綿霧岩
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脳味噌の前半分が、岩みたいに硬くなって、それが四つくらいのブロックに割れ、割れたブロックひとつひとつは微震動していて、ギシギシ、とこすれ合う感じでした。その割れ目から、液体がつい〜と垂れ落ちて、鼻水になったのでした。 気付けば頭全体がやわらかな綿のようなものに締め付けられて、岩みたいに硬い感覚は他人事みたいに遠くに行き、ただ綿が熱くて、意識は朦朧となりました。 私の体って、管の集まりなんだわ、と再発見。 カゼもどき、なだけなんですけども。 季節は気持ちの良いうららかなこの頃ですのに、この体の中は私の意志よりも先に荒れ狂っていました。いま、咳だけはしぶとく居残っています。
通勤途中の道の脇に、チューリップがたくさん咲いています。 ずいぶん大きな種類のやつもあって、それが膨らみきって開ききっているさまは、豪快です。チューリップ、というかわいらしげなイメージを覆すかのごとく大胆に開いた花は、この世の春を謳歌する武将のようです。
海の近くの町は、空も広かったです。 結構な繁華街だったはず、と遠い記憶をたどって、予想される町の人ごみにあらかじめうんざりしながら電車を降りたのですが、思ったよりもうーんと気持ちがのびのびしました。
がやがや、打ち上げ花火を見送るみたいな、アルバイト先の展覧会の終わりを迎えて、久々に打ち上げというものを体験しました。様々な世代の人達と、カラオケにまで行きました。そんなこんなで、私がとりとめなくも思ったことは、私の言葉って、本当に何にも通じない、ということであります。言語能力ゼロだわ、と。外国じゃないんですけどここは。しかし、それでも言葉に頼ることしかできなくて、だけど、これじゃ通じない、これでも通じない、私の言葉はそこで止まってしまって、結局、言葉に頼りすぎると無口になってしまうのですね。 人に合わせすぎて、自分の意に反するのは嫌。でも我道を行って、周りをほったらかしにするのも嫌。ジレンマが起こります。 ああ駄目人間、と自分に烙印を押しながら帰ってくるわけですが、そういうときに私の内部は非常に動いていて、その動きがなきゃあ、死んでしまうような気もするわけです。
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