2000年04月20日(木) |
バースディ 鈴木 光司 |
■内容説明 誕生という奇跡と暗黒を前にもだえ、うち震える、「リング」貞子、「らせん」舞、「ループ」礼子の三人の女たち。1999年、鈴木光司発、ハリウッド的ストーリー炸裂の「リング・ワールド」ここに完結。
本の内容
科学者の父親と穏和な母親に育てられた医学生の馨にとって家族は何ものにも替えがたいものだった。しかし父親が新種のガンウィルスに侵され発病、馨の恋人も蔓延するウィルスに感染し今や世界は存亡の危機に立たされた。ウィルスはいったいどこからやって来たのか?あるプロジェクトとの関連を知った馨は一人アメリカの砂漠を疾走するが…。そこに手がかりとして残されたタカヤマとは?「リング」「らせん」で提示された謎と世界の仕組み、人間の存在に深く迫り、圧倒的共感を呼ぶシリーズ完結編。否応もなく魂を揺さぶられる鈴木文学の最高傑作。
う〜ん 作者の想像力に脱帽
物語の主人公は監察医の安藤満男。安藤が、学生時代の友人である高山竜司の死体を解剖する場面から『らせん』は始まる。高山竜司は前作の『リング』での印象的な主要登場人物でもある。安藤は謎の死をとげた高山竜司の解剖を担当して、冠動脈から謎の肉腫を発見し、遺体からはみ出た新聞紙に書かれた数字を見つける。私には100%理解不能な塩基配列・・何の「こっちゃ・・。『リング』も『らせん』も単純にそのまま言葉の意味だけを見れば、終わりのないぐるぐる回りということになる。シリーズを通して存在する不死身の主人公である山村貞子のDNAが、次々と新たな主人公に乗り移っていくことで終わりのない物語を形成していくことになるのだろう。
物語の発端は、4人の少年少女たちの謎の突然死にはじまる。4人とも、同じ日の同じ時刻に申し合わせたように心不全で死ぬ。死んだ少女の叔父に当たる主人公が原因を調べはじめ、見た人間の一週間後の死を予告する恐怖のビデオテープを見てしまう。そのテープの末尾には死を回避するための方法が描かれているはずなのだが、その部分だけが消されている。どうやら、死んだ4人がそのテープを見たあとに、その部分を消してしまったらしい。 なぞを探して主人公は浅間山まで出かけて行く。 山村貞子という美少女の秘密を探り当てる(私がいちばん怖いと思ったこと・・男女両性具をもっていた) この山村貞子という少女は殺されたわけだけれど、その怨念が生きていたことによる少女たちの突然死のようだった。 私の正直な感想としては怖さもあるが、いま風でいうところの『キモイ』だろうか・・
弟に借りた本だったけれど、二人ともよくこんなストーリーを考えるなぁ・・と思ったことだ。
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