読書記録

2019年02月23日(土) ありがとうのかんづめ / 俵 万智


子育て短歌ダイアリー

これは幼稚園卒園までと5年生とある。
前作があったようだ。
『俵万智の子育て歌集 たんぽぽの日々』

「おかあさんはおとな?」とふいに聞かれおり 
たぶんおおむねそうだとおもう

日本語の響き最も美しき二語なり 「おかあさん」「ありがとう」

思い出の一つのようで そのままにしておく麦わら帽子のへこみ

母さんは合っていたのか 人生に答え合わせはなくて海鳴り

前を向けと言われる息子 「今オレが見ているほうが前」とつぶやく

それぞれの家の洗剤の匂いして 汗ばんでゆく子らのTシャツ


等々、一人息子さんを歌うその時の短歌とエッセィ


著者の『チョコレート革命』は持っているが、結婚されたこともそして今はシングルマザーだということも知らなかった。
でも こんなに情感たっぷりに、子育ての日々を歌っておられて、それがご本になって、息子さんが大きくなられた時にどんな思いで読まれるだろうかと思う。
感謝の気持ちしかないだろうな。
正に美しきに日本語 「おかあさん」「ありがとう」だろうなぁ。








2019年02月05日(火) ひとり 句集  / 瀬戸内 寂聴


 83の句と7つのエッセイ。

エッセイは最近の物ではなく 以前書かれたもののうち、俳句に関してお知り合いになった方々を書いたもの。


 生ぜしも死するもひとり柚子湯かな

 はるさめかなみだかあてなにじみおり

 おもい出せぬ夢もどかしく蕗の薹

 木枯らしや野にも山にも心にも

 独りとはかくもすがしき雪こんこん


著者、今現在96歳になられるはず…お元気でお過ごしだといいのだが。。









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