2016年08月27日(土) |
50歳からのおしゃれ暮らし 中山 庸子 |
図書館で目についた本。 わたしは60歳代だけれど 何か参考になればと。
著者のおうちのお気に入りたちの写真とかエッセイ風の軽い文章とか、最近とみにしょぼしょぼしてきた目には有難い本。
要は 私らくらいの年というか子供が独立して夫婦だけになったとき、身の丈に合ったゆっくりとした暮らしを提案するもの。 断捨離とまではいかなくても 昔から大事にしている物というかお気に入りに囲まれて暮らしましょう、と。 新しく側に置くものは、必ず自分の目で見て現金買いしたものたち。 肩の凝らないゆったりとした暮らしは 私も憬れだけれど、いかんせん物欲がなかなか断ち切れない。。。
損得で物事を考えたくはないけれど、我が家に(縁あって)持ち込んだ以上、じゅうぶん活用し「もとを取って」から、心おきなく捨てたい。 そういう意味で、私は「どんどん買う派」ではないし、「どんどん捨てる派」でもありません。 強いて言えば、迎えるものは選んで、使い切れるものは「ちゃんと使い切りたい派」。 ものに限らず、自分自身の能力や体力もそうなんですが、ないものねだりや高望みをするより、自分の持ち駒をすべて活かしきれたら面白いし気分がいいだろうな、と思うのでした。
大腿骨にボルトを入れる骨折をした踊り子が、引退を視野に入れてストリッパーとしての原点だった札幌でダンスシアターを開く。 不動産屋として知った伝説のバーテンダーJIN(竜崎)と、彼が連れてきた若い踊り子瑞穂とみのりとの1年未満のダンスシアターでのお話。
充分 映像にもなりそうな筋書きで面白く読んだ。 クリスマスイブに千歳空港に降り立った主人公が、年を越して『NORIKA』を開店させ、その年の12月21日には店を閉めて、怪我をするまで踊っていた小屋で再び踊り子として復活する。 JINはみんなが戻ってこれるようにと、『NORIKA』の後を『カクテルバーJIN』として開店させた。 これは 作者が続編を書きますよ、という暗示なのだろう。
それにしても 漢字では表さなかったけれど主人公は フジワラノリカと名乗っていた。 作者の意図というか思いが知りたいなぁ。
大手広告代理店の常務執行役員まで務めた主人公は、関連会社の社長ポストを蹴って定年退職した。 バラ色の自由な第二の人生を思い描いていたが、現実は夫婦関係の危機と、時間を持て余す孤独な日々だった。 ちょっとした諍いから妻が一人暮らしを始めた娘のワンルームマンションに移ってしまい、主人公の威一郎の隣りには犬のコタロウだけになってしまった。 寂しさを紛らすためにデートクラブなるものに入会するという、この作者ならではの展開となる。 男ならではのあわよくば・・・という思いから若い女性と食事をして、ひととき寂しさを忘れて満たされた思いに満たされる。 自宅に招いて、旅行にも誘うが突然帰ってきた妻に訝しがられ、ひとときのアバンチュールは終わってしまう。
結局は妻と元のさやに納まるのだけれど、高齢化社会のいま、明日ではなく最早・・・きょうは我が身の現実である。
ほぼ 我が家と同年代のお話であるだけに、妻の心情がよく分かり、できる事ならウチのダンナにも読んでほしい内容だ。
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