結局のところ。
あたしは寂しくて仕方ない。



優ちゃんが電気を消して、寝室へ行ってしまった。
秀が起きていれば楽しいけれど、
さすがにこの時間は寝るようになった。
あたしは一人だ。
望まない一人。



結局のところ。
あたしは抱かれたくて仕方ない。
いつも傍にいるのは優ちゃんなのに、
あたしを抱きたいとささやくのはどうして優ちゃんじゃないの？
ささやかれるたびに、みじめで、情けない。




泣いてブスになったら、優ちゃんに笑われるってわかってるのに。
寂しいの、と抱きついても、
喜ぶ人じゃないってわかってるのに。
繰り返してしまうのは何故？

そもそも。
抱かれないからと寂しさを感じるのが間違ってるのも、
わかってる、のに。



ホワイトデーのケーキなんか要らないよ。
抱きしめてキスをして愛していると言ってくれたら。
例え来年の今日まで言われなくても、頑張れる気がするのに。
ケーキが彼なりの「愛してる」だと思うと、言えない。

ねぇ、愛してるって、伝わってる？





もう他に誰も愛せないと思った夜があった。
きっと、あなたにもあったよね？


永遠にも思えたその夜を、
乗り越えたらあなたがいて、
あっという間に、ふたりの宝物を授かった。
お互いの半身を愛することで、
私たちは愛し合っているのかしら。



それでも、
あなたの唇が欲しい私は間違ってる？
あなたの体温が欲しい私は間違ってる？
あなたは…欲しくない？
私がいなくても大丈夫？


母親と女の両立は、
今はまだ難しいのかな…。
揺れ動く日々。



手をつなぐカップルがひどく羨ましいなんて、
なんだか不幸な愚かしさ。





***************




記憶が消せるなら。
寺島との相性抜群のセックスと、
優ちゃんの、
「(ある昔の彼女と)一晩に3回してた」
「(その彼女とは)永遠に別れないだろうと思ってた」
ってセリフの記憶が消えてほしい…


寺島への愛情は、キレイサッパリ忘れたのに。
魔法みたいなセックスだけ、時々思い出す。
でも優ちゃんのセリフのせいだし。罪悪感ゼロ。



優ちゃんのバカ。
抱かれたいのに、嫌悪感。

雪絵 ｜MAIL ｜HOME ｜BLOG

My追加