読書記録

2024年11月29日(金) 九月が永遠に続けば / 沼田 まほかる



 
 高校生の一人息子の失踪にはじまり、佐知子の周囲で次々と不幸が起こる。
愛人の事故死、別れた夫・雄一郎の娘の自殺。息子の行方を必死に探すうちに見え隠れしてきた、雄一郎とその後妻の忌まわしい過去が、佐知子の恐怖を増幅する。悪夢のような時間の果てに、出口はあるのか――。

人の心の底まで続く深い闇、その暗さと異様な美しさをあらわに描いて読書界を震撼させたサスペンス長編。かして、息子が殺した…? 亡霊のように現れる過去の絆



2024年11月25日(月) 滅私 / 羽田 圭介



 愛着が湧く前に捨てる。それが鉄則だ――。
ライター業のかたわら、ミニマリストな生活を発信する男、冴津。貰った物は家に帰ると捨て、家具や服は極力減らし、無駄を削ぎ落すことを追求する日々。そんな「身軽生活」を体現する彼の前に現れた“かつての自分”を知る男。その出会いは記憶の暗部を呼び起こし、信じていた世界を徐々に崩壊させていく



若いときの無茶を思い出させる人物の登場で最後は・・・・死ぬのか??



世界中の人々がもし、僕やコミュニティの面々みたいに、物や無駄を捨て経験を大事に生きるという考え方だったらどうか。必要以上に装飾された陶器や洋服を買う人がいなければ、世界中のそういった品々は洗練されないままだったであろうし、華美な建築物だってなかった。
そういった物を作る職人や地域の経済発展、人々の生活や思考の多様性もなかっただろう。無駄の産物ともいえる文化は、それを求める人が必要だ。だから無駄遣いをしないというのは、褒められた行いでもない。






2024年11月20日(水) 介護者D / 河�� 秋子



 30歳、契約社員、未婚の琴美は、何となく住んでいる東京から、父の介護のためというより雪掻き要員として札幌へ戻ることを決めた。
まだ何者にもなれていない琴美の唯一の救いは「推し」の存在。
少女グループの一員『ゆい』

アメリカで生活してるシンママの妹がいる

父の飼っている老犬トトの介護も父に重なる


 ”D”とは 進学校を決めるときの偏差値のこと

ふと 思ったのは人としての価値を偏差値で決めるのなら私はどのランク??


最後は 父が施設に入って、トトを見送ったら動物看護師や動物介護士の専門学校が視野に入ってきて それはとてもいいなぁと思った。












2024年11月17日(日) ツミデミック / 一穂 ミチ



 家族や友人とのぶつかり合いや足掻き、コロナ渦のパンデミック、人間の怖さや身勝手さが見事に表現されてる

人はツミを犯すものだから
生きようとすれば欲が生まれる
欲ある所にツミはある



 違う羽の鳥
大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗る女が現れ…。


 ロマンス 
道ですれ違ったデリバリーのイケメンが配達してくれるのを願ってたのに、別の配達員に横恋慕されたようだ。


 燐光
心地良い昼寝から目覚めたように感じた
だが、私は付き合っていた高校教師と友人に殺されていたのだった


 特別縁故者
子供が近所のお爺さんから聖徳太子の旧一万円札を貰ってきた


 祝福の歌
高校生の娘が同じく高校生の男の子供を身ごもった
そんな折、骨折した母と血液型が合わないことが判明した


 さざなみドライブ
ツイッターで知り合った自殺志願者が決行するために集まった







2024年11月13日(水) 百年の藍 / 増山 実



 大正期。初めて目にしたジーンズに魅せられ、国産化を夢見る男がいた。
彼は情熱を傾けるが、いくつもの壁が立ちはだかり…。震災や戦争など時代に翻弄されながら、「想い」を繫いで生きた人々の百年の物語。

これは日本におけるジーンズの歴史から着想を得たフィクションです。



 青いズボン。
それは青というより藍の色だった。
しかし日本の「藍染め」とはどこか違う。
繊維の布地だが、初めて見る種類の衣類だ。
なんだろうかこれは。
初めて見るのに、ひどく懐かしい感じがした。
ところどころ擦り切れて色落ちすらしている。
穿き古したような藍の布地を、
恭蔵は美しいと思った。そっと指で撫ぜた。
 

恭蔵には、妙な確信があった。このズボンは、必ずや、日本でも、誰もが穿くようなものになる。それほど、恭蔵は、このズボンの、剥げ落ちたような、どこか懐かしいような藍の色合いに惚れ込んでいたのだった。この、良さが、きっと日本人にもわかる日が来る。










2024年11月07日(木) ベニシアの「おいしい」が聴きたくて / 梶山 正



失われゆく視力に不安を抱きながら生きるベニシアとの日々…。
病気が進行する64歳から亡くなる72歳までの、ベニシア最期の8年間の足跡を、夫である梶山正がつづったエッセイ集。レシピも収録。
アルツハイマー病−闘病記


「猫のしっぽ カエルの手」の ベニシアさん、亡くなられていたとは知らなかった。

PCA・視覚形成を担う後頭葉が萎縮する進行性の疾患。
失われゆく視力に不安を抱きながら生きたベニシアさん、心よりご冥福をお祈りします。


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