2019年04月29日(月) |
一切なりゆき / 樹木 希林 |
〜樹木希林のことば〜
希林さんの折に触れての言葉。
独特のキャラで生きてこられた説得力のある言葉の数々。
不器量というか、不細工だったことが自分で一番トクしたことだと言われる。 『寺内貫太郎』や、富士フィルムなどのCMで見られるように、美人を売り物にしていたら回ってこない役柄だった。 それゆえの結果で、もちろんご本人の人知れない努力もあっただろうがいろんな意味で人々の心に残っている。
私の興味あるテーマ、死。 それについても死ぬときぐらい自由にさせて、とか 今の人間は死にかたが下手だと言われる。 淡々と生きて淡々と死にたいとも。 これは私もまったく同意見だ。
それにしても、希林さんが内田裕也さんとのことでマスコミに取り上げられるとき、私はいつも思った。 男に頼らないで、女が自分の力で生きることの素晴らしさ。 私はもう手遅れだけど、羨ましいなと思う。
「おごらず、他人と比べず、面白がって、平気にいきればいい」
2019年04月24日(水) |
暮らしのつなぎ方 / 内田 彩仍 |
ささやかな幸せを積み重ねる
ナチュラルで丁寧な暮らしぶりを綴ったフォトエッセイ。
シンプルではあるけれど、断捨離とかいう言葉は出てこなくて、自分にとって使いやすくて心地良い物の囲まれての暮らし。
日々のことが億劫にならないように、例えばお掃除なら汚れたらすぐに拭く。 使い勝手のいいものに助けてもらって、気づいたときにその都度手入れをする。少ない労力で暮らしも気持ちもさわやかに保てたら、時間と心に余裕が持てます。
自分らしさを受け入れて 〜 これからも、たわいない毎日を愛しみながら、いろいろなことと向き合っていこうと。ひとつクリアするごとに「よかったね」と自分を認められる人でいたいと思います。
何冊かご本を出しておられるようで、さりげなくこだわった自分にとって心地良い、暮らしやすい日常を紹介しておられて、羨ましいの一言。
2019年04月15日(月) |
いつでも死ねる / 帯津 良一 |
タイトルに飛びついた。
がん治療の専門医。 漢方や鍼灸、気功などの中国医療も取り入れた治療をするために、郷里の川越に病院を開設されて、日々 がん患者にがん寄り添った医療を提供されている。
気分が落ち込むと、 治る病気も治らなくなる。 視点を変えて、 こころを切り替える。
「いつでも死ねる」覚悟が、 生きる力を強くする。
人間の本質は「かなしみ」である。 それがわかると、 生きることが楽になる。
まだ起こっていないことを 心配するのはエネルギーの無駄。
理想を持って、死ぬまで進み続けて、 志半ばで倒れるのが、かっこいい。
どうなるかわからない先の心配はやめて、 今に集中して、 あとは自然に身を任せてみる。
野垂れ死にの覚悟をすればもっと生き方が自由になれます。いざという時のためにお金を残しておこうと考えなくてもいいし、遺書だとかエンディングノートを書いておく必要もありません。
野垂れ死にを怖がらず、死ぬまで動き回りましょう。人間、何歳になっても、いくらでも可能性がある。
2019年04月11日(木) |
桃紅一〇五歳好きなものと生きる / 篠田 桃紅 |
フォトエッセイ。
紫檀の椅子、普段使いの器、手仕事の着物、拓本や絵、印など、どれも昔から使っている馴染んだ品々。
人は生きもので、死んだらそれまでです。 〜 人そのものは、死んだらそれまでで何もない。いくらその人が立派な人であろうと、どれほど大きな国の王様であろうと。 生きているあいだ、というものだけが、生きものの場で、なくなればそれで終わりだと私は思っています。 ただ、使ったもの、文章に書かれていること、その人にゆかりのあった物質は残ります。命には限界がありますが、ものには限界がありません。保存さえよければ、何代も前からのものが残っています。 しかし、それはただ、ものにすぎない。その人が使ったというだけで、その人が出てくるわけでもなんでもありません。
2019年04月05日(金) |
あなたの人生、片づけます / 垣谷 美雨 |
ゴミが捨てられない社内不倫に疲れた30代OL,妻に先立たれた家事音痴の木魚職人、二人の子供が巣立ってしまい見捨てられたと感じた資産家老女、最愛の息子を交通事故で亡くして以来、家事を放棄してしまった主婦。
登場人物たちはみんな、寂しさとか心の病から物を捨てられない、片付けられない状態を作っていた。 そんな心の状態を感じた大庭十萬里が片づけるのではなく、その人たちが自ら片づけようという気を起こさせていく。
それぞれが立ち直るというか、結局は子供たちに見捨てられたわけではなかったから、いわゆるハッピーエンド。 現実はこうはいかない。 ただの小説でしかない。
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