2004年01月21日(水) |
後巷説百物語 京極 夏彦 |
左膝関節の手術で入院中に読んだ本 初めての京極作品 面白い!
■内容説明 明治十年。一等巡査の矢作剣之進は、ある島の珍奇な伝説の真偽をめぐり、友人らと言い争いになる。ついに一同は解を求め、東京のはずれに庵を結ぶ隠居老人を訪ねることになるが…。
2004年01月12日(月) |
生きる 乙川 優三郎 |
藩主が身罷ったときに後を追うというか追い腹をするのが忠誠の証とか・・ まして重用されたものならなお更という中で、国家老から固く禁止され誓約分まで書かされて藩主亡き後の藩への忠誠を求められる。が 人の噂はそんな石田又右衛門を恩知らずとか腰抜けとののしる。他家へ嫁いだ娘からも義絶され 父のかわりに後とり息子が果てる。妻も病気で失いたった一人になってしまい、わが身もこれまでと思うがうらみつらみを文にしたためて果てようと思ったときおのれの小ささに気づく。胸の内を文字にしてみると恨みの正体が見えてきてその薄さに気付かされたのだった。最後に残った婢のせきに亡くなった妻が言ったなにげない言葉を聞く。 「何を幸せに思うかは人それぞれだと、たとえ病で寝たきりでも日差しが濃くなると心も明るくなるし、風が花の香を運んでくればもうそういう季節かと思う。起き上がりその花を見る事が出来たらそれだけでも病人は幸せです。」
安穏河原 昔は貧乏から娘を遊郭へ送らなくてはならないことが多くあった。武士という身分であっても浪人の身となればそういう話もありうる。そんな親がお金を貯めて知った男に一晩 娘をたくす。そして様子を尋ねる。何となくすっきりしない話だ。
早春 下級武士の主人公の家に奉公に来た心やさしい女中を思う。 身分の違いから一緒にはなれなかったが、老いてふと思い出して散歩の途中に家を捜す。確かにこの女人だと思うのだが幸せそうな女は「人違いでしょう・・」と言う。早春の頃である。
2004年01月10日(土) |
途中下車 高橋 文樹 |
交通事故で両親を一度に失ってしまった兄と妹。 二人暮しになってしまった兄と妹はいつしか男と女の道に入ってしまう。兄には大学で彼女も出来るのだが、妹のほうは兄にしか心も身体も癒されないようだ。たとえモラルに反していようとも、ぼくは妹を愛し抜く―。それが、ぼくが選び取った生き方だ。私の子供はこの物語と同じ、上が男で下が女。もし、ダンナと私が事故で両方共が死んだ場合、この物語のようになるだろうか・・。 今ではあり得ないが大学生と高校生くらいの頃にそういう立場になったとしたら・・。私は物語に自分を重ねるクセがあるので・・でも こんな想像は辞めておこう。 タイトルは普通の人生感から途中下車した・・ということなのだろうか。
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