオカ君の計らいでそのインタビューをすることになっていたので、出版会で泊り込みをしていたのは、その下調べと質問作りをするため、ということもあった。

 バスケットボール界のことはあんまりよく知らないので、そのすごさは実感できないのだが、調べれば調べるほど島本氏の凄さがわかってくる。実際、インタビューで話を聞いてみると、知識の豊かさや器の大きさというものが伝わってきた。
 島本さんについての詳細は一日に書ききれないので記事を書くための材料を並べるついでに、後に述べることとする。

 しかし、先に述べたとおり警備員や整理券配りの事務的でつまらないが責任皆無の仕事を任されるかと思いきや、インタビュー直後の島本氏の意向で講演会で話の終わったあと、ミニインタビューが盛り込まれることになった。
 何しろ、突然の提案。しかも人前に出て対談形式で島本氏と話せというのである。これで緊張しない人は心臓に毛でも生えているに違いない。しかし、島本氏は初めて試合の解説者をやったとき、さっぱり緊張しなかったそうだが。

 とりあえず、インタビューと同じことをちょこちょこ聞いていくだけで、島本氏はどんどん話して言ってくれたので僕がそれほど話す必要がなかったのでたすかった。あとで、モモサポの面々も「悪くなかった」と評価してくれたようで、とりあえずほっとしたが。


 さて、出版会の模擬店は射的屋だったのだが、一日目は金曜日だったために外来が少なく(←子供向けだから)、二日目は雨でさっぱり儲からなかったらしく(←前述の講演会で一日抜けていた)、どうなることかと思いきや三日目で大量に客がきてまあまあ儲かったようだ。一等は今回出なかったものの、三等以下がほとんど残らず、四等の飴玉が少し残っただけだったので、むしろ二日目も晴れてこの調子で客が集まったら商品が明らかに足りなかった。

 とりあえず今日で後片付けも終わり。明日の火曜日からは問答無用で通常授業が始まったりするのである。


【過去 リメンバー(北方謙三/角川文庫)】 評価:A(かなり良かった!)

 北方謙三作品は2作目だが、少し残念な感じがした前回(『さらば、荒野』と違い、この作品は読者が置いていかれることなく話が続き、川口の残した謎や渋い言動の主人公・内海の魅力に惹かれて、先へ先へと読み進むモチベーションが保たれる出来となっている。
 また、川口の、死体はただのモノだから尊重する必要はない、という思想に対し、この話の内海の行動で反論するというストーリー展開も暗喩的ではあるが比較的明快なメッセージだ。

 この作品はタイトルに記されるとおり、メインである内海が川口のために、彼が過去に起こした事件の動機を調べる過程で、今回関わってくる人物との出会いなどを思い起こす回想が頻繁に挿入されるのだが、それが物語に深みを与えているのも俺がこの作品に魅力を覚えた一因だ。ハードボイルドにしてはやや感傷的なほうが、俺としては好みなのである。

 ただ、苦言を呈すれば最後に明かされる過去が、矢沢一成の口からすべて語られてしまうことだ。推理小説で言えば、証拠をつかんで論理的に追い詰めていくところだが、この作品では犯人がすべてを語ってしまう。
 推理小説ではないのだから、特に推理で明かす必要はないのだが、せめて矢沢以外の人物から証言として語ってほしかった。


【匠の世界 1巻(内橋克人/講談社)】 評価:A(ためになった!)

 たまには溜まる知識の多いノンフィクションを読もうと思っていたところに大学の図書館で見つけた作品である。
 正直言って期待はしていなかった。あらすじを読むに、プロジェクトXを文章化したようなものだと思っていたが、映像ならともかく、往々にしてノンフィクションというのは面白みにかけると思っていたからだ。

 ところが読み始めてみると非常に面白い。今では身近にあるさまざまな製品が創り出され、今の形になるまでの過程が裏事情も含めて緻密に描かれている。
 この本でとても評価できるのは、技術屋で理系の話、しかもきちんと製品に使われる技術の説明は入っているにも関わらず、文系の自分が読んでも興味を失わなかったことだ。おそらく、そういう風に文章に配慮が見受けられた。

 あまり技術畑の事情はわからないが、最近は劇的な技術革新の隙があまりないが、このICやLSIが普及し始めたころの機械は進歩が目に見えてさぞ面白かったことだろう。





web拍手レス(さて、物品であふれ帰り、混沌とした部室をどうしてくれよう)

 今日は拍手コメント……はありましたが、レス不要ということで公開はしません。

 ご心配おかけしました。

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