読書記録

2003年10月24日(金) 人生応援団          頼藤 和寛

平成13年の5月に亡くなられた 頼藤和寛 さんの人生応援団という本がある
生前 サンケイ新聞で人生相談をされていてそれらをまとめたものである
この先生 精神科の医師で神戸の女子大の先生もされていた
新聞での人生相談だが なかなか面白い回答をされる
うちは サンケイではないので実際に紙面で読んだことはない
娘のことで落ち込んでいる私に ある方がその先生の新聞の切り抜きを下さった
少し 黄色に変色したその切り抜きに読み足りず 本を買った
見方によっては 子供のことで悩んでいる親に目を覚まさして下さる
親の思いが伝わらないで心配をかける子供が何処にでもいます
よく私の育て方が悪かったのでしょうか・・と言われるがナニ、関係はありません
あたり前の話だが親と子供は別だということ
どんなに親が子供のことを思っても 子供から見たら生物学的には他人です
たまに うらやましいような親子関係を見ることもありますが
あれはたまたま性分のよい子供に当ったクジ運のよい親というだけのことです
子供は20歳くらいになったら家から出すべきだと言われる
息子夫婦が冷たいと言う老人には 今の時代 子育ての見返りはありませんと言う
夜中に親の首を絞めにこないだけマシだと思いましょう
離婚すべきかどうか脳んでいる方に対しても
別れるも地獄、別れないのも地獄、どちらの地獄があなたにとって耐えやすいか、別れた場合のバランスシートと 婚姻を続けた場合のバランスシートを書きだしてカウントしなさい
隣人にいじめられていると言えば引越ししなさい
いじめる方の人間にならないだけマシじゃないですか・・・etc・・・
もちろん 精神科の先生だから専門的な答えもタマにはある

まぁ 生きていくに悩みはつきないようだが
ようするに心の持ち方ということだろう
私にも捜さなくてもいろいろとささやかな楽しみがあるのだから・・
でもなぁ・・





2003年10月15日(水) 美は乱調にあり        瀬戸内 晴美


 明治44年春 九州から上京、上野高等女学校に在学中の伊藤野枝は、新任教師の辻潤を知る。波乱の生涯のそれが始まりであった。潤との熱烈な恋、雷鳥平塚明子との交友、「青鞜社」への参加、そして社会主義者大杉栄との宿命的出会い、その妻としての凄惨な死・・・・・。激しい女の生命を乱調の美に彩った28歳の生涯を描く。
野枝は28歳(29歳・・)のみじかい生涯で、三人の夫と交渉をもち、七人の子を生み、かなりな作品をのこし、「青鞜」派やアナキズムの運動に加わって命を絶たれた。彼女の生涯はそれ自体で一個の時代的ドラマである。

美は乱調にある。諧調は偽りである。
              大杉 栄





愚劣で単調で平凡でケチケチした生活
夜の次には朝が来て
朝の次には昼が来るという決まりきった生活
キセキもおこらなければ、アバンチュールもない生活
もうあきあきだ
         






2003年10月13日(月) 死水              三浦 明博

 早瀬は自らの過ちで死なせてしまった幼い娘への負い目もあって、隠遁ではないがリバーキーパーとして玄沼(くろぬま)に住んでいる。
人間はいつだって自然や動物から奪ってばかりなのに、動物のほうは人間にいろんなものを分け与えてくれる。
これは自然保護を逆手にとったようなサスペンスなのか?
思いがけない人物が犯人で人間の心理も難しい。

物語の所々で早瀬が娘に手紙を書く。
えんぴつでひらがなで、幼い娘に語りかけるように・・。
妻のことは1行も出てこない・・




2003年10月05日(日) 花に問え         瀬戸内 寂聴

  
さけば咲きちればおのれとちる花の
  ことわりにこそ身はなりにけれ
(咲く時が来れば咲き、散る時が来れば自然に散っていく花の自然の
理法のままに自分の身もなっていくのだ)


花はいろ月はひかりとながむれば
  こころはものを思はざりけり
(花には花の色があり、月には月の光があると、自然のままを素直に
執着なく眺めていれば、心は格別のもの思いにもとらわれない。
無心でいられる)


「花の事は花に問へ。紫雲の事は紫雲に問へ。一遍しらず」


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